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通された先はセナの部屋だった。
空間は狭いが、だからこそセナの匂いに満ちていて俺は落ち着かなくなる。小さなベッドに、空間の割には大きな机。たくさんの書物が並んでいて、勉強熱心なセナらしい部屋だと思った。向かい合う椅子と椅子に腰を掛けて、俺たちは対峙していた。セナの表情は当然ながら穏やかではない。涙のあとは薄くなってきているが、それでもまだ目は赤い。
異常なほどに空気が重い。こんな事態を招いたのは俺なのだが、この空気の重さには窒息してしまいそうだった。セナは何も言わず、俺はどう言えばいいのか分からず、ただ無為に時間が過ぎて行く。緊張しすぎて逆に冷静になってきた。セナを見つめて、目でセナを堪能し始める己の神経の図太さに呆れる。
「……何をしていたんだ」
無言を引き裂いて、言葉を発したのはセナの方だった。小さく低い声。けれど、静寂の中では痛い程によく聞こえた。情けないことに、俺はその声を聞いて俺は肩を震わせてしまう。面罵されることも覚悟していたので、それを思えば優しい声音だった。
「あれは……、……その溜まってしまったものを発散するために、仕方なく」
「何をしていたかを聞いてるんだ」
セナの言葉は鋭く俺に刺さる。確かに今の俺の発言は言い訳じみていた。第一声が言い訳だなんて、なんと情けないことだろう。膝の上で拳を固くする。セナは、悲しみを超えて今、怒っているのだ。俺はセナの叱責を受けなければならない。
「女性を、抱いていました」
端的に言えば、そういうことだ。理由などは、セナにとっては二の次。とにかく俺は、己の罪を素直に白状した。セナだって、きっと分かっている。あの女は、セナと同じ髪色で瞳の色も同じだった。俺が誰を想ってあの女を抱いたかなんて、分かっているはずなのだ。
「……ごめん、セナ」
謝る事しかできない。謝って、謝り倒して、そして許してもらいたい。怒った顔だって勿論可愛いのだが、どうせならセナの笑顔がみたい。罪人の分際で何を言っているのか、と言われればそれまでだが、俺はセナの幸せそうな顔が何よりも好きなのだ。
「俺が……男だから、駄目なのか」
俯いたセナが、とんでもないことを言いだした。俺が女を抱いたなどと言ったから、自分が男であるから抱かないのか、ということを口にしたのだ。俺は驚く。セナを抱いて良いなら抱くに決まっているのに。どうしたらそんな考えに至るのか。問いただしたい気持ちをぐっと抑えて、努めて冷静に言葉を選んで言葉を紡ぐ。
「そうじゃない。全然違うよ、セナ。もちろん、抱いていいならセナを抱くに決まってるだろ。でも……まだセナは覚悟が決まっていないみたいだし、傷つけたくはないから……他の人で適当に発散を」
「……俺の覚悟が決まらないから、他の人を抱いたのか」
セナの目が再び潤みだした。アメジストの瞳が湿気を帯びて、きらきらと輝いている。結局は、セナの言う通りだ。セナがまだ俺を受け入れてくれないので、他の人で発散したのだ。どう言葉にすれば、セナに誤解なく伝わるのかが分からなくて俺は叫びたくなる。
「ごめん。どんな罰でも受けるから許して欲しい。本当にごめん。俺はセナだけが大切で、その他はどうでもいいんだ。でもセナが大切すぎて、無理やりなんて出来なかったんだ」
俺は慌てて椅子から立ち上がり、セナのそばに駆け寄って、床に膝をつきながらセナの手を両手でぎゅっと握る。椅子に座ったままのセナが俺を見下ろした。悲しい瞳が涙に濡れて、悔しそうに口が引き結ばれている。
「俺が……はっきりしないから悪いんだっていうのは、分かってる」
「そんなことない、セナは何も悪くない」
「いいから聞いて」
俺の言葉を遮ってセナが続けた。その双眸からは、僅かに涙が引いている。どこか、覚悟のこもった瞳だった。
「はっきりとした答えを返せない俺が悪いって分かってるんだけど、……すごく、……すごく嫌だった」
あの時の光景を思い出しているのか、セナの顔は苦しそうになった。本当に俺はなんて愚かなことをしたのだろう。セナに覚悟を迫らないために、とセナを想ってしたことで、これほどまでにセナを苦しめてしまうなんて。本末転倒にも程がある。
「ラーフが他の人に触れるなんて、信じられなかった」
「ごめん、セナ、ごめんね。絶対に、もう二度としない」
口からは止め処なく謝罪の言葉が出てくる。どれだけでも詫びる。セナが納得するなら罰だって受ける。だから許して欲しい。俺の愚かな行いを、見逃して欲しい。
「……キスもしたのか」
「してないよ! キスは愛する人としかしない。セナだけだ」
誰だって抱こうと思えば抱ける。男であっても女であっても、セナだと思えば抱けるのだ。だがキスは違う。キスはとても大切で崇高なものだ。誰彼かまわず唇を付けるほど俺は愚かではない。俺はセナとしかキスをしない。
「じゃあ、今キスして」
セナは視線を逸らしたが、でもその顔は赤くて、耳もほんのりと赤い。照れながらも、そんな可愛らしい言葉を口にした。あまりにもいじらしくて、俺は心臓が止まりそうになる。俺の心が一気に晴れあがった。断頭台にいるような気持ちだったが、それが一転して天上にいるような心地になる。俺は立ち上がって、腰を折りながら椅子に座るセナの高さに合わせる。
「ごめんね、……許してくれる?」
「二度目があったら、絶対に許さない」
「二度目は絶対にないよ」
ゆっくりと唇を重ねる。乱暴にせず、淫靡にせず。可愛らしくて、尊くて、何よりも大切なのだという気持ちを込めて、優しい口付けにした。唇を離すと、セナが照れながら微笑む。世界が明るくなった気がした。
「凄く嫌な気分になったし、凄く悲しかったけど、ラーフ。俺、分かったよ」
セナが椅子から立ち上がり、俺に手を伸ばす。セナが自ら俺に抱き着いたのだ。細い腕がぎゅっと俺を抱きしめる。小柄なセナの頭は、俺の胸辺りにある。華奢な体を抱きしめて、セナの頭の頂点に頬を付けた。温かい。そのぬくもりを感じて、許されたのだと気付く。
「俺も、ラーフと同じ意味で、ラーフを愛してるんだって」
感激のあまり声が出なかった。この言葉をどれほど待ったことか。けれど、あまりにも待ちすぎて、現実味がない。何度もその言葉を反芻して、やっと理解した。体が震えるのは、歓喜の所為だ。セナを強く抱きしめる。強すぎて、苦しかったかもしれない。けれど、今だけは許して欲しかった。
「……待たせてごめんね」
「いいよ……全然、いいよ。その言葉を聞くためなら、どれだけでも待てた」
嘘じゃない。その言葉を聞くためなら、俺はどれだけでも待てたのだ。そうしてやっと、望んだ言葉が齎される。嬉しくて、俺からもキスをした。セナは受け止めてくれた。微笑んでいる。セナは、嬉しそうに笑っていた。
「愛してる、ラーフ」
その言葉を、掛けてもらう日を待ち続けていた。恋心に自覚したのは、随分と昔のことだった。友達として好きなのだと思っていたが、そうではないことを知って戸惑った。セナは男なのに、と。セナのことを想うのは何かの間違いだと思って、女性との交際をしたこともあったが、それでもセナへの気持ちは変わらなかった。セナだけが俺の特別だったのだ。
俺は、これまでの人生でも、これからの人生でも、セナ以外を愛することはないだろう。
「……なんて幸せなんだろう。数分前までは生きた心地がしなかったよ」
「大袈裟だなぁ」
「本当のことだよ。もうセナに捨てられるんだって思ってた」
「俺こそ、捨てられたんだと思った」
「俺がセナを捨てるわけないだろ」
額をつけ合って、微笑み合う。安心しすぎて体から力が抜けて行きそうだった。なんとか踏ん張り、セナとの抱擁を楽しむ。そしてセナが、ねぇラーフ、と言って声を掛けてきた。その時のセナは幸せそうで、嬉しそうで、楽しそうで。そして、どこか企みを持った表情をしていた。
「……父さんに報告しようよ」
「えっ」
セナの言う父さん、というのはフィルリアの御当主のことだ。今さっき、泣かせた詫びをしに来たというのに、今から交際宣言をしようというのだ。わくわくとしているセナには申し訳ないのだが、俺としてはとても気まずいものがある。
「せっかくの機会なんだし。だめ?」
自分の魅力を分かっているのか、いないのか。セナは小さく首をかしげる。二十歳になる男子学生が普通はやらないポーズだ。だが、セナはごく自然にさらりとそのポーズをとる。そして、めちゃくちゃ可愛い。そんな顔をされて断れる人類などこの世には存在しないと思うのだ。
「わ、分かった。報告しに行こう」
空間は狭いが、だからこそセナの匂いに満ちていて俺は落ち着かなくなる。小さなベッドに、空間の割には大きな机。たくさんの書物が並んでいて、勉強熱心なセナらしい部屋だと思った。向かい合う椅子と椅子に腰を掛けて、俺たちは対峙していた。セナの表情は当然ながら穏やかではない。涙のあとは薄くなってきているが、それでもまだ目は赤い。
異常なほどに空気が重い。こんな事態を招いたのは俺なのだが、この空気の重さには窒息してしまいそうだった。セナは何も言わず、俺はどう言えばいいのか分からず、ただ無為に時間が過ぎて行く。緊張しすぎて逆に冷静になってきた。セナを見つめて、目でセナを堪能し始める己の神経の図太さに呆れる。
「……何をしていたんだ」
無言を引き裂いて、言葉を発したのはセナの方だった。小さく低い声。けれど、静寂の中では痛い程によく聞こえた。情けないことに、俺はその声を聞いて俺は肩を震わせてしまう。面罵されることも覚悟していたので、それを思えば優しい声音だった。
「あれは……、……その溜まってしまったものを発散するために、仕方なく」
「何をしていたかを聞いてるんだ」
セナの言葉は鋭く俺に刺さる。確かに今の俺の発言は言い訳じみていた。第一声が言い訳だなんて、なんと情けないことだろう。膝の上で拳を固くする。セナは、悲しみを超えて今、怒っているのだ。俺はセナの叱責を受けなければならない。
「女性を、抱いていました」
端的に言えば、そういうことだ。理由などは、セナにとっては二の次。とにかく俺は、己の罪を素直に白状した。セナだって、きっと分かっている。あの女は、セナと同じ髪色で瞳の色も同じだった。俺が誰を想ってあの女を抱いたかなんて、分かっているはずなのだ。
「……ごめん、セナ」
謝る事しかできない。謝って、謝り倒して、そして許してもらいたい。怒った顔だって勿論可愛いのだが、どうせならセナの笑顔がみたい。罪人の分際で何を言っているのか、と言われればそれまでだが、俺はセナの幸せそうな顔が何よりも好きなのだ。
「俺が……男だから、駄目なのか」
俯いたセナが、とんでもないことを言いだした。俺が女を抱いたなどと言ったから、自分が男であるから抱かないのか、ということを口にしたのだ。俺は驚く。セナを抱いて良いなら抱くに決まっているのに。どうしたらそんな考えに至るのか。問いただしたい気持ちをぐっと抑えて、努めて冷静に言葉を選んで言葉を紡ぐ。
「そうじゃない。全然違うよ、セナ。もちろん、抱いていいならセナを抱くに決まってるだろ。でも……まだセナは覚悟が決まっていないみたいだし、傷つけたくはないから……他の人で適当に発散を」
「……俺の覚悟が決まらないから、他の人を抱いたのか」
セナの目が再び潤みだした。アメジストの瞳が湿気を帯びて、きらきらと輝いている。結局は、セナの言う通りだ。セナがまだ俺を受け入れてくれないので、他の人で発散したのだ。どう言葉にすれば、セナに誤解なく伝わるのかが分からなくて俺は叫びたくなる。
「ごめん。どんな罰でも受けるから許して欲しい。本当にごめん。俺はセナだけが大切で、その他はどうでもいいんだ。でもセナが大切すぎて、無理やりなんて出来なかったんだ」
俺は慌てて椅子から立ち上がり、セナのそばに駆け寄って、床に膝をつきながらセナの手を両手でぎゅっと握る。椅子に座ったままのセナが俺を見下ろした。悲しい瞳が涙に濡れて、悔しそうに口が引き結ばれている。
「俺が……はっきりしないから悪いんだっていうのは、分かってる」
「そんなことない、セナは何も悪くない」
「いいから聞いて」
俺の言葉を遮ってセナが続けた。その双眸からは、僅かに涙が引いている。どこか、覚悟のこもった瞳だった。
「はっきりとした答えを返せない俺が悪いって分かってるんだけど、……すごく、……すごく嫌だった」
あの時の光景を思い出しているのか、セナの顔は苦しそうになった。本当に俺はなんて愚かなことをしたのだろう。セナに覚悟を迫らないために、とセナを想ってしたことで、これほどまでにセナを苦しめてしまうなんて。本末転倒にも程がある。
「ラーフが他の人に触れるなんて、信じられなかった」
「ごめん、セナ、ごめんね。絶対に、もう二度としない」
口からは止め処なく謝罪の言葉が出てくる。どれだけでも詫びる。セナが納得するなら罰だって受ける。だから許して欲しい。俺の愚かな行いを、見逃して欲しい。
「……キスもしたのか」
「してないよ! キスは愛する人としかしない。セナだけだ」
誰だって抱こうと思えば抱ける。男であっても女であっても、セナだと思えば抱けるのだ。だがキスは違う。キスはとても大切で崇高なものだ。誰彼かまわず唇を付けるほど俺は愚かではない。俺はセナとしかキスをしない。
「じゃあ、今キスして」
セナは視線を逸らしたが、でもその顔は赤くて、耳もほんのりと赤い。照れながらも、そんな可愛らしい言葉を口にした。あまりにもいじらしくて、俺は心臓が止まりそうになる。俺の心が一気に晴れあがった。断頭台にいるような気持ちだったが、それが一転して天上にいるような心地になる。俺は立ち上がって、腰を折りながら椅子に座るセナの高さに合わせる。
「ごめんね、……許してくれる?」
「二度目があったら、絶対に許さない」
「二度目は絶対にないよ」
ゆっくりと唇を重ねる。乱暴にせず、淫靡にせず。可愛らしくて、尊くて、何よりも大切なのだという気持ちを込めて、優しい口付けにした。唇を離すと、セナが照れながら微笑む。世界が明るくなった気がした。
「凄く嫌な気分になったし、凄く悲しかったけど、ラーフ。俺、分かったよ」
セナが椅子から立ち上がり、俺に手を伸ばす。セナが自ら俺に抱き着いたのだ。細い腕がぎゅっと俺を抱きしめる。小柄なセナの頭は、俺の胸辺りにある。華奢な体を抱きしめて、セナの頭の頂点に頬を付けた。温かい。そのぬくもりを感じて、許されたのだと気付く。
「俺も、ラーフと同じ意味で、ラーフを愛してるんだって」
感激のあまり声が出なかった。この言葉をどれほど待ったことか。けれど、あまりにも待ちすぎて、現実味がない。何度もその言葉を反芻して、やっと理解した。体が震えるのは、歓喜の所為だ。セナを強く抱きしめる。強すぎて、苦しかったかもしれない。けれど、今だけは許して欲しかった。
「……待たせてごめんね」
「いいよ……全然、いいよ。その言葉を聞くためなら、どれだけでも待てた」
嘘じゃない。その言葉を聞くためなら、俺はどれだけでも待てたのだ。そうしてやっと、望んだ言葉が齎される。嬉しくて、俺からもキスをした。セナは受け止めてくれた。微笑んでいる。セナは、嬉しそうに笑っていた。
「愛してる、ラーフ」
その言葉を、掛けてもらう日を待ち続けていた。恋心に自覚したのは、随分と昔のことだった。友達として好きなのだと思っていたが、そうではないことを知って戸惑った。セナは男なのに、と。セナのことを想うのは何かの間違いだと思って、女性との交際をしたこともあったが、それでもセナへの気持ちは変わらなかった。セナだけが俺の特別だったのだ。
俺は、これまでの人生でも、これからの人生でも、セナ以外を愛することはないだろう。
「……なんて幸せなんだろう。数分前までは生きた心地がしなかったよ」
「大袈裟だなぁ」
「本当のことだよ。もうセナに捨てられるんだって思ってた」
「俺こそ、捨てられたんだと思った」
「俺がセナを捨てるわけないだろ」
額をつけ合って、微笑み合う。安心しすぎて体から力が抜けて行きそうだった。なんとか踏ん張り、セナとの抱擁を楽しむ。そしてセナが、ねぇラーフ、と言って声を掛けてきた。その時のセナは幸せそうで、嬉しそうで、楽しそうで。そして、どこか企みを持った表情をしていた。
「……父さんに報告しようよ」
「えっ」
セナの言う父さん、というのはフィルリアの御当主のことだ。今さっき、泣かせた詫びをしに来たというのに、今から交際宣言をしようというのだ。わくわくとしているセナには申し訳ないのだが、俺としてはとても気まずいものがある。
「せっかくの機会なんだし。だめ?」
自分の魅力を分かっているのか、いないのか。セナは小さく首をかしげる。二十歳になる男子学生が普通はやらないポーズだ。だが、セナはごく自然にさらりとそのポーズをとる。そして、めちゃくちゃ可愛い。そんな顔をされて断れる人類などこの世には存在しないと思うのだ。
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