【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様

くーねるでぶる(戒め)

文字の大きさ
155 / 189

154 太りたい

しおりを挟む
「この場合はこうするのが正解か?」
「その場合ですと、ここを突かれると部隊が崩壊してしまいますわ。ですから、この場合はこのように……」
「なるほど……」

 王都の新バウムガルテン邸。オレとコルネリア、リリー、クラウディア、クラウスの五人は、カサンドラを教師にして用兵というものを学んでいた。

 オレは領主として有事には兵を率いることを求められる。コルネリア、リリー、クラウディアは、いざという時オレの代理として兵を率いる可能性がある。そして、クラウスはオレの補佐だ。

 邪神も復活するし、用兵を術を身に着けるのは急務だった。とはいっても、一日で身に着くようなものではないので、こうして定期的にカサンドラによる講義が開かれている。

 カサンドラはこの王国における武の代表格アルトマイヤー侯爵家の女だ。アルトマイヤー侯爵家では、子どもは男女関係なく用兵を習うのだという。

 そして、カサンドラはかなり用兵に精通している。教師役にはぴったりだ。

 他よりもわかりやすく説明してくれるカサンドラのおかげによって、オレは用兵や、この世界における戦術というものを覚えてきた。

 クラウディアもスポンジが水を吸うようにカサンドラの用兵の授業を吸収していた。

 コルネリアは……。頭の上に?マークがいっぱい出ているような表情を浮かべ、リリーなんて興味なさそうにしている。がんばれ、コルネリア。リリーもがんばって!

 ここには居ないエレオノーレも用兵について勉強しているんだろうなぁ。傍に居ることはできないけど、一緒に頑張ろうね!

「エレオノーレ殿下の場合ですと、もっと数の多い用兵を学んでいると思いますわ」
「そうなの?」
「はい。バウムガルテン辺境伯家は五千の兵を率いますけど、エレオノーレ殿下は、国軍の指揮と、バウムガルテン辺境伯家をはじめ、さまざまな家の兵を率いるお立場になります。数が多くなると、それだけ複雑になりますので、もっと難しいですよ」
「はぇ~」

 カサンドラに指摘されて、オレはもう変な声しか出なかった。すごいなエレオノーレ。素直に尊敬できるよ。

「わたくしも本当はそういった俗に帝王学などを勉強するはずだったのですけど、体が弱かったので……。そのことだけでもわたくしよりもエレオノーレの方が次期女王にふさわしいのです。そう思って身を引きましたけど、今ではエレオノーレに重荷を背負わせてしまったと申し訳なく思っています」

 クラウディアが悲しそうな顔を浮かべていた。邪神の呪いに罹らなければ、順当にいけば、彼女こそ次期女王になるはずだった。いろいろと思うことはあるだろう。

「そろそろ休憩にしようか。実はクラウスにベルメールのケーキを買ってくるように頼んだんだ」
「まあ!」
「ケーキ!」
「ないす」
「でしたらお茶の用意もしませんと」

 うちでは、クラウディアが贔屓にしているベルメールのお菓子を買うことが多い。これがまたおいしいんだ。オレは甘党だからね。ケーキの二つ三つなんてぺろりといってしまえる。

 このドラゴンの体は燃費が悪いのか、よくお腹が空くんだよね。我が家では十時のおやつと三時のおやつが常態化しているんだ。

 ケーキやお菓子は多めに買って、残ったものは使用人たちに下げ渡している。

 新しい屋敷に移って、雇う使用人の数が増えたからね。カサンドラがアルトマイヤー侯爵家から連れてきた使用人も居るし、バウムガルテン領から連れてきた者たちも居る。他の貴族家から行儀見習いとして貴族の娘を使用人として雇うこともある。

 バウムガルテン辺境伯家も、なんとか大貴族の体裁を整えているのだ。

 未だに実感がわかないけどね。

 ちなみに、カサンドラ曰く、使用人の娘たちには手を出してOKらしいが、そこは鋼の精神で我慢している。誰かオレを褒めてやってくれ。

「わぁ、どれにしよう……!」
「リリはぜんぶ」

 テーブルの上にホールケーキがいくつも並ぶと、コルネリアは迷い、リリーは全部を所望する。リリーは思い切りがいいね。

「オレも全種類貰おうか。リアも全種類食べたら?」
「あのね、お兄さま。わたくしは今自分の食欲と戦っているの。そんなこと言わないで」

 あれか? もうその年で太るとか気にしてるのか? さすがは女の子だな。

「リアは細身だし、運動してるからね。もう少しふくよかになってもいいくらいだよ」
「……そう?」
「そうそう」
「わたくしは運動できていませんので一つにしようかしら」
「わたくしは二つで我慢します……」

 カサンドラは一つ、クラウディアは二つに我慢するらしい。二人とも、食べたいなら食べればいいのに。

「うーん……。やっぱりわたくしも二つにする!」

 コルネリアも結局二つに我慢するようだ。女の子はたいへんだな。油ものも控えているようだし。好きなものが食べれないってのは辛いのだ。

「お兄さまも我慢しないとまるまると太っちゃうわよ?」

 オレの前に置かれたたくさんのケーキを見てコルネリアが恨めしそうに言った。

「いや、オレは太りたいんだ」
「え? 太りたい? なんで?」
「筋肉が欲しい」

 オレはいつも筋トレしているのに、未だに細マッチョの領域を出ない。

 だが、オレは前世のある言葉を思い出したのだ。

『筋肉が欲しかったら、まず太れ!』

 オレはその言葉を信じてまずは太る所存である。

「お兄さまはそのままでいいのに。まるまるなお兄さまもゴリゴリのお兄さまもわたくしは嫌よ?」
「そうか……」

 コルネリアには不評なようだが、それでも男にはやらねばならない時があるのだ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた

砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。 彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。 そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。 死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。 その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。 しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、 主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。 自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、 寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。 結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、 自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……? 更新は昼頃になります。

ケモ耳っ娘になったからにはホントはモフられたい~前世はSランク冒険者だったのでこっそり無双します~

都鳥
ファンタジー
~前世の記憶を持つ少女は、再び魔王討伐を目指す~  私には前世の記憶がある。  Sランクの冒険者だった前世の私は、あるダンジョンでうっかり死んでしまい、狼の耳と尾をもつ獣人として転生した。  生まれ変わっても前世のスキルをそのまま受け継いでいた私は、幼い頃からこっそり体を鍛えてきた。  15歳になった私は、前世で暮らしていたこの町で、再び冒険者となる。  そして今度こそ、前世で果たせなかった夢を叶えよう。 ====================  再び冒険者となったリリアンは、前世の知識と縁で手に入れた強さを隠しながら、新しい仲間たちと共にさらに上を目指す。そして前世の仲間との再会し、仲間たちのその後を知る。 リリアンの成長と共に、次第に明らかになっていく彼女の前世と世界の謎。。 その前世ではいったい何があったのか。そして彼女は何を成し遂げようとしているのか……  ケモ耳っ娘リリアンの新しい人生を辿りながら、並行して綴られる前世の物語。そして彼女と仲間たちの成長や少しずつ解かれる世界の真実を追う。そんな物語です。  -------------------  ※若干の残酷描写や性的な事を連想させる表現があります。  ※この作品は「小説家になろう」「ノベルアップ+」「カクヨム」にも掲載しております。 『HJ小説大賞2020後期』一次通過 『HJ小説大賞2021後期』一次通過 『第2回 一二三書房WEB小説大賞』一次通過 『ドリコムメディア大賞』中間予選通過 『マンガBANG×エイベックス・ピクチャーズ 第一回WEB小説大賞』一次通過 『第7回キネティックノベル大賞』一次通過

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

処理中です...