【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~

くーねるでぶる(戒め)

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117 帰還

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「ほう? これがボスドロップか」

 ラスボスの部屋。大きなドーム状の空間の中、その中央。オレたちの前には、大きな宝箱があった。それも今までのような木箱ではない。赤に金の装飾が付いたザ・宝箱って感じの宝箱だ。

 ゲームでは『洞窟』のボスドロップ品は三つ出たが、こっちではどうだろう?

「それでは、開けますね」

 そう宣言して、ブリジットが宝箱を調べていく。

 宝箱を開けるのは、ブリジットの役目だ。ボスドロップの宝箱は罠とかないのだが、一応学園の授業では調べることを推奨している。これもある意味初々しい光景になるのだろう。

「罠はないようですわ。では、開けますね……」

 ブリジットが慎重な手つきで宝箱を開いていく。

 宝箱の中からピカッと光が漏れ、宝箱が開いた。

 みんなで宝箱を覗き込むようにして中に何が入っているのか確認していく。

「両手槌に指輪、それと金貨か!」

 シケてんなぁ。全部ハズレだ。両手槌は使う奴がいないし、指輪は防御力は上がるが、二つしか付けられない貴重な指輪装備をただ防御力の上がるだけの装備で埋めるのはナンセンス。そして、金貨に至ってはただの換金アイテムだ。

 ゲームだったら、今回の攻略は無意味と断じてもいいくらいのショボさである。

 だが、オレにはそんなショボいアイテムたちが輝いて見えた。

 だって、これらはオレたちが協力して、初めて『洞窟』をクリアした報酬なんだ。

 これがゲームだったら、クリアすることが当たり前だった。多少の達成感はあったけど、ここまで感動することはなかっただろう。

 今回のダンジョン攻略は、オレたちにとって成功を約束されたイベントじゃない。セーブもできないし、間違えたらロードでなかったことにすることもできない。

 たくさん失敗したし、新たな気付きもあった。これらの経験は、オレたちの宝物になるだろう。

「この指輪、貰ってもいいか?」

 オレは指輪を手に取るとみんなに訊いてみる。

 先ほどはナンセンスと断じたが、今のオレは指輪装備を一つも持ってないからね。他の指輪装備を手に入れるまで着けていようと思ったのだ。

 そういえば、ゲームでは指輪装備は左右の手に一つずつしか装備できなかったが、指は十本ある。例えば、指輪装備を右の手に三つも四つも装備したらどうなるんだろう?

 要検証だな。

 みんなの了承を得て、右手の薬指に指輪を装備した後、オレたちはボス部屋の奥にある小部屋の魔法陣を使ってダンジョンから抜け出した。

 ダンジョンから無事に生還したオレたちに待っていたのは、祝福の言葉ではなくお説教だった。

 今日はオレたちがダンジョンに入った日から数えて九日目らしい。テストの期日は七日間だけ。オレたちは期日を二日間もオーバーしてダンジョンに潜っていたことになる。

 そのことは、ダンジョンの中にいたオレたちにもわかっていた。でも、どうしてもダンジョンを完全攻略したかったのだ。

「心配したんですよ? 皆さんになにかあったのではないかと……」
「すみませんでした、コランティーヌ先生……」
「反省してまーす……」
「そうなんだなー……」

 生徒指導室の中でコランティーヌ先生に説教されるオレたち。だが、ダンジョン攻略中ずっと張っていた緊張の糸が切れてしまったのか、異常なくらい眠かった。シャルリーヌなんて無言で舟を漕いでいるくらいだ。

 そんなオレたちの様子を見て、担任のコランティーヌ先生は溜息を一つして口を開く。

「とにかく、無事でよかったです。まずは休息が必要でしょう。しっかり眠って疲れを取ってください」
「はーい……」
「シャルリーヌ様、起きてください……」
「ゃー、もぅちょっと……」

 生徒指導室を出たオレたちは、のろのろとまるでゾンビのような足取りで寮へと戻っていく。

 その途中、オレは振り返ってチームメンバーを見た。

 ダンジョンにいる時は気が付かなかったが、みんな目の下にクマを浮かべて不健康で眠そうな顔をしていた。これはお説教が中断されるわなと納得できるような顔だ。シャルリーヌなんて両脇をアリソンとブリジットに支えられて半分寝ているような感じだ。

「みんな、お疲れ様。たしかに期日は二日もオーバーしちゃったし、怒られちゃったけどさ、オレはみんなと組めて、『洞窟』をクリアできてよかったよ。みんなはオレの誇りだ」
「へへ……。俺もだぜ」
「みんなと冒険できて嬉しかったんだなー」
「うみゅー……」
「シャルリーヌ様、今感動的な場面ですよ」
「アリソン、もう寝かせてあげましょうよ」

 最後はなんか締まらないが、オレの言葉に嘘はない。

 そして、オレたちは丸三日間ぐっすり寝て、体力を回復した。

 テストの結果は、オレたちは期日に帰らなかったので得点はゼロ。全員仲良く赤点を取って、補習を受けることになったのだった。

 とはいえ、学園ではオレたちが『洞窟』を踏破したことが噂で流れ、みんなに一目置かれるようになるのだった。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

こんにちは(=゚ω゚)ノ
作者のくーねるでぶるです。
お読みいただきありがとうございます。
本作はこれにて一度完結設定にさせていただきます。
また時間ができたら続きを書かせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

気軽に感想もよろしくね>w<b
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感想 2

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みんなの感想(2件)

carrowin
2025.10.08 carrowin

一気に読ませていただきました。
物語が続く事を切に願います。

解除
キラSS
2025.06.22 キラSS

面白いです。
アイギスはチートすぎるから出番大分先かな?

2025.06.22 くーねるでぶる(戒め)

ありがとうございます!
出番だいぶ先になります!

解除

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