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現世編 序章 終わりの始まり
5話 閃光
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今、凛がどの辺にいるか分からないが、通話の内容からすると俺のクラスの周辺にはいたはず。この部室までたどり着くには1分くらいはかかると計算。ならば、すぐここから離れれば見つからずに逃げられるはず。そう判断し、扉の取っ手を掴もうとした。
『バァァァァァン』
掴む前に先に扉がぶっ壊れるんじゃないかと思うくらい豪快に開いた。
「!!!!!」
おいおい、ウソだろ。通話が切れてからまだ10秒くらいしかたってないぞ。俺の妹様は本当に何者だよ。
開けられた扉の取っ手を持ちながら大きく足を開いて、そのまま立ち止まる凛。顔は下を向けているので表情が分からない。
「お兄様…」
下を向きながら、とても静かな声で話す凛。
だがそれが逆にそれが恐ろしくヤバいと察知した俺は様子を伺いながら、さらに暴走させないよう言葉を選んだ。
「り、凛・・・とにかく落ち着いて話をしよう」
だぁぁぁもう、考えてこんな言葉しか出ないのか。
「私は、いたって冷静で落ち着いていますよ、お兄様。で・・・なぜ、こんなところにいるのですか?」
「いや、それはだな、話せば長くなるんだが…」
全く長くはならない。ただ、先輩に呼ばれただけだ。だが、それを言えない。どんだけ情けないのだ自分。
「1行20文字以内で簡潔に」
淡々と文字制限まで来たよ。
(ただ、先輩に呼ばれただけだ。14文字クリア! やった!)
と、心の中でつぶやいた。バカか俺は。
その様子を見かねてかどうかは分からないが、俺があたふたしていたら先輩が
「あら、凛ちゃん、こんなところって随分な言い方ね」
すました顔で言い放つ。
その瞬間、獲物を切り替えるが如く顔を上げ先輩の方を、まるで親の仇を見るかのように睨みつけた。
「あらあら凛ちゃん、そんな怖い顔してたら蓮君に嫌われちゃうわよ」
(ぁぁぁぁぁ先輩! それ以上、凛を煽らないでくれぇぇぇ)
「誰のせいで、こうなったと思っているのでしょうねぇ?」
「あらぁ、誰かな? もしかして私? まさかねぇ、ただ蓮君に用事があって呼んだだけよ」
蓮が言えなかったことをあっさりバラす。
「それだけで目の敵にされたら、私怖くて泣いちゃいそう」
泣くと言いつつ、下を向いて顔を手で覆いケタケタ薄笑いしている真由羅。
(もう、そういうとこだよ! ほんとやめてくれ)
「本当にあなたは私の神経を逆なでするのがお上手ですね」
凛は全身プルプルと震えだしている。
「ええ、分かりました」
何が分かった?妹よ。
「あなたには、きつ~いお仕置きが必要なようですね。今日という今日は、止めを刺して差し上げます!!」
お得意の黒いオーラが噴き出て、持っていないはずなのに右手に剣のようなものが見え隠れしていた。
なんと、黒いオーラの一部が右手に集約し剣のようなものを作り出していた。
「ちょ、待て_待て_待て・・・凛、それはいったいなんなんだ?」
蓮の言葉に反応せず、凛は真由羅に狙いを定め腰を落とし駈け出そうとしていた。
「魍魎退散! 滅せよ! サキュバス女狐め!」
いや、東洋,西洋,妖怪がごちゃ混ぜですよ凛さん。
「いやぁぁぁぁぁ」
真由羅は叫び、後ろから思いっきり蓮にしがみついた。
「!?」
「蓮君、こわ~い、助けてぇ」
いや、あなた全然怖がってませんよね。
「ちょ! 先輩」
蓮にしがみついたせいで、一瞬動きが止まる凛。
『むにゅ』
(あぁ、抱きつかれてダイレクトに先輩の柔らかくふくよかな特大福が俺の背中に押し付けて、こ…これは、き…気持ちがいぃかも)
顔を赤らめた蓮を見るや否や、それを察した凛はさらに逆上した。
「おのれぇぇぇ、お兄様をたぶらかす悪女め! こうなったらお兄様もろとも切り刻んでくれるわー」
「待てぇぇ早まるな凛。俺まで巻き添えにするなぁぁぁ」
大声で叫ぶ蓮。
だがしかし、聞く耳持たぬ凛は蓮と真由羅めがけて頭上から黒オーラの剣が振り落とされようとした。
その時だった・・・・
突然、外が光り輝いた。
「うっ!」
「何!?」
「なんだ?」
目が開けられないほどのまばゆい光。その直後、大きな音が響き渡る。
『『ゴォォォォォォォォォ』』
地鳴りのような、音の振動の影響か僅かだが地震が起きたように床は小刻みに揺れていた。
直後
『『『ズドォォォォォォン』』』
とてつもなく大きな破壊音が鳴り、3人は何が起きたかも理解できず、そのまま塵となり消失した…
『バァァァァァン』
掴む前に先に扉がぶっ壊れるんじゃないかと思うくらい豪快に開いた。
「!!!!!」
おいおい、ウソだろ。通話が切れてからまだ10秒くらいしかたってないぞ。俺の妹様は本当に何者だよ。
開けられた扉の取っ手を持ちながら大きく足を開いて、そのまま立ち止まる凛。顔は下を向けているので表情が分からない。
「お兄様…」
下を向きながら、とても静かな声で話す凛。
だがそれが逆にそれが恐ろしくヤバいと察知した俺は様子を伺いながら、さらに暴走させないよう言葉を選んだ。
「り、凛・・・とにかく落ち着いて話をしよう」
だぁぁぁもう、考えてこんな言葉しか出ないのか。
「私は、いたって冷静で落ち着いていますよ、お兄様。で・・・なぜ、こんなところにいるのですか?」
「いや、それはだな、話せば長くなるんだが…」
全く長くはならない。ただ、先輩に呼ばれただけだ。だが、それを言えない。どんだけ情けないのだ自分。
「1行20文字以内で簡潔に」
淡々と文字制限まで来たよ。
(ただ、先輩に呼ばれただけだ。14文字クリア! やった!)
と、心の中でつぶやいた。バカか俺は。
その様子を見かねてかどうかは分からないが、俺があたふたしていたら先輩が
「あら、凛ちゃん、こんなところって随分な言い方ね」
すました顔で言い放つ。
その瞬間、獲物を切り替えるが如く顔を上げ先輩の方を、まるで親の仇を見るかのように睨みつけた。
「あらあら凛ちゃん、そんな怖い顔してたら蓮君に嫌われちゃうわよ」
(ぁぁぁぁぁ先輩! それ以上、凛を煽らないでくれぇぇぇ)
「誰のせいで、こうなったと思っているのでしょうねぇ?」
「あらぁ、誰かな? もしかして私? まさかねぇ、ただ蓮君に用事があって呼んだだけよ」
蓮が言えなかったことをあっさりバラす。
「それだけで目の敵にされたら、私怖くて泣いちゃいそう」
泣くと言いつつ、下を向いて顔を手で覆いケタケタ薄笑いしている真由羅。
(もう、そういうとこだよ! ほんとやめてくれ)
「本当にあなたは私の神経を逆なでするのがお上手ですね」
凛は全身プルプルと震えだしている。
「ええ、分かりました」
何が分かった?妹よ。
「あなたには、きつ~いお仕置きが必要なようですね。今日という今日は、止めを刺して差し上げます!!」
お得意の黒いオーラが噴き出て、持っていないはずなのに右手に剣のようなものが見え隠れしていた。
なんと、黒いオーラの一部が右手に集約し剣のようなものを作り出していた。
「ちょ、待て_待て_待て・・・凛、それはいったいなんなんだ?」
蓮の言葉に反応せず、凛は真由羅に狙いを定め腰を落とし駈け出そうとしていた。
「魍魎退散! 滅せよ! サキュバス女狐め!」
いや、東洋,西洋,妖怪がごちゃ混ぜですよ凛さん。
「いやぁぁぁぁぁ」
真由羅は叫び、後ろから思いっきり蓮にしがみついた。
「!?」
「蓮君、こわ~い、助けてぇ」
いや、あなた全然怖がってませんよね。
「ちょ! 先輩」
蓮にしがみついたせいで、一瞬動きが止まる凛。
『むにゅ』
(あぁ、抱きつかれてダイレクトに先輩の柔らかくふくよかな特大福が俺の背中に押し付けて、こ…これは、き…気持ちがいぃかも)
顔を赤らめた蓮を見るや否や、それを察した凛はさらに逆上した。
「おのれぇぇぇ、お兄様をたぶらかす悪女め! こうなったらお兄様もろとも切り刻んでくれるわー」
「待てぇぇ早まるな凛。俺まで巻き添えにするなぁぁぁ」
大声で叫ぶ蓮。
だがしかし、聞く耳持たぬ凛は蓮と真由羅めがけて頭上から黒オーラの剣が振り落とされようとした。
その時だった・・・・
突然、外が光り輝いた。
「うっ!」
「何!?」
「なんだ?」
目が開けられないほどのまばゆい光。その直後、大きな音が響き渡る。
『『ゴォォォォォォォォォ』』
地鳴りのような、音の振動の影響か僅かだが地震が起きたように床は小刻みに揺れていた。
直後
『『『ズドォォォォォォン』』』
とてつもなく大きな破壊音が鳴り、3人は何が起きたかも理解できず、そのまま塵となり消失した…
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