住年の想ひ

碧野 宙

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「君は君が嫌いなんだね。」

あぁ、僕は僕が嫌いだ。僕の中で一番嫌いで、みんなが僕を嫌うより嫌いだ。

「どうしてなんだい?」

きっかけはわからないけど、日々のちょっとした行動が愚かなんだよ。

「行動が愚か?」

毎日一回は不幸が落ちてきて、しなくてもいいことをして失敗する。

「でもミスって誰にでもあるんじゃない?」

それでも数が多すぎるんだよ、自分で自分が嫌になる。

「でも君は他の人も嫌いだよね?」

僕以上に愚かな奴も嫌いだよ、あいつらは救いようのない馬鹿だから。

「じゃあ君も救いようのない馬鹿なのかい?」

まさか、そんなわけないだろう?僕は救われない馬鹿さ。

「自己嫌悪の塊だね。君は自己肯定感が低すぎるんだよ、言われたよね?」

言われたな、だがポジネガ関係なく毎日いついかなる時も僕は僕が嫌いなんだ。

「それが誰かを好きになるってことなの?」

そうじゃない。誰かを好きになったり愛したら心に偏りが生じる。
そうならないように自分を嫌ってバランスを取るのさ。
そうしたところで誰からも好かれないし愛されないが。

「言わなければ好きじゃないわけでも、愛してないわけじゃないよ?」

だが言わなければ伝わらない、そうだろう?

「これを読んだ人にも感想を伝えてもらえるといいね」

そうは思わない、読んでくれただけで感謝だよ。
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