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45 ママドラゴン無双
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銀髪の白い絶世の美少女は、ママドラゴンだった。どうやらママドラゴンは、人間の姿にもなれるようだ。ドラゴン状態も美しかったけど、人間状態のママドラゴンが美しすぎてヤバイ。言葉にできないくらい美しい。パない。
ママドラゴンの白く細い手が僕へと伸ばされる。
僕は、ママドラゴンに横抱きに抱っこされると、至近距離からママドラゴンと見つめ合う。ママドラゴンは、何がそんなに嬉しいのか、ニコニコと、とても上機嫌だった。これは本能的なものなのか、ママドラゴンが笑っていると、僕までなんだか嬉しくなる。
「クー!」
「もっと早くこうしていれば良かったです。弱く脆いだけの体だと思っていましたが、繊細でもあったのですね。おかげで、ルシウス、貴方をこうして抱くことができます」
ママドラゴンが泣きそうな顔を浮かべて僕をギュッと抱きしめる。
「寂しい思いをさせましたね……。さぁ、帰りましょう。わたくしたちの住処へ」
「ルー……」
ママドラゴンには悪いけど、僕はあまり寂しい思いはしていない。この時間が永遠に続けばいいのにと思うくらい幸せな時間を過ごしていた。むしろパパママドラゴンには、突然消えたりして心配をかけたり、寂しい思いをさせて申し訳ないとまで思っているくらいだ。
僕がこのままママドラゴンと一緒に帰れば“めでたし、めでたし”となるのだけど……ちょっと待ってほしい。僕は帰りたくないのだ。
パパママドラゴンとの暮らしは、僕にとって、とても退屈なのだ。ネットやゲーム、テレビが無いので、どうしても暇な時間を持て余してしまう。
のんびりとしたスローライフと云えば聞こえは良いけど、この離宮での刺激的な生活には敵わない。
アンジェリカをはじめ、美人なメイドさんたちが、僕をちやほやと構ってくれるのだ。ハーレムとはちょっと違うけど、実質ハーレムみたいなものである。ご飯も美味しいし、言うこと無しだ。僕はこの環境を手放したくない。
「ウー!ウー!」
僕は“嫌だ”と首を横に振る。
「ルー? どうしたのですか?」
「ウー!」
僕は思いよ届けとばかりに首を横に振った。手足もバタつかせて、全力で嫌なことを主張する。すると……。
『やぁー!』
魔法を使う感覚と共に、幼い子どもがダダをこねるような声が頭に響いた。誰の声だろう?
◇
『やぁー!』
突如として幼い声が頭に直接響きました。念話です。それも発信源は、わたくしの腕の中に居るルシウスです。
「ルー、念話まで使えるようになったのですね!」
ルシウスが魔法、ブレス、飛行に続き、念話までできるようになりました。ルシウスの成長が我が事のように嬉しいです。ウラヌスも言っていましたが、この子は本当に天才かもしれません。
ルシウスは、まだ念話を使ったという実感が無いのか、きょとんした表情を見せていました。そんなルシウスがかわいらしくて仕方がありません。
ルシウスが念話を使えるようになったのは嬉しいですが、念話の内容は考えさせられるものでした。ルシウスからは“嫌だ”という意思が伝わってきます。ここを離れることに抵抗があるようです。
「そんなにここが気に入ったのですか?」
「クー!」
わたくしの問いに、ルシウスが何度も頷きます。どうやらルシウスは、この場所がとても気に入ったようです。
さて、どうしましょうか?
本来なら、ルシウスを連れて住処へと帰るつもりでしたが、ルシウスからは、初めて念話を行使するほど、この場所から離れたくないという意思を感じます。
ならば仕方がありませんね。ルシウスが動きたくないなら、わたくしたちが動くことにしましょう。
『あなた、住処をここに移しましょう。ルシウスが気に入ったようです』
『そんなに気に入ったのかい? あまりウロウロとされるのは苦手なのだが……ルシウスの為だ。分かったよ』
夫の承諾も得ましたし、これで問題は無いですね。
「では、ここで暮らしましょうね、ルー」
「ルー?」
ここで暮らすとなると、まずは人間をどうにかしなくては。わたくしは、魔法でこの国の王ランベルトを目の前に召喚します。
「は……?」
突然、転移で呼び出されたこの国の王が、間抜けな声を上げて周りを見渡し、わたくしを見ると同時に、勢いよく片膝を付いて深く跪きました。ふむ。愚かではなさそうです。そのことに安堵します。愚か者の相手は面倒ですから。
「ランベルト。わたくしの息子、ルシウスの饗応役、大儀でした。ルシウスは、この国が気に入ったようです。国をルシウスに献上することを許します」
「……はっ! 身に余る光栄です。このブリオスタ王国をルシウス様に献上致します」
少し考えるそぶりを見せましたが、どうやらこのランベルトは、人間にしては随分と物分かりが良いようですね。
「良かったですね、ルー。これでこの国はルシウスのものですよ」
「クァ……」
喜ぶかと思ったのですが、ルシウスはポカンとした顔で固まっていました。どうしたのでしょう?
ママドラゴンの白く細い手が僕へと伸ばされる。
僕は、ママドラゴンに横抱きに抱っこされると、至近距離からママドラゴンと見つめ合う。ママドラゴンは、何がそんなに嬉しいのか、ニコニコと、とても上機嫌だった。これは本能的なものなのか、ママドラゴンが笑っていると、僕までなんだか嬉しくなる。
「クー!」
「もっと早くこうしていれば良かったです。弱く脆いだけの体だと思っていましたが、繊細でもあったのですね。おかげで、ルシウス、貴方をこうして抱くことができます」
ママドラゴンが泣きそうな顔を浮かべて僕をギュッと抱きしめる。
「寂しい思いをさせましたね……。さぁ、帰りましょう。わたくしたちの住処へ」
「ルー……」
ママドラゴンには悪いけど、僕はあまり寂しい思いはしていない。この時間が永遠に続けばいいのにと思うくらい幸せな時間を過ごしていた。むしろパパママドラゴンには、突然消えたりして心配をかけたり、寂しい思いをさせて申し訳ないとまで思っているくらいだ。
僕がこのままママドラゴンと一緒に帰れば“めでたし、めでたし”となるのだけど……ちょっと待ってほしい。僕は帰りたくないのだ。
パパママドラゴンとの暮らしは、僕にとって、とても退屈なのだ。ネットやゲーム、テレビが無いので、どうしても暇な時間を持て余してしまう。
のんびりとしたスローライフと云えば聞こえは良いけど、この離宮での刺激的な生活には敵わない。
アンジェリカをはじめ、美人なメイドさんたちが、僕をちやほやと構ってくれるのだ。ハーレムとはちょっと違うけど、実質ハーレムみたいなものである。ご飯も美味しいし、言うこと無しだ。僕はこの環境を手放したくない。
「ウー!ウー!」
僕は“嫌だ”と首を横に振る。
「ルー? どうしたのですか?」
「ウー!」
僕は思いよ届けとばかりに首を横に振った。手足もバタつかせて、全力で嫌なことを主張する。すると……。
『やぁー!』
魔法を使う感覚と共に、幼い子どもがダダをこねるような声が頭に響いた。誰の声だろう?
◇
『やぁー!』
突如として幼い声が頭に直接響きました。念話です。それも発信源は、わたくしの腕の中に居るルシウスです。
「ルー、念話まで使えるようになったのですね!」
ルシウスが魔法、ブレス、飛行に続き、念話までできるようになりました。ルシウスの成長が我が事のように嬉しいです。ウラヌスも言っていましたが、この子は本当に天才かもしれません。
ルシウスは、まだ念話を使ったという実感が無いのか、きょとんした表情を見せていました。そんなルシウスがかわいらしくて仕方がありません。
ルシウスが念話を使えるようになったのは嬉しいですが、念話の内容は考えさせられるものでした。ルシウスからは“嫌だ”という意思が伝わってきます。ここを離れることに抵抗があるようです。
「そんなにここが気に入ったのですか?」
「クー!」
わたくしの問いに、ルシウスが何度も頷きます。どうやらルシウスは、この場所がとても気に入ったようです。
さて、どうしましょうか?
本来なら、ルシウスを連れて住処へと帰るつもりでしたが、ルシウスからは、初めて念話を行使するほど、この場所から離れたくないという意思を感じます。
ならば仕方がありませんね。ルシウスが動きたくないなら、わたくしたちが動くことにしましょう。
『あなた、住処をここに移しましょう。ルシウスが気に入ったようです』
『そんなに気に入ったのかい? あまりウロウロとされるのは苦手なのだが……ルシウスの為だ。分かったよ』
夫の承諾も得ましたし、これで問題は無いですね。
「では、ここで暮らしましょうね、ルー」
「ルー?」
ここで暮らすとなると、まずは人間をどうにかしなくては。わたくしは、魔法でこの国の王ランベルトを目の前に召喚します。
「は……?」
突然、転移で呼び出されたこの国の王が、間抜けな声を上げて周りを見渡し、わたくしを見ると同時に、勢いよく片膝を付いて深く跪きました。ふむ。愚かではなさそうです。そのことに安堵します。愚か者の相手は面倒ですから。
「ランベルト。わたくしの息子、ルシウスの饗応役、大儀でした。ルシウスは、この国が気に入ったようです。国をルシウスに献上することを許します」
「……はっ! 身に余る光栄です。このブリオスタ王国をルシウス様に献上致します」
少し考えるそぶりを見せましたが、どうやらこのランベルトは、人間にしては随分と物分かりが良いようですね。
「良かったですね、ルー。これでこの国はルシウスのものですよ」
「クァ……」
喜ぶかと思ったのですが、ルシウスはポカンとした顔で固まっていました。どうしたのでしょう?
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