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第2章 戦技祭編

第35話 個人戦決勝

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「クライトぉぉぉぉお!!!負けちゃった………っていうか、まだ負けたことをあんまり理解できてないんだけど………」
「いや、ストライク先輩相手に十分頑張ったよ」
「凄い人なの?」
「うん、先輩はもうSランク冒険者の称号持ってるよ」
「えーそれは勝てないなぁ。スタグフレに勝ってもやっぱり上は居るよなぁ………」

 スタグリアンはちょっと残念そうな顔をしてる。多分スタグフレも倒して、調子付いていたのだろう。そこにストライク先輩がやってきてそれを壊しに来たと。

「僕途中から見に来たからあんまり今の試合の前半分からないんだけどさ、どんな感じだったの?」
「あー、えっとね。正直虚無の時間だったかな」
「虚無?」
「スタグリアンは魔法剣を持ってから攻撃を仕掛けに行こうとしてもストライク先輩にずっとよけ続けれらていたんだ。反撃もされずに、ただただ避けられるだけ。魔法剣を複数生成して投擲とうてきなんかもしていたけれどこれもダメだった。全部避けられて終わっていたな。というか、言っていなかったが私も彼に負けたんだ………」

 なるほど、多分魔法剣がどれくらいの威力を誇るのか分からなかったから取り敢えず様子を見ていたのか。それでスタグリアンが疲れてきたところに猛スピードで首筋に剣を突き付けて降参宣言させたと。

「おいおいちょっとマリスタン!俺が説明するところもう無くなったじゃん!」
「あ、まただ」
「また?何がまたなんだ?」
「そっか、クレジアントちゃんはまだ知らないか」
「え?」

 あぁそっか、クレジアントはまだ見たことないんだよな。夫婦漫才。

「まあそう言うな。別に誰が説明したって構わないだろ?なあクライト」
「うーん、まぁそれはそうだだけど」
「おい!クライトまで俺を裏切るっていうのか!くそ………」
「はいお疲れ」
「なんだとぉお!?やるのか?やるのか!?」
「あぁ、なんかさっきも見た気がするなこの光景」
「あれ?クレジアント知ってるの?」
「いや、さっき保健室でも見たような気がするなって。さっきはただ仲が良いなと思っただけなんだけれど」

 あぁ、そうそう言えばさっきも保健室でやってたなこういう漫才。なんかじれったいなぁ………いや、キュールと僕もはたから見たらそんな感じだったのかな?当人は案外気が付かないものだからね。仕方ないのかもしれない。

☆★☆★☆

 あの後も別決闘場での試合は順調に進んでいった。そう、調。ストライク先輩は相手の攻撃を三回躱すと、一瞬で距離を詰めて首筋に剣を当てて勝利していた。その間僅か5秒。そんな試合がずっと続くわけで、あっという間に決勝戦まで来てしまった。
 やはりスタグリアンがそこそこ長い時間持ったのは魔法剣という特殊な搦め手があったからだろう。スタグリアンに教えていた甲斐があった。

「さぁぁぁぁあああああ!!!!! 遂に!!! 遂にやってまいりました!!! 私の仕事です!!!!! 第一回学園戦技祭!!! 個人戦の決勝ですッ!!!!! 皆、準備は出来てるかぁぁァァァァァアアアア!!!!!」
『来たぞォォォォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!!!!!!』

 決勝戦では別決闘場では無くて、スティーブンさんが実況する決闘場で行われる。もう、ここまで来てしまった。正直に言って今日の僕はあんまり戦ってないから実感が湧いてない。もう決勝戦なのか………

「さあッ!!! それでは!!! 数々の猛者もうざを打ち砕きィィ!!! この決勝戦までを勝ち抜いてきた真の強者きょうしゃ二名を迎え入れましょう!!!!! クライト選手!!! ストライク選手の登場です!!!!!!!!!!」

 フィールドに向かって進む。クレジアントじゃない分、僕にとっては幾分いくぶんか踏み出すのが楽だ。でも、そんな思いもすぐに打ち砕かれた。ストライク先輩と対面した瞬間に、クレジアントと同じ真の強者の気配がしたから。

「うわぁ………」
「クライト君、だったかな。よろしく、期待してるよ」
「あ、よろしくお願いします」

 ストライク先輩も握手してくれた。『うわぁ………』とか言っちゃったけれど聞かれてないよね………?

「流石真の強者同士の対決と言うべきでしょうか!!!!! ガッチリと交わされた握手は今からの試合を本気で戦おうという気概を感じられますッ!!!!! 本当は選手紹介もしようと思っていたのですが!!! 両者共にどう考えても強すぎるので今回は省かせていただきます!!!!! さて、それではお二人とも準備はよろしいでしょうか!!!!!」

 僕とストライク先輩はスティーブンさんに目線を送る。ストライク先輩はOKという目線を。僕は助けてという目線を。

「宜しそうですねッ!!!!!」

 宜しくないです。

『うおおおおおお!!!!! 一年坊!!! やっちまえ!!!!!』
『ストライク様ーーー!!!!! 負けないで!!!!!』
「会場の皆さんも湧いております!!!!! それでは、焦らしても仕方が無いので始めてしまいましょう!!!!! 改めて、両者準備は宜しいでしょうか!!!!!」

 はぁ、うだうだ言っていても仕方が無い。戦おう、そして勝とう。スタグリアンとマリスタンの仇をとるためにも。そして、僕が自信を付けれるようになるためにも。

「それでは参りますッ!!!!!」
『来たぞぉぉぉぉおおおおおお!!!!!!!!!!』
『うぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!!!!!!!』
『二人とも頑張れぇぇぇえええ!!!!!!!!!!』

 僕は手汗を拭いて、しっかりと剣の柄を握る。

 ストライク先輩も、しっかりと剣の柄を握る。

「試合………開始ィィイイイイ!!!!!!!!!!」

 最後の試合の火蓋が切って落とされた。
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