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058 クロエ
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「クロエー! ご飯よー!」
「あい~……」
寝室のドアを貫通して聞こえるママの声に返事をしながら、あたしはベッドの上で体を起こした。そうだった。あたし、冒険から帰ってきて、ご飯ができるまでの間、横になってたんだった。
「んぐ~……」
腕を中途半端に上げて、ベッドに座ったまま背筋を伸ばすと、ポキポキッと小さく音を立てた。それだけのことで、体が浮き上がりそうなほど軽くなった気がする。気持ちいい。
「はぁ……」
腕を下すと、途端に重力に捕まったように体が重くなる。すごく疲れているわけじゃない。でも、じんわりと重たくなるような鈍い疲れを感じた。
軽く仮眠を取ったけど、まだまだ疲れが残っている。きっと体の芯の方が疲れているのだろう。今回の冒険は、長かったからね。
今回の冒険の目的地『ゴブリンの巣穴』は、レベル2のダンジョンだったけど、すっごく緊張した。だって叔父さんが見てるんだもん。少しでもいいところを見せたくて、少し空回りしていたかもしれない。
それに、ダンジョンボスのホブゴブリンたちは純粋に強かった。今更レベル2のダンジョンで得るものがあるのか心配だったけど、良い意味で予想を裏切られた。いろんな武器を使ってくるし、エルもジゼルも勉強になったと言っていた。
今回、『ゴブリンの巣穴』に行こうと言い出したのは、叔父さんだった。さすが叔父さん。あたしたちの実力を見抜いて、最適なダンジョンに連れて行ってくれたのだと思う。噂では、叔父さんはこの王都の全ての冒険者の動向を把握しているらしいし、あたしたちのこともとっくの昔に知っていたのだろう。
やっぱり叔父さんはすごい! さすが王都でも3人しか居ないレベル8冒険者!
「よっと」
あたしはベッドから飛び降りると、髪を手櫛で整えながら寝室のドアの前に立つ。そして、自分の体を見下ろして、おかしなところがないかチェックする。今日も叔父さんが家に来てくれるかもしれないから気は抜けない。
「よしっ」
いつも着ているワンピースを叩いて埃を飛ばすと、あたしはゆっくりと寝室のドアを開けた。あたしなりにおしとやかな女の子を演じているのだ。
ドアを開けると、テーブルのいつもの席に叔父さんの姿があった。あたしの胸の鼓動が、それだけで高鳴るのを感じた。今まで冒険中はずっと一緒に居たのに、やっぱり少しでも離れてしまうと、また会いたくなる心を抑えられない。
トクトクと高鳴る胸の鼓動に動かされるように、あたしはテーブルへと足を踏み出す。なにかおかしな感じがして自分の体を見下ろすと、右の手足が一緒に出ていた。
こんなんじゃ、緊張してるのが叔父さんにバレちゃう!
あたしは一気に顔が熱くなっていくのを感じた。顔なんて赤くしたら、ますます叔父さんに気付かれてしまう。あたしは小さく深呼吸すると、意識して右足と左手を前に出して歩き始める。少し動きが硬い気がするけど、まぁ合格点だろう。合格点だといいな。
「その、おかえりなさい、叔父さん」
「おう。クロエもさっきぶりだな」
あたしの言葉に、叔父さんが笑みを見せる。いつもより長い無精ヒゲが、なんだか野性的な魅力を感じさせた。
再び頬に熱が入るのを感じながら、あたしは急いで俯いて、イスに座る。赤い顔を見られるのは恥ずかしい。
「やっと来たわね。さあ、さっそく食べましょ。今日もアベルが外で買ってきてくれたの。ちゃんとお礼を言ってから食べるのよ?」
「ありがとう、叔父さん」
「おう」
あたし渾身の笑顔を叔父さんに向けてみる。叔父さんは、なんだか眩しいものを見るように優しく目を細めていた。
叔父さんは優しい笑顔を浮かべてはいるけど、その顔色は普段と変わらない。できれば、叔父さんをドキッとさせたかったけど、あたしの不意打ちは、どうやら失敗したらしい。防御固いなー……。
思い出せば、叔父さんが顔を赤らめて照れているところを見たことがない。いつかは見てみたいけど……。
あたしも背が伸びて、エルやイザベルみたいに胸が大きくなれば、叔父さんを照れさせることができるだろうか?
少なくとも、叔父さんには、あたしのことをただの姪ではなく、女の子だと認識してほしい。だけど、その道のりは長そうだ。
「いただきます」
「おう。食ってくれや」
「いただきまーす」
あたしは、出そうになった溜息を飲み込んで、みんなに合わせてそう口にする。
教会や孤児院では、もっと長い食前の祈りがあるようだけど、あたしの家ではこんな感じだ。あたしは、叔父さんが食前の祈りを唱えることもできることを知っているけれど、叔父さん自身が堅苦しいのは嫌いなのか、省略することが多い。
あ、このキッシュおいしい。
「事前に聞いてはいたけど、本当に14日も冒険なんて……。根を詰めすぎじゃない?」
ママは相変わらず心配そうな目であたしと叔父さんのことを見ていた。一人娘が心配なのは分かるけど、ママは心配性過ぎるのよね。もうちょっとあたしと叔父さんのことを信用してほしいところだけど、ママの気持ちを考えると難しいわよね。あたしと叔父さんが冒険に行ってる最中は、ママ一人になっちゃうし……。
「心配ねぇって。オレもクロエたちも怪我一つもしてねぇからな。今回は、ダンジョンが王都の近くだったからこんなもんで済んだが、遠方のダンジョンに潜るなら、もっと時間がかかることもあるぜ?」
「はぁー……」
ママは、頭が痛いとばかりに手で額を覆ってしまった。早くママが心配しなくなるような実力を身に付けたいところだけど……。レベル8の叔父さんも未だにママの心配の対象みたいだから、それは難しいかも。
「まぁ、そんな顔すんなって。今回のダンジョン攻略で、クロエの実力もだいぶ上がったんだぜ? まぁ、稼ぎの方は雀の涙だがな」
「えへへ……」
叔父さんに褒められて、思わず笑みが零れてしまった。
たしかに、叔父さんの言う通り、稼ぎという面では、本当にお小遣いといった額しか稼げなかったけど、それも事前に説明されていたし、仕方がない。叔父さんは稼ぎよりもあたしたちの実力が身に付くように計画を立ててるみたいだ。だけど、やっぱり早く自分で稼げるようになりたいわ……。まぁ、実力を身に付けて着実に進んだ方がいいのは分かってるんだけど……。女の子は、いろいろと物入りなのだ。
「命がけで、稼ぎが雀の涙って……。全然、わりに合ってないじゃないの……」
「まぁ、最初の内はそんなもんだって。その分、後からわんさか稼げるようになる」
「わんさか……」
いっぱい稼げるようになったら、なにをしよう?
まずは、服や下着を買い替えないとね。今のままでは、叔父さんの隣に立つのは恥ずかし過ぎる。あとは、エルの部屋には、かわいいぬいぐるみがたくさんあったし、あたしもぬいぐるみとか欲しいかな。
それに、ママにも楽させてあげないとね。叔父さんは、よくマルシェの食べ物を買ってきてくれるけど、今度はレストランに食べに行くというのはどうかしら。それと、ママにもやっぱりおしゃれしてほしい。どれぐらいお金がかかるのか分からないけど、エルのお家みたいに、お手伝いさんを雇うのもありかしら。でも、そのためには、まずお引越しからね。こんな狭い家にお手伝いさんを呼ぶなんて、なんだか変な感じだもの。
お引越しするためには、まずはお引越し先を決めないとね。今のアパートも住み慣れてて愛着はあるけど、さすがに狭すぎる。あたしにも専用の部屋が欲しいわ。ママの部屋も必要だし、それに、今は宿暮らしみたいだし、叔父さんの部屋も……。
いえ、この場合、夫婦の部屋になるのかしら。
夫婦……。その言葉だけで、あたしの鼓動は早くなっていく。
それにしても、叔父さんはいつになったらあたしにプロポーズしてくれるのかしら?
あたしももう成人したし、大人になったのだからそろそろだと思うんだけど……。なにも言ってくれないとちょっと不安になるわね。この間なんて、あたしの前だというのにイザベルに「エルフのように綺麗だ」なんて歯の浮くようなセリフを吐いていたし、ジゼルとくっ付いてたし……。
浮気は絶対に許さないんだから!
「あい~……」
寝室のドアを貫通して聞こえるママの声に返事をしながら、あたしはベッドの上で体を起こした。そうだった。あたし、冒険から帰ってきて、ご飯ができるまでの間、横になってたんだった。
「んぐ~……」
腕を中途半端に上げて、ベッドに座ったまま背筋を伸ばすと、ポキポキッと小さく音を立てた。それだけのことで、体が浮き上がりそうなほど軽くなった気がする。気持ちいい。
「はぁ……」
腕を下すと、途端に重力に捕まったように体が重くなる。すごく疲れているわけじゃない。でも、じんわりと重たくなるような鈍い疲れを感じた。
軽く仮眠を取ったけど、まだまだ疲れが残っている。きっと体の芯の方が疲れているのだろう。今回の冒険は、長かったからね。
今回の冒険の目的地『ゴブリンの巣穴』は、レベル2のダンジョンだったけど、すっごく緊張した。だって叔父さんが見てるんだもん。少しでもいいところを見せたくて、少し空回りしていたかもしれない。
それに、ダンジョンボスのホブゴブリンたちは純粋に強かった。今更レベル2のダンジョンで得るものがあるのか心配だったけど、良い意味で予想を裏切られた。いろんな武器を使ってくるし、エルもジゼルも勉強になったと言っていた。
今回、『ゴブリンの巣穴』に行こうと言い出したのは、叔父さんだった。さすが叔父さん。あたしたちの実力を見抜いて、最適なダンジョンに連れて行ってくれたのだと思う。噂では、叔父さんはこの王都の全ての冒険者の動向を把握しているらしいし、あたしたちのこともとっくの昔に知っていたのだろう。
やっぱり叔父さんはすごい! さすが王都でも3人しか居ないレベル8冒険者!
「よっと」
あたしはベッドから飛び降りると、髪を手櫛で整えながら寝室のドアの前に立つ。そして、自分の体を見下ろして、おかしなところがないかチェックする。今日も叔父さんが家に来てくれるかもしれないから気は抜けない。
「よしっ」
いつも着ているワンピースを叩いて埃を飛ばすと、あたしはゆっくりと寝室のドアを開けた。あたしなりにおしとやかな女の子を演じているのだ。
ドアを開けると、テーブルのいつもの席に叔父さんの姿があった。あたしの胸の鼓動が、それだけで高鳴るのを感じた。今まで冒険中はずっと一緒に居たのに、やっぱり少しでも離れてしまうと、また会いたくなる心を抑えられない。
トクトクと高鳴る胸の鼓動に動かされるように、あたしはテーブルへと足を踏み出す。なにかおかしな感じがして自分の体を見下ろすと、右の手足が一緒に出ていた。
こんなんじゃ、緊張してるのが叔父さんにバレちゃう!
あたしは一気に顔が熱くなっていくのを感じた。顔なんて赤くしたら、ますます叔父さんに気付かれてしまう。あたしは小さく深呼吸すると、意識して右足と左手を前に出して歩き始める。少し動きが硬い気がするけど、まぁ合格点だろう。合格点だといいな。
「その、おかえりなさい、叔父さん」
「おう。クロエもさっきぶりだな」
あたしの言葉に、叔父さんが笑みを見せる。いつもより長い無精ヒゲが、なんだか野性的な魅力を感じさせた。
再び頬に熱が入るのを感じながら、あたしは急いで俯いて、イスに座る。赤い顔を見られるのは恥ずかしい。
「やっと来たわね。さあ、さっそく食べましょ。今日もアベルが外で買ってきてくれたの。ちゃんとお礼を言ってから食べるのよ?」
「ありがとう、叔父さん」
「おう」
あたし渾身の笑顔を叔父さんに向けてみる。叔父さんは、なんだか眩しいものを見るように優しく目を細めていた。
叔父さんは優しい笑顔を浮かべてはいるけど、その顔色は普段と変わらない。できれば、叔父さんをドキッとさせたかったけど、あたしの不意打ちは、どうやら失敗したらしい。防御固いなー……。
思い出せば、叔父さんが顔を赤らめて照れているところを見たことがない。いつかは見てみたいけど……。
あたしも背が伸びて、エルやイザベルみたいに胸が大きくなれば、叔父さんを照れさせることができるだろうか?
少なくとも、叔父さんには、あたしのことをただの姪ではなく、女の子だと認識してほしい。だけど、その道のりは長そうだ。
「いただきます」
「おう。食ってくれや」
「いただきまーす」
あたしは、出そうになった溜息を飲み込んで、みんなに合わせてそう口にする。
教会や孤児院では、もっと長い食前の祈りがあるようだけど、あたしの家ではこんな感じだ。あたしは、叔父さんが食前の祈りを唱えることもできることを知っているけれど、叔父さん自身が堅苦しいのは嫌いなのか、省略することが多い。
あ、このキッシュおいしい。
「事前に聞いてはいたけど、本当に14日も冒険なんて……。根を詰めすぎじゃない?」
ママは相変わらず心配そうな目であたしと叔父さんのことを見ていた。一人娘が心配なのは分かるけど、ママは心配性過ぎるのよね。もうちょっとあたしと叔父さんのことを信用してほしいところだけど、ママの気持ちを考えると難しいわよね。あたしと叔父さんが冒険に行ってる最中は、ママ一人になっちゃうし……。
「心配ねぇって。オレもクロエたちも怪我一つもしてねぇからな。今回は、ダンジョンが王都の近くだったからこんなもんで済んだが、遠方のダンジョンに潜るなら、もっと時間がかかることもあるぜ?」
「はぁー……」
ママは、頭が痛いとばかりに手で額を覆ってしまった。早くママが心配しなくなるような実力を身に付けたいところだけど……。レベル8の叔父さんも未だにママの心配の対象みたいだから、それは難しいかも。
「まぁ、そんな顔すんなって。今回のダンジョン攻略で、クロエの実力もだいぶ上がったんだぜ? まぁ、稼ぎの方は雀の涙だがな」
「えへへ……」
叔父さんに褒められて、思わず笑みが零れてしまった。
たしかに、叔父さんの言う通り、稼ぎという面では、本当にお小遣いといった額しか稼げなかったけど、それも事前に説明されていたし、仕方がない。叔父さんは稼ぎよりもあたしたちの実力が身に付くように計画を立ててるみたいだ。だけど、やっぱり早く自分で稼げるようになりたいわ……。まぁ、実力を身に付けて着実に進んだ方がいいのは分かってるんだけど……。女の子は、いろいろと物入りなのだ。
「命がけで、稼ぎが雀の涙って……。全然、わりに合ってないじゃないの……」
「まぁ、最初の内はそんなもんだって。その分、後からわんさか稼げるようになる」
「わんさか……」
いっぱい稼げるようになったら、なにをしよう?
まずは、服や下着を買い替えないとね。今のままでは、叔父さんの隣に立つのは恥ずかし過ぎる。あとは、エルの部屋には、かわいいぬいぐるみがたくさんあったし、あたしもぬいぐるみとか欲しいかな。
それに、ママにも楽させてあげないとね。叔父さんは、よくマルシェの食べ物を買ってきてくれるけど、今度はレストランに食べに行くというのはどうかしら。それと、ママにもやっぱりおしゃれしてほしい。どれぐらいお金がかかるのか分からないけど、エルのお家みたいに、お手伝いさんを雇うのもありかしら。でも、そのためには、まずお引越しからね。こんな狭い家にお手伝いさんを呼ぶなんて、なんだか変な感じだもの。
お引越しするためには、まずはお引越し先を決めないとね。今のアパートも住み慣れてて愛着はあるけど、さすがに狭すぎる。あたしにも専用の部屋が欲しいわ。ママの部屋も必要だし、それに、今は宿暮らしみたいだし、叔父さんの部屋も……。
いえ、この場合、夫婦の部屋になるのかしら。
夫婦……。その言葉だけで、あたしの鼓動は早くなっていく。
それにしても、叔父さんはいつになったらあたしにプロポーズしてくれるのかしら?
あたしももう成人したし、大人になったのだからそろそろだと思うんだけど……。なにも言ってくれないとちょっと不安になるわね。この間なんて、あたしの前だというのにイザベルに「エルフのように綺麗だ」なんて歯の浮くようなセリフを吐いていたし、ジゼルとくっ付いてたし……。
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