【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様

くーねるでぶる(戒め)

文字の大きさ
129 / 189

128 森

しおりを挟む
 バウムガルテン領の発展は、もうオレの手から離れつつあった。もうオレがいちいち介入しなくても、商人や職人が需要に合った最適なものを用意してくれる。

 オレが介入するべきは、もう金山とかくらいじゃないか?

 あとは山師たちに他の鉱山を見つけるように指示を出しているくらいか。

 あとは神の見えざる手という名の自然任せだ。

 オレはもう上がってきた書類にハンコを押すだけのマシーンになっている。

 金山といえば、試し掘りで出てきた金鉱石を調べたところ、少量のミスリルを含んでいることがわかった。

 ザ・ファンタジーの代名詞とも言うべき金属の登場に気持ちはウハウハである。

 でも、鉱山を所有すると、国にいくらか分け前を払わなくちゃいけないらしい。王国法でそう決まっているんだとさ。

 まぁ全部持っていかれるわけじゃないし、王家も分け前が欲しいから協力してくれることになったし、まぁ妥当かな。

 早くミスリルの剣とか造らせてみたいところだが、ミスリルは主に防具や装飾品に使うようだ。その方が有意義らしい。よくわからんけど。

 そんなこんなで暇になったオレは、コルネリアやリリー、あとはクラウディアとエレオノーレのお姫様二人と共に森の探索に出かけていた。

「シッ!」

 オレが威圧の魔眼でホブゴブリンの動きを止める。その隙をクラウディアが突いた。クラウディアの槍は吸い込まれるようにホブゴブリンの心臓を穿ち、ホブゴブリンは体をブルリと振るわせて、断末魔もなく倒れ伏す。

 ゴブリンとの集団戦闘はこれで終了だ。モンスターの援軍の気配はない。

 最初はどこかぎこちない部分があったが、もうすっかりパーティとして連携が上手くいくようになっていた。

 偶然だが、構成もいいしね。タンクのエレオノーレに、物理アタッカーのコルネリアとクラウディア。魔法使いのリリーにヒーラーのオレだ。コルネリアは聖剣の力で水の魔法を、オレは宝珠のおかげで火の魔法を使えるし、かなり堅実でいて柔軟性に富んだパーティだと思う。

「おつかれさま。怪我はない?」
「大丈夫ですわ。ゴブリン程度に遅れは取りません。それよりも早く耳を回収して先に進みましょう」

 一番激しくぶつかり合っていたエレオノーレも怪我はしていないみたいだ。お姫様だというのに、腰のナイフを抜いて率先してゴブリンたちの右耳を回収している。

 本来ならお金稼ぎなんて必要ない立場だけど、自分の力で稼ぐというのが新鮮で面白いらしい。稼いだお金はお茶会のお菓子や装備品の修理などに使われている。

 エレオノーレとオレ以外正体不明のギフトなのだが、その強さは折り紙付きだ。おそらくバウムガルテン領に居る冒険者の中でも一番強いパーティになるだろう。

 そのせいか、オレたちが森に潜る場合は、他の冒険者パーティがまだたどり着いていない奥地へと潜ることが多い。

「さあ、行きましょう!」

 ゴブリンの右耳を回収し終えたエレオノーレが息を弾ませて言った。

 普通ならお姫様たちに未開の地を冒険させるなんて狂気の沙汰だろう。なにかあったら責任問題になる。だが、逆に言えば、責任を取る覚悟さえあればエレオノーレやクラウディアを冒険に誘えるのだ。

 彼女たちは冒険というか戦闘というか、自分の力で切り開くことに飢えているからね。すこしでも息抜きになればいいと思っている。

 まぁ、なにかあれば全力で守るが。

 それでも、このパーティにはオレだけじゃなくてコルネリアもリリーも居る。オレたちが居れば、たとえ森の主たるヒュドラが出てきたとしても楽勝だろう。

 ズボッ! ズボッ!

 未開の森の中というのは、枝葉で太陽が遮られて薄暗いし、落ち葉や腐葉土が積もって歩きにくいことこの上ない。

 とくに重装備のエレオノーレなんて一歩踏み出すごとに膝近くまで腐葉土に埋もれてしまうくらいだ。

「はっ、はっ、はっ」

 しかし、エレオノーレはそんな重労働さえ楽しんでいるかのようにパーティの先頭を歩いていく。たぶん本当に楽しんだろうな。王宮にこもりっぱなしでは、こんな体験なんてできないから。

 エレオノーレのすぐ後ろを歩くクラウディアも泣き言をいうどころか、今もニコニコ笑っているのが想像できた。

 まぁお姫様二人がモンスター退治に積極的なのはいいね。ギフトも鍛えられるし。

 ギフトといえば、オレが手にしたドラゴンの力だが、モンスターをいくら倒しても成長した実感がない。やはり普通のギフトとは成長させる方法が違うのだろう。どうすれば成長するのか……。単純に討伐したモンスターの数が少ないとか? 謎は尽きない。

「オークですわ! 数八!」

 エレオノーレの凛々しい声に皆が即座に戦闘態勢に入る。今更オーク相手に後れを取るメンバーじゃないが、油断大敵だからね。

 それにしても、最近ゴブリンやオークとの遭遇率が上がっている気がする。近くに彼らの村でもあるのだろうか?

 まぁ、今考えることじゃないか。

 前方を見れば、ピカッとフラッシュが起こり、オークの集団に雷が走った。リリーの魔法だ。残るオークはあと六体。いや、コルネリアとクラウディアが一体ずつ倒したから残り四体か。

 あとはもう掃討戦だな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

ケモ耳っ娘になったからにはホントはモフられたい~前世はSランク冒険者だったのでこっそり無双します~

都鳥
ファンタジー
~前世の記憶を持つ少女は、再び魔王討伐を目指す~  私には前世の記憶がある。  Sランクの冒険者だった前世の私は、あるダンジョンでうっかり死んでしまい、狼の耳と尾をもつ獣人として転生した。  生まれ変わっても前世のスキルをそのまま受け継いでいた私は、幼い頃からこっそり体を鍛えてきた。  15歳になった私は、前世で暮らしていたこの町で、再び冒険者となる。  そして今度こそ、前世で果たせなかった夢を叶えよう。 ====================  再び冒険者となったリリアンは、前世の知識と縁で手に入れた強さを隠しながら、新しい仲間たちと共にさらに上を目指す。そして前世の仲間との再会し、仲間たちのその後を知る。 リリアンの成長と共に、次第に明らかになっていく彼女の前世と世界の謎。。 その前世ではいったい何があったのか。そして彼女は何を成し遂げようとしているのか……  ケモ耳っ娘リリアンの新しい人生を辿りながら、並行して綴られる前世の物語。そして彼女と仲間たちの成長や少しずつ解かれる世界の真実を追う。そんな物語です。  -------------------  ※若干の残酷描写や性的な事を連想させる表現があります。  ※この作品は「小説家になろう」「ノベルアップ+」「カクヨム」にも掲載しております。 『HJ小説大賞2020後期』一次通過 『HJ小説大賞2021後期』一次通過 『第2回 一二三書房WEB小説大賞』一次通過 『ドリコムメディア大賞』中間予選通過 『マンガBANG×エイベックス・ピクチャーズ 第一回WEB小説大賞』一次通過 『第7回キネティックノベル大賞』一次通過

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

処理中です...