68 / 97
068 神様と第十二階層②
しおりを挟む
「階層ボスは、剣と盾を持ったホブゴブリンが3体です」
エレオノールの涼やかな凛とした声が、石造りの通路に響いた。私たちの前には、赤に金の装飾が施された大きな両開きの扉がある。ここはダンジョンの第十二階層。階層ボスの部屋の前だ。これから私たちは、階層ボスに挑戦するところである。
ダンジョンについて、特に階層ボスについては、事前に情報収集している。情報源については、冒険者ギルドによって纏められた本を読んだり、アリスたち初代【赤の女王】が残した手記なんかを参考にしている。特に、冒険者ギルドによって纏められたダンジョンについての本は、冒険者ならば誰でも無料で見ることができるので重宝している。
「わたくしが右のホブゴブリンを、リリムは左のホブゴブリンをお願いします」
「あいよー」
その情報を元に、こうして作戦を練ることができるのは、ありがたい。作戦自体は、事前に決めてあるので、今はその最終確認だ。
「残った中央のホブゴブリンの相手は、ルーとディアにお願いします。ミレイユは、皆の援護を」
「うむ」
「分かった…」
「任せなさい」
私の両隣りを占めるディアネットとミレイユが頷く。2人とも、私と付き合い始めてから、私の近くに居ることが多くなった。ボディタッチも増えたな。今もミレイユが私の腕に抱きついている。普通なら腕に胸の柔らかさを感じるはずだが……ミレイユには無いものだ。
ミレイユの指が、私の指に絡まり、キュッと握ってくる。俗に恋人繋ぎと言われるやつだ。ミレイユの手は、スベスベで柔らかくて手触りが良い。私もミレイユの手をキュッと握り返すと、ミレイユもキュッキュッと返してくる。
それを見て羨ましくなったのか、ディアネットが私の背後に回って、後ろから抱きしめてくる。後頭部にふかふかの胸が当たって気持ちが良い。私はディアネットに体を預けると、ディアネットが優しく受け止めてくれる。
「中央のホブゴブリンを倒した後、ルーとディアは、リリムの援護に回ってください。わたくしへの応援は最後で構いません」
「よろしくねー」
「うむ」
「分かった…」
「こんなところでしょうか?他に何かありますか?」
「はいはいはーい!」
エレオノールの問いかけに、リリムが勢いよく手を上げる。手を上げるだけじゃ足りなかったのか、小さくジャンプまでしていた。リリムの腰のピンクのパレオがヒラヒラと揺れる様は目にも楽しい。
「あーしがいっちゃん最初に倒しちゃったらどうすんの?」
「その場合は、中央のホブゴブリンを倒すことを優先してください。いずれにしても、わたくしへの援護は最後で構いません」
「ういういー」
「他には何かありますか?……無さそうですね。では、いきましょうか」
私たちは、エレオノールに続いて階層ボスの部屋への扉を潜るのだった。
◇
「燃やして…!」
気だるげな、しかし確かな意思を孕んだディアネットの呟きに、ホブゴブリンは爆炎に包まれる。
爆炎の衝撃に晒され、一瞬にして火だるまとなったホブゴブリンは、声も無くその体勢を崩した。
「ていッ!」
それを好機と見たリリムが、ホブゴブリンの背後から襲いかかる。リリムの槍が、ホブゴブリンの背中へと突き立てられた。
リリムの槍を受けたホブゴブリンは、その身をビクリと震わせると、ボフンと白い煙となって消えた。私は、念のために構えていた弓を下ろし、矢を背中の矢筒へと戻す。今倒したのが最後の敵だ。
「しゃっ!いっちょあがりー。お!宝箱あるじゃん!」
ホブゴブリンに止めを刺したリリムが、突き出していた槍を引き、クルリと回して軽くステップを踏む。相変わらず、リリムは陽気な女だな。見ているだけで元気になれる気がする。
リリムの言うように、ホブゴブリンが煙となって消えた跡には、大きめの宝箱が鎮座していた。ボスドロップだ。運が良いな。
「よいしょっと」
そう言ってリリムが宝箱を開ける。ボスドロップの宝箱には、鍵も掛かっていなければ罠も無いというのが通説だ。今回も通説通り、鍵が掛かっていなかったようだ。
「うーん……」
宝箱を開けたリリムが、中を見て唸る。
「どうしたんだ?」
「これ見てよ」
リリムが宝箱から何かを取り出す。けっこう大きい細長いシルエットだ。
「ボスドロップがコレって、しけてない?」
リリムが宝箱から取り出したのは、大きめの長剣だった。大剣と言うには小さく、長剣にしては大きいなんとも中途半端な大きさの剣だ。しかも、剣には茶色く錆が浮いており、刃もボロボロ。研ぎ直して使うより、鋳潰した方が手っ取り早そうな状態だ。一応鉄製なので売れはするだろうが、あまり儲けは期待できないな。
儲けが期待できないボスドロップに、皆が肩を落とした。
「しょげていても仕方ありません。次に期待しましょう。次は第十三階層ですよ」
「そだねー」
エレオノールの言葉の通り、次は第十三階層を攻略するつもりだ。以前話していた、第十階層を周回して活動資金を集める計画は、無しになった。活動資金のメドが立ったのだ。
実は、私が手持ちの金貨500枚をパーティの活動資金としてぶち込んだのだ。第十階層を周回することが面倒に感じたのが理由だ。そんなところで足踏みしてダンジョンの攻略速度が鈍るより、さっさと先に進んでしまいたかったのだ。
私としては、あげるつもりだったのだが、さすがに金貨500枚も貰えないと言われ、貸与という形になった。元々あげるつもりだったし、これは返ってこなくてもいいかなっと思っている。
「でもその前に、まずは腹ごしらえですね」
そう言われれば、たしかに腹が減ったな。太陽の見えない石造りの迷宮なので時間感覚が狂いがちだが、腹の減り具合をみるに、たぶん今は昼を過ぎたくらいだと思う。
「丁度良いので、ここでご飯を頂きましょう」
「うむ」
「さんせー」
階層ボスの部屋は、ボス以外にモンスターが出現しない。ボスさえ倒してしまえば、安全な休憩エリアに早変わりだ。
さて、今日は何を食べようか……。
ミレイユのマジックバッグに入っている料理の数々を思い出しながら、クーっと鳴るお腹を撫でてやった。
エレオノールの涼やかな凛とした声が、石造りの通路に響いた。私たちの前には、赤に金の装飾が施された大きな両開きの扉がある。ここはダンジョンの第十二階層。階層ボスの部屋の前だ。これから私たちは、階層ボスに挑戦するところである。
ダンジョンについて、特に階層ボスについては、事前に情報収集している。情報源については、冒険者ギルドによって纏められた本を読んだり、アリスたち初代【赤の女王】が残した手記なんかを参考にしている。特に、冒険者ギルドによって纏められたダンジョンについての本は、冒険者ならば誰でも無料で見ることができるので重宝している。
「わたくしが右のホブゴブリンを、リリムは左のホブゴブリンをお願いします」
「あいよー」
その情報を元に、こうして作戦を練ることができるのは、ありがたい。作戦自体は、事前に決めてあるので、今はその最終確認だ。
「残った中央のホブゴブリンの相手は、ルーとディアにお願いします。ミレイユは、皆の援護を」
「うむ」
「分かった…」
「任せなさい」
私の両隣りを占めるディアネットとミレイユが頷く。2人とも、私と付き合い始めてから、私の近くに居ることが多くなった。ボディタッチも増えたな。今もミレイユが私の腕に抱きついている。普通なら腕に胸の柔らかさを感じるはずだが……ミレイユには無いものだ。
ミレイユの指が、私の指に絡まり、キュッと握ってくる。俗に恋人繋ぎと言われるやつだ。ミレイユの手は、スベスベで柔らかくて手触りが良い。私もミレイユの手をキュッと握り返すと、ミレイユもキュッキュッと返してくる。
それを見て羨ましくなったのか、ディアネットが私の背後に回って、後ろから抱きしめてくる。後頭部にふかふかの胸が当たって気持ちが良い。私はディアネットに体を預けると、ディアネットが優しく受け止めてくれる。
「中央のホブゴブリンを倒した後、ルーとディアは、リリムの援護に回ってください。わたくしへの応援は最後で構いません」
「よろしくねー」
「うむ」
「分かった…」
「こんなところでしょうか?他に何かありますか?」
「はいはいはーい!」
エレオノールの問いかけに、リリムが勢いよく手を上げる。手を上げるだけじゃ足りなかったのか、小さくジャンプまでしていた。リリムの腰のピンクのパレオがヒラヒラと揺れる様は目にも楽しい。
「あーしがいっちゃん最初に倒しちゃったらどうすんの?」
「その場合は、中央のホブゴブリンを倒すことを優先してください。いずれにしても、わたくしへの援護は最後で構いません」
「ういういー」
「他には何かありますか?……無さそうですね。では、いきましょうか」
私たちは、エレオノールに続いて階層ボスの部屋への扉を潜るのだった。
◇
「燃やして…!」
気だるげな、しかし確かな意思を孕んだディアネットの呟きに、ホブゴブリンは爆炎に包まれる。
爆炎の衝撃に晒され、一瞬にして火だるまとなったホブゴブリンは、声も無くその体勢を崩した。
「ていッ!」
それを好機と見たリリムが、ホブゴブリンの背後から襲いかかる。リリムの槍が、ホブゴブリンの背中へと突き立てられた。
リリムの槍を受けたホブゴブリンは、その身をビクリと震わせると、ボフンと白い煙となって消えた。私は、念のために構えていた弓を下ろし、矢を背中の矢筒へと戻す。今倒したのが最後の敵だ。
「しゃっ!いっちょあがりー。お!宝箱あるじゃん!」
ホブゴブリンに止めを刺したリリムが、突き出していた槍を引き、クルリと回して軽くステップを踏む。相変わらず、リリムは陽気な女だな。見ているだけで元気になれる気がする。
リリムの言うように、ホブゴブリンが煙となって消えた跡には、大きめの宝箱が鎮座していた。ボスドロップだ。運が良いな。
「よいしょっと」
そう言ってリリムが宝箱を開ける。ボスドロップの宝箱には、鍵も掛かっていなければ罠も無いというのが通説だ。今回も通説通り、鍵が掛かっていなかったようだ。
「うーん……」
宝箱を開けたリリムが、中を見て唸る。
「どうしたんだ?」
「これ見てよ」
リリムが宝箱から何かを取り出す。けっこう大きい細長いシルエットだ。
「ボスドロップがコレって、しけてない?」
リリムが宝箱から取り出したのは、大きめの長剣だった。大剣と言うには小さく、長剣にしては大きいなんとも中途半端な大きさの剣だ。しかも、剣には茶色く錆が浮いており、刃もボロボロ。研ぎ直して使うより、鋳潰した方が手っ取り早そうな状態だ。一応鉄製なので売れはするだろうが、あまり儲けは期待できないな。
儲けが期待できないボスドロップに、皆が肩を落とした。
「しょげていても仕方ありません。次に期待しましょう。次は第十三階層ですよ」
「そだねー」
エレオノールの言葉の通り、次は第十三階層を攻略するつもりだ。以前話していた、第十階層を周回して活動資金を集める計画は、無しになった。活動資金のメドが立ったのだ。
実は、私が手持ちの金貨500枚をパーティの活動資金としてぶち込んだのだ。第十階層を周回することが面倒に感じたのが理由だ。そんなところで足踏みしてダンジョンの攻略速度が鈍るより、さっさと先に進んでしまいたかったのだ。
私としては、あげるつもりだったのだが、さすがに金貨500枚も貰えないと言われ、貸与という形になった。元々あげるつもりだったし、これは返ってこなくてもいいかなっと思っている。
「でもその前に、まずは腹ごしらえですね」
そう言われれば、たしかに腹が減ったな。太陽の見えない石造りの迷宮なので時間感覚が狂いがちだが、腹の減り具合をみるに、たぶん今は昼を過ぎたくらいだと思う。
「丁度良いので、ここでご飯を頂きましょう」
「うむ」
「さんせー」
階層ボスの部屋は、ボス以外にモンスターが出現しない。ボスさえ倒してしまえば、安全な休憩エリアに早変わりだ。
さて、今日は何を食べようか……。
ミレイユのマジックバッグに入っている料理の数々を思い出しながら、クーっと鳴るお腹を撫でてやった。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる