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12 初めての調理
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虎族の村は、ウリンソンからほど近い場所にあった。
たしか設定では、虎族はウリンソンを外敵から守る役割があったからその関係だろう。
ウリンソンと同じような樹上に建てられた家々が見えるが、地上にもいくつか家らしきものが並んでいる。
地上の一際大きい木造の家の前には、黄色い毛色の虎族たちが集まっていた。
「さすがお嬢だ! もう帰ってきた!」
「お嬢! 薬ができたってのは本当ですかい!?」
「これでボスも元気になる!」
「ん!」
虎族たちがフアナを迎え、フアナは頷き一つで応えると家の中に入っていってしまった。
オレもすぐにフアナの後を追おうとしたが、まるで虎族たちが立ちはだかるようにオレの進路を塞いでしまう。
「で? お前は何なんだ?」
「お嬢を追いかけていたようだが……」
「ひょっとして、ストーカーってやつじゃないかい!?」
「なんだと!?」
「いくらお嬢がかわいいからって、そいつは許せねえな!」
勝手にヒートアップしていく虎族の若者たち。木の上からも視線を感じて見上げれば、虎族の子どもやお年寄りまでオレを厳しい目で見ていた。
「ちょっと待ってくれ! 誤解だ! オレはちゃんとフアナの許可を得て後を付けてきたんだ!」
「やっぱりお嬢の後を付けてきたのね!」
「正体表したな!」
「そんな許可お嬢が出すわけねえだろ!」
「いや、きっとお嬢はこいつに騙されてるんだ!」
「お嬢を守るためにも、消した方がよくないか?」
「そうね」
「そうだな」
なんか虎族たちの目がマジなんだが?
「フアナ! フアナー! ちょっと助けてくれ!」
「なに?」
呼んだらすぐにフアナが大きな家から出てきた。助かった……。
「フアナから説明してくれ。なんだか不審者と間違われてるみたいなんだ」
「ん?」
フアナはコテンとかわいく首をかしげた後、頷いてくれた。
「その人、ばるたざーる。青の星香草、見つけた」
「なに!?」
「あんたが見つけてくれたのか!?」
「なんだよ、そういうことは早く言えよな!」
「なんだい、水臭いお人だよお」
フアナの言葉を聞いて、コロッと態度を変える虎族たち。もうみんなニコニコでフレンドリーだ。
手のひらどうなってるんだよ……。クルックルじゃねえか。
あれかな? 族長が危篤状態だから気が立っていたのかな?
そういうことにしておこう。
「それよりフアナ、親父さんはどうだった?」
「そうだ! ボスはどうだった?」
「薬は飲んだんだろ?」
「もう大丈夫だよな?」
オレがフアナに問いかけると、周りの虎族たちもフアナに尋ねる。
「ん。今、寝てる」
「そうか」
「よくなってくれるといいなぁ」
「ボスならきっと大丈夫だよ」
ゲームでもそうだったけど、族長はかなり慕われているみたいだな。
その時、く~と誰かの腹が鳴った音がした。オレには誰だかわからなかったが、みんなの視線がフアナに向かっていた。
もしかして、フアナのお腹の音なのか?
フアナはゆっくりとした動作でお腹を押さえると、ちょっとだけ顔を赤らめていた。
「フアナ、もしよかったらだけど、ご飯作らせてもらえないか?」
オレは気が付いたらそう口走っていた。
オレは料理人だ。お腹を空かせた子を幸せにするのが使命なのである。
「ん? ばるたざーる、作る?」
「ああ! オレはこれでも料理が上手いんだ! よかったら作らせてくれないか?」
「んー……。ん」
フアナは少し迷うような素振りを見せたが、最終的には頷いてくれた。
「よし!」
そうと決まれば、さっそく料理開始である。
「竈《かまど》貸してくれ」
「ん。こっち」
オレはフアナに案内されて彼女の家の中に入った。家に入ってすぐは土間になっていて、なんだか昔の家を思わせた。
土間には大きな水瓶や立派な竈、薪なんかが並んでいるが、どれも薄っすらと埃を被っていた。
「薪も借りるぞ」
「ん」
オレはさっそく調理を開始する。
収納空間を展開すると、金属のボウルと食パン、牛乳、卵、そして砂糖を取り出した。
「ん? どこから出てきた?」
「こういう魔法なんだ。いろんな物を仕舞っておけるんだよ」
「ふーん」
金属ボウルの中にたっぷりの牛乳を卵を割り入れ、砂糖も加えてよくかき混ぜる。食パンを厚切りにして、食パンにナイフで穴を開ける。それから金属ボウルの牛乳溶液に食パンを浸した。
事前に食パンにナイフで穴を開けることによって、パンに牛乳溶液が滲み込みやすくなるのだ。
オレも食べるし、フアナと二枚ずつで食パンは四枚でいいか。
「さて、フアナって食べられない物ってあるか?」
「ない」
「玉ねぎやネギも?」
「平気」
猫は玉ねぎやネギがダメだって聞くけど、フアナは大丈夫らしい。
「どうすっかな」
オニオンスープでも作ろうかと思ったのだが、スープストックもなければコンソメスープの素もない。
できればオレが作ったスープを飲んでほしかったのだが、仕方ない。今日のスープは収納魔法に収納してあるポトフでいいか。これなら野菜もお肉も入ってるし、栄養満点だろう。
たしか設定では、虎族はウリンソンを外敵から守る役割があったからその関係だろう。
ウリンソンと同じような樹上に建てられた家々が見えるが、地上にもいくつか家らしきものが並んでいる。
地上の一際大きい木造の家の前には、黄色い毛色の虎族たちが集まっていた。
「さすがお嬢だ! もう帰ってきた!」
「お嬢! 薬ができたってのは本当ですかい!?」
「これでボスも元気になる!」
「ん!」
虎族たちがフアナを迎え、フアナは頷き一つで応えると家の中に入っていってしまった。
オレもすぐにフアナの後を追おうとしたが、まるで虎族たちが立ちはだかるようにオレの進路を塞いでしまう。
「で? お前は何なんだ?」
「お嬢を追いかけていたようだが……」
「ひょっとして、ストーカーってやつじゃないかい!?」
「なんだと!?」
「いくらお嬢がかわいいからって、そいつは許せねえな!」
勝手にヒートアップしていく虎族の若者たち。木の上からも視線を感じて見上げれば、虎族の子どもやお年寄りまでオレを厳しい目で見ていた。
「ちょっと待ってくれ! 誤解だ! オレはちゃんとフアナの許可を得て後を付けてきたんだ!」
「やっぱりお嬢の後を付けてきたのね!」
「正体表したな!」
「そんな許可お嬢が出すわけねえだろ!」
「いや、きっとお嬢はこいつに騙されてるんだ!」
「お嬢を守るためにも、消した方がよくないか?」
「そうね」
「そうだな」
なんか虎族たちの目がマジなんだが?
「フアナ! フアナー! ちょっと助けてくれ!」
「なに?」
呼んだらすぐにフアナが大きな家から出てきた。助かった……。
「フアナから説明してくれ。なんだか不審者と間違われてるみたいなんだ」
「ん?」
フアナはコテンとかわいく首をかしげた後、頷いてくれた。
「その人、ばるたざーる。青の星香草、見つけた」
「なに!?」
「あんたが見つけてくれたのか!?」
「なんだよ、そういうことは早く言えよな!」
「なんだい、水臭いお人だよお」
フアナの言葉を聞いて、コロッと態度を変える虎族たち。もうみんなニコニコでフレンドリーだ。
手のひらどうなってるんだよ……。クルックルじゃねえか。
あれかな? 族長が危篤状態だから気が立っていたのかな?
そういうことにしておこう。
「それよりフアナ、親父さんはどうだった?」
「そうだ! ボスはどうだった?」
「薬は飲んだんだろ?」
「もう大丈夫だよな?」
オレがフアナに問いかけると、周りの虎族たちもフアナに尋ねる。
「ん。今、寝てる」
「そうか」
「よくなってくれるといいなぁ」
「ボスならきっと大丈夫だよ」
ゲームでもそうだったけど、族長はかなり慕われているみたいだな。
その時、く~と誰かの腹が鳴った音がした。オレには誰だかわからなかったが、みんなの視線がフアナに向かっていた。
もしかして、フアナのお腹の音なのか?
フアナはゆっくりとした動作でお腹を押さえると、ちょっとだけ顔を赤らめていた。
「フアナ、もしよかったらだけど、ご飯作らせてもらえないか?」
オレは気が付いたらそう口走っていた。
オレは料理人だ。お腹を空かせた子を幸せにするのが使命なのである。
「ん? ばるたざーる、作る?」
「ああ! オレはこれでも料理が上手いんだ! よかったら作らせてくれないか?」
「んー……。ん」
フアナは少し迷うような素振りを見せたが、最終的には頷いてくれた。
「よし!」
そうと決まれば、さっそく料理開始である。
「竈《かまど》貸してくれ」
「ん。こっち」
オレはフアナに案内されて彼女の家の中に入った。家に入ってすぐは土間になっていて、なんだか昔の家を思わせた。
土間には大きな水瓶や立派な竈、薪なんかが並んでいるが、どれも薄っすらと埃を被っていた。
「薪も借りるぞ」
「ん」
オレはさっそく調理を開始する。
収納空間を展開すると、金属のボウルと食パン、牛乳、卵、そして砂糖を取り出した。
「ん? どこから出てきた?」
「こういう魔法なんだ。いろんな物を仕舞っておけるんだよ」
「ふーん」
金属ボウルの中にたっぷりの牛乳を卵を割り入れ、砂糖も加えてよくかき混ぜる。食パンを厚切りにして、食パンにナイフで穴を開ける。それから金属ボウルの牛乳溶液に食パンを浸した。
事前に食パンにナイフで穴を開けることによって、パンに牛乳溶液が滲み込みやすくなるのだ。
オレも食べるし、フアナと二枚ずつで食パンは四枚でいいか。
「さて、フアナって食べられない物ってあるか?」
「ない」
「玉ねぎやネギも?」
「平気」
猫は玉ねぎやネギがダメだって聞くけど、フアナは大丈夫らしい。
「どうすっかな」
オニオンスープでも作ろうかと思ったのだが、スープストックもなければコンソメスープの素もない。
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