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128 森
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バウムガルテン領の発展は、もうオレの手から離れつつあった。もうオレがいちいち介入しなくても、商人や職人が需要に合った最適なものを用意してくれる。
オレが介入するべきは、もう金山とかくらいじゃないか?
あとは山師たちに他の鉱山を見つけるように指示を出しているくらいか。
あとは神の見えざる手という名の自然任せだ。
オレはもう上がってきた書類にハンコを押すだけのマシーンになっている。
金山といえば、試し掘りで出てきた金鉱石を調べたところ、少量のミスリルを含んでいることがわかった。
ザ・ファンタジーの代名詞とも言うべき金属の登場に気持ちはウハウハである。
でも、鉱山を所有すると、国にいくらか分け前を払わなくちゃいけないらしい。王国法でそう決まっているんだとさ。
まぁ全部持っていかれるわけじゃないし、王家も分け前が欲しいから協力してくれることになったし、まぁ妥当かな。
早くミスリルの剣とか造らせてみたいところだが、ミスリルは主に防具や装飾品に使うようだ。その方が有意義らしい。よくわからんけど。
そんなこんなで暇になったオレは、コルネリアやリリー、あとはクラウディアとエレオノーレのお姫様二人と共に森の探索に出かけていた。
「シッ!」
オレが威圧の魔眼でホブゴブリンの動きを止める。その隙をクラウディアが突いた。クラウディアの槍は吸い込まれるようにホブゴブリンの心臓を穿ち、ホブゴブリンは体をブルリと振るわせて、断末魔もなく倒れ伏す。
ゴブリンとの集団戦闘はこれで終了だ。モンスターの援軍の気配はない。
最初はどこかぎこちない部分があったが、もうすっかりパーティとして連携が上手くいくようになっていた。
偶然だが、構成もいいしね。タンクのエレオノーレに、物理アタッカーのコルネリアとクラウディア。魔法使いのリリーにヒーラーのオレだ。コルネリアは聖剣の力で水の魔法を、オレは宝珠のおかげで火の魔法を使えるし、かなり堅実でいて柔軟性に富んだパーティだと思う。
「おつかれさま。怪我はない?」
「大丈夫ですわ。ゴブリン程度に遅れは取りません。それよりも早く耳を回収して先に進みましょう」
一番激しくぶつかり合っていたエレオノーレも怪我はしていないみたいだ。お姫様だというのに、腰のナイフを抜いて率先してゴブリンたちの右耳を回収している。
本来ならお金稼ぎなんて必要ない立場だけど、自分の力で稼ぐというのが新鮮で面白いらしい。稼いだお金はお茶会のお菓子や装備品の修理などに使われている。
エレオノーレとオレ以外正体不明のギフトなのだが、その強さは折り紙付きだ。おそらくバウムガルテン領に居る冒険者の中でも一番強いパーティになるだろう。
そのせいか、オレたちが森に潜る場合は、他の冒険者パーティがまだたどり着いていない奥地へと潜ることが多い。
「さあ、行きましょう!」
ゴブリンの右耳を回収し終えたエレオノーレが息を弾ませて言った。
普通ならお姫様たちに未開の地を冒険させるなんて狂気の沙汰だろう。なにかあったら責任問題になる。だが、逆に言えば、責任を取る覚悟さえあればエレオノーレやクラウディアを冒険に誘えるのだ。
彼女たちは冒険というか戦闘というか、自分の力で切り開くことに飢えているからね。すこしでも息抜きになればいいと思っている。
まぁ、なにかあれば全力で守るが。
それでも、このパーティにはオレだけじゃなくてコルネリアもリリーも居る。オレたちが居れば、たとえ森の主たるヒュドラが出てきたとしても楽勝だろう。
ズボッ! ズボッ!
未開の森の中というのは、枝葉で太陽が遮られて薄暗いし、落ち葉や腐葉土が積もって歩きにくいことこの上ない。
とくに重装備のエレオノーレなんて一歩踏み出すごとに膝近くまで腐葉土に埋もれてしまうくらいだ。
「はっ、はっ、はっ」
しかし、エレオノーレはそんな重労働さえ楽しんでいるかのようにパーティの先頭を歩いていく。たぶん本当に楽しんだろうな。王宮にこもりっぱなしでは、こんな体験なんてできないから。
エレオノーレのすぐ後ろを歩くクラウディアも泣き言をいうどころか、今もニコニコ笑っているのが想像できた。
まぁお姫様二人がモンスター退治に積極的なのはいいね。ギフトも鍛えられるし。
ギフトといえば、オレが手にしたドラゴンの力だが、モンスターをいくら倒しても成長した実感がない。やはり普通のギフトとは成長させる方法が違うのだろう。どうすれば成長するのか……。単純に討伐したモンスターの数が少ないとか? 謎は尽きない。
「オークですわ! 数八!」
エレオノーレの凛々しい声に皆が即座に戦闘態勢に入る。今更オーク相手に後れを取るメンバーじゃないが、油断大敵だからね。
それにしても、最近ゴブリンやオークとの遭遇率が上がっている気がする。近くに彼らの村でもあるのだろうか?
まぁ、今考えることじゃないか。
前方を見れば、ピカッとフラッシュが起こり、オークの集団に雷が走った。リリーの魔法だ。残るオークはあと六体。いや、コルネリアとクラウディアが一体ずつ倒したから残り四体か。
あとはもう掃討戦だな。
オレが介入するべきは、もう金山とかくらいじゃないか?
あとは山師たちに他の鉱山を見つけるように指示を出しているくらいか。
あとは神の見えざる手という名の自然任せだ。
オレはもう上がってきた書類にハンコを押すだけのマシーンになっている。
金山といえば、試し掘りで出てきた金鉱石を調べたところ、少量のミスリルを含んでいることがわかった。
ザ・ファンタジーの代名詞とも言うべき金属の登場に気持ちはウハウハである。
でも、鉱山を所有すると、国にいくらか分け前を払わなくちゃいけないらしい。王国法でそう決まっているんだとさ。
まぁ全部持っていかれるわけじゃないし、王家も分け前が欲しいから協力してくれることになったし、まぁ妥当かな。
早くミスリルの剣とか造らせてみたいところだが、ミスリルは主に防具や装飾品に使うようだ。その方が有意義らしい。よくわからんけど。
そんなこんなで暇になったオレは、コルネリアやリリー、あとはクラウディアとエレオノーレのお姫様二人と共に森の探索に出かけていた。
「シッ!」
オレが威圧の魔眼でホブゴブリンの動きを止める。その隙をクラウディアが突いた。クラウディアの槍は吸い込まれるようにホブゴブリンの心臓を穿ち、ホブゴブリンは体をブルリと振るわせて、断末魔もなく倒れ伏す。
ゴブリンとの集団戦闘はこれで終了だ。モンスターの援軍の気配はない。
最初はどこかぎこちない部分があったが、もうすっかりパーティとして連携が上手くいくようになっていた。
偶然だが、構成もいいしね。タンクのエレオノーレに、物理アタッカーのコルネリアとクラウディア。魔法使いのリリーにヒーラーのオレだ。コルネリアは聖剣の力で水の魔法を、オレは宝珠のおかげで火の魔法を使えるし、かなり堅実でいて柔軟性に富んだパーティだと思う。
「おつかれさま。怪我はない?」
「大丈夫ですわ。ゴブリン程度に遅れは取りません。それよりも早く耳を回収して先に進みましょう」
一番激しくぶつかり合っていたエレオノーレも怪我はしていないみたいだ。お姫様だというのに、腰のナイフを抜いて率先してゴブリンたちの右耳を回収している。
本来ならお金稼ぎなんて必要ない立場だけど、自分の力で稼ぐというのが新鮮で面白いらしい。稼いだお金はお茶会のお菓子や装備品の修理などに使われている。
エレオノーレとオレ以外正体不明のギフトなのだが、その強さは折り紙付きだ。おそらくバウムガルテン領に居る冒険者の中でも一番強いパーティになるだろう。
そのせいか、オレたちが森に潜る場合は、他の冒険者パーティがまだたどり着いていない奥地へと潜ることが多い。
「さあ、行きましょう!」
ゴブリンの右耳を回収し終えたエレオノーレが息を弾ませて言った。
普通ならお姫様たちに未開の地を冒険させるなんて狂気の沙汰だろう。なにかあったら責任問題になる。だが、逆に言えば、責任を取る覚悟さえあればエレオノーレやクラウディアを冒険に誘えるのだ。
彼女たちは冒険というか戦闘というか、自分の力で切り開くことに飢えているからね。すこしでも息抜きになればいいと思っている。
まぁ、なにかあれば全力で守るが。
それでも、このパーティにはオレだけじゃなくてコルネリアもリリーも居る。オレたちが居れば、たとえ森の主たるヒュドラが出てきたとしても楽勝だろう。
ズボッ! ズボッ!
未開の森の中というのは、枝葉で太陽が遮られて薄暗いし、落ち葉や腐葉土が積もって歩きにくいことこの上ない。
とくに重装備のエレオノーレなんて一歩踏み出すごとに膝近くまで腐葉土に埋もれてしまうくらいだ。
「はっ、はっ、はっ」
しかし、エレオノーレはそんな重労働さえ楽しんでいるかのようにパーティの先頭を歩いていく。たぶん本当に楽しんだろうな。王宮にこもりっぱなしでは、こんな体験なんてできないから。
エレオノーレのすぐ後ろを歩くクラウディアも泣き言をいうどころか、今もニコニコ笑っているのが想像できた。
まぁお姫様二人がモンスター退治に積極的なのはいいね。ギフトも鍛えられるし。
ギフトといえば、オレが手にしたドラゴンの力だが、モンスターをいくら倒しても成長した実感がない。やはり普通のギフトとは成長させる方法が違うのだろう。どうすれば成長するのか……。単純に討伐したモンスターの数が少ないとか? 謎は尽きない。
「オークですわ! 数八!」
エレオノーレの凛々しい声に皆が即座に戦闘態勢に入る。今更オーク相手に後れを取るメンバーじゃないが、油断大敵だからね。
それにしても、最近ゴブリンやオークとの遭遇率が上がっている気がする。近くに彼らの村でもあるのだろうか?
まぁ、今考えることじゃないか。
前方を見れば、ピカッとフラッシュが起こり、オークの集団に雷が走った。リリーの魔法だ。残るオークはあと六体。いや、コルネリアとクラウディアが一体ずつ倒したから残り四体か。
あとはもう掃討戦だな。
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