クズみたいな人生。

何もない男

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クズオ誕生。

クズオの人生。

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平成元年4月4日、京都府の病院にてクズオが誕生した。

元気な可愛らしい男の子だ。

クズオは5人兄弟の真ん中だ。

姉、兄、クズオ、弟、妹。

といった感じだ。

クズオは、両親や姉、兄、親戚などからものすごく可愛がられて育った。

欲しいものは何でも買ってもらえた。

父の職場や兄、姉を迎えに、
一人で三輪車を漕いで
向かったりしていた、家族が大好きなクズオだ。

京都で高校卒業し就職し、
ずっと京都に住んでいくんだろうな、と
思っていた。


クズオが3歳になった頃だった。

母方の両親が体調を崩してしまい、

母の故郷、島根へ引っ越す事となった。

クズオが住んでいた所は、京都の中でも

かなり都会な所だったから

島根へ引っ越して来たときは、ビックリした。


(なんて田舎なんだ、何もないじゃん)

わずか3歳で思ったのだから
相当なインパクトだったのだろう。

テレビでよく見る田舎みたいな感じだ。
山に囲まれていて、田んぼしかないんだから。

お店なんて、おじいちゃんおばあちゃんが経営している今にも潰れそうなお店しかないんだから。

商品の中には賞味期限が切れてる物も多々ある。


そのお店の名前は、【朝日屋】という名のお店だった。

いかにも潰れそうなお店の名前が
【朝日屋】なのだ。 
朝日どころか、暗闇に消えてしまいそうなお店だ。



ただ、そんな、いかにも潰れそうな朝日屋は
なぜかずっと潰れずにいた。

小さい子は駄菓子を買い、そして、

朝日屋をこよなく愛している住民はお酒やら日用品を買う。

そんなこんなで朝日屋は潰れずにいた。

田舎はこうやって人と人とが支え合って、

助け合って生きているのかと
わずか3歳ながらにして思ったものだ。

そんなクズオは、高校卒業するまでの
約15年間、朝日屋の常連と化す。

駄菓子は勿論買うし、飲み物なども朝日屋で買う。
値段は別に安いわけでも何でもない。

たまに、朝日屋のおばあちゃんから
賞味期限が切れてる物を
タダで頂く。

朝日屋のおじいちゃんおばあちゃんの事を大好きになっていたクズオだ。

クズオがクズ男と化していくのは

中学校に入ってからだ。

中学校の話をする前に

まずは小学校のお話から始めようと思う。

ここまで読んでくれた読者さんに 

まずは感謝しかない。

これから先のお話は

良い気分にはならなかったり

クズオに対して殺意が芽生えたりするかもしれないが

クズオの人生を赤裸々に描いていくから

心して読んでいただきたい。
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