【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様

くーねるでぶる(戒め)

文字の大きさ
153 / 189

152 ゴーレムバレー②

しおりを挟む
「ファイアランス!」

 エレオノーレが伸ばした剣先から火の槍が飛び、高さ三メートルはあろうかというゴーレムの胸に吸い込まれていく。そこにあるのは、ゴーレムの力の源。黒いバスケットボールのような大きさのゴーレムコアだ。

 ファイアランスを受けたゴーレムコアはとろりと溶けて、ゴーレムの目から光が消える。ゴーレムを形作っていた岩がゴロゴロと崩れていった。これでゴーレム討伐だ。

 エレオノーレもだいぶ魔法の使い方がわかってきたな。命中率が格段と上がっている。

「左からも来たぞ! ゴーレム三体! 前衛陣で倒してくれ!」

 オレの指示に従って、コルネリアとクラウディアが動く。

 ゴロゴロガランッ!

 前衛二人によって、素早くゴーレムの処理が終わる。

「右からも三体来たな。リリー、頼んだ」
「ん」

 リリーが右から迫るゴーレムに右手を向けると、三本の岩の槍が生成される。

 岩の槍は生成された瞬間には発射されていた。大質量物がぶつかるけたたましい音を立てて、三体のゴーレムの胸に岩の槍が刺さっていた。中には上半身が消し飛んだゴーレムの姿も見える。

 リリーの魔法の威力は、『ゴーレムバレー』では物足りないようだ。頼もしいね。

 そして、また正面からゴーレムが二体姿を現す。戦闘音に引かれてやってきているのか? なんにせよ、探さなくても向こうからやってくるのは都合がいい。

「エル、頼んだ」
「ええ!」

 ちょっとした広場のような場所だったこの場所も、まるで墓標のようなゴーレムの残骸に埋もれつつあった。この調子でどんどんゴーレムが狩れればいいな。


 ◇


 こんな調子で、しこたまゴーレムを狩りながら、オレたちは『ゴーレムバレー』を奥へ奥へと進んでいく。途中、小休止や食事休憩を挟みながら奥へと進むと、今度は洞窟にたどり着いた。地下へと続くと思われる下り道の洞窟だ。

 さて、どうするか……。

 『ゴーレムバレー』には二つのゴールが存在する。ずばりテーブルマウンテンの山頂と地下だ。難易度としては、山頂コースの方が容易だ。地下の方が難しい。

 これまで何体ものゴーレムと戦闘してきたが、『レギンレイヴ』の皆にはまだまだ余裕があった。

 そうだな。地下に挑戦してみよう。

「今回は地下に行こう」

 地下は難易度が上がるけど、その分モンスターを倒した時に貰える経験値も高い。地下に挑戦できるポテンシャルがあるのなら、積極的に挑戦するべきだ。

 なに、ダメだったら戻ってくればいい。気軽にいこう。


 ◇


 黒い鎧姿のモンスターが迫ってくる。その大きさは二メートルほど。胸の中央には赤い宝石が怪しく輝き、そこからまるで根がはるように赤い線が不規則に黒い鎧を走って脈動していた。

 中身のない空っぽの動く鎧のモンスター、リビングアーマーだ。

 リビングアーマーは左手に持った大きな盾で体を隠すように突撃してくる。シールドアタック。中身が無いとはいえ、その分厚い鎧の総重量による突撃など脅威でしかない。

「えいっ!」

 しかし、コルネリアはひらりとリビングアーマーのシールドアタックを回避すると、聖剣を一閃する。

 それだけでリビングアーマーは急速に錆びついていき、風化していく。おそらくコルネリアの聖剣が、正確にリビングアーマーの胸の宝石を砕いたのだろう。

 リビングアーマーとゴーレム。似ても似つかないモンスターだが、その弱点は同じだ。胸に埋め込まれたコア。それさえ破壊すれば一撃で倒せる。ゴーレムと同じく、稼ぎを無視すれば、経験値稼ぎにはもってこいのモンスターだ。

 リビングアーマーは大きなタワーシールドを持っているので、ちょっと討伐難易度が上がるかな。あとはゴーレムよりもいろいろと強化されているはずだが、コルネリアにとっては関係なかったみたいだ。

 しばらくリビングアーマーを狩りながら洞窟を下っていくと、新種のモンスターが現れた。

 暗い洞窟の中で、松明の明かりに照らされた白銀の鎧姿。シルバーリビングアーマーだ。普通のリビングアーマーの上位種である。

 だが――――。

「ん」

 リリーの指先から射出される岩の槍。大質量弾は、シルバーリビングアーマーの盾を容易く破壊し、その上半身を引き千切る。

 残っていたシルバーリビングアーマーの下半身が急速に錆びていき、風化していった。

 せっかく登場したのに、なんとも早い退場だ。

 それからも普通のリビングアーマーにまじってシルバーリビングアーマーがぽつぽつと現れる。だが、リリーはもちろん、前衛陣も一撃で倒していく。

 オレの想像以上に『レギンレイヴ』の皆は強いな。ギフトが進化したコルネリアはもちろん、クラウディアもリリーも十分以上に強い。ちょっと苦戦気味なのがエレオノーレだが、なんとか三人に喰らい付いていく。

 エレオノーレのことを考えると、このあたりが狩場として適正かな。もっと深くまで潜ると敵の強さ上がっちゃうし。

 しばらくはシルバーリビングアーマーを倒しまくろう。

 この調子だと、しばらくは『ゴーレムバレー』にお世話になりそうだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

ケモ耳っ娘になったからにはホントはモフられたい~前世はSランク冒険者だったのでこっそり無双します~

都鳥
ファンタジー
~前世の記憶を持つ少女は、再び魔王討伐を目指す~  私には前世の記憶がある。  Sランクの冒険者だった前世の私は、あるダンジョンでうっかり死んでしまい、狼の耳と尾をもつ獣人として転生した。  生まれ変わっても前世のスキルをそのまま受け継いでいた私は、幼い頃からこっそり体を鍛えてきた。  15歳になった私は、前世で暮らしていたこの町で、再び冒険者となる。  そして今度こそ、前世で果たせなかった夢を叶えよう。 ====================  再び冒険者となったリリアンは、前世の知識と縁で手に入れた強さを隠しながら、新しい仲間たちと共にさらに上を目指す。そして前世の仲間との再会し、仲間たちのその後を知る。 リリアンの成長と共に、次第に明らかになっていく彼女の前世と世界の謎。。 その前世ではいったい何があったのか。そして彼女は何を成し遂げようとしているのか……  ケモ耳っ娘リリアンの新しい人生を辿りながら、並行して綴られる前世の物語。そして彼女と仲間たちの成長や少しずつ解かれる世界の真実を追う。そんな物語です。  -------------------  ※若干の残酷描写や性的な事を連想させる表現があります。  ※この作品は「小説家になろう」「ノベルアップ+」「カクヨム」にも掲載しております。 『HJ小説大賞2020後期』一次通過 『HJ小説大賞2021後期』一次通過 『第2回 一二三書房WEB小説大賞』一次通過 『ドリコムメディア大賞』中間予選通過 『マンガBANG×エイベックス・ピクチャーズ 第一回WEB小説大賞』一次通過 『第7回キネティックノベル大賞』一次通過

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた

砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。 彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。 そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。 死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。 その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。 しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、 主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。 自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、 寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。 結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、 自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……? 更新は昼頃になります。

処理中です...