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触れられない心
2
ジャケットをハンガーに掛けてソファに座る彼。煙草を咥える厚みのある唇に吸い付くことができるのであれば……と考えれば考えるほど、全身の血が巡って体中が熱くなる。
「まぁいいや、先にシャワー浴びていいよ。俺は時間かかるから」
そんな彼に見惚れて欲情していると、彼からシャワーを促されたので、徹史は我に返り、慌ててその場でお辞儀をしては、部屋の右手にあるシャワー室へと逃げ込んだ。
同性同士は異性相手と手順が同じなのだろうか。
千坂曰く、お尻の穴がどうのとか言っていたけど具体的なところまでは分からない。
でも、理人さんは全て知っていて慣れているのだろう。
だからと言って相手に任せきりのままではいかないだろうし、漸く彼に近づくことができたのに下手だからと幻滅されたくなかった。
浴室を出てからのことを考えながらシャワーを浴びては、ホテルの備え付けのバスローブを羽織る。深呼吸をしてから扉を開けて、部屋に戻ると入れ違いで理人さんが浴室へと入って行った。
理人さんがシャワーを浴びている間、徹史は落ち着いていられるはずもなく、ソファとベッドを行き来する。
ソファに居て出迎えるべきか、直ぐに始められるようにベッドで待機しているべきか。
後者だと明らかにやる気満々のような気がして彼に引かれてしまわないか心配だった。
悩んだ末に、露骨にベッドの上に乗って待つのではなく、ベッドの縁に腰を掛けて待っていることにした。
暫くして理人さんがバスローブ姿で出てくると、此方へ近づいてきたかと思えば、躊躇なく徹史の膝の上に跨ってきたので狼狽える。
「まっ……。理人さん⁉」
「回りくどいのとか嫌いだから、さっさとヤろうぜ」
咄嗟に彼が落ちないように腰を支えた右手が震える。
上から見下ろして悪戯に笑みを浮かべてくる彼に胸を弾ませながら、これから誘われるのであろう快感に興奮が止まらない。
「んっ……」
徹史の性的スイッチを目覚めさせるような彼からのキス。
初めての彼の唇の感触。何度か触れるようなキスを繰り返したことによって、緊張が欲望へと変わるまで時間がかからなかった。
もっとこの人の奥に触れたい……。
「んっっ……」
徹史は無我夢中で理人さんの唇を割ると、中で舌先が触れ合った。
お互いの舌先をすり合わせるようなキスは心地よかったが、やはり理人さんはキス一つにおいても自分よりも何枚も上手で、次第に彼のペースにのまれていく。
リードすると言うより、彼に追いつくのに必死で、どうにか主導を得ようと舌先で葛藤を繰り広げていると、唇が離された。
「君さ、もしかして初めて?」
眉間に皺を寄せた表情に自分は理人さんの嫌なやり方をしていたのではないかと不安になる。
「えっと……。同性は初めてです……」
理人さんと出会ったお店は同性が恋愛対象である人が集う場所。
そんな場所に、異性愛の自分が行くこと自体が場違いだし、冷やかしに来ていたと思われかねない。
しかし、他に誤魔化しようもなく、正直に話すしかなかった。
今までは異性しか恋愛対象ではなかった自分でも、目の前の人を抱きたいと思っていることには変りないのだから……。
「へぇー?あんたノンケか。あんなところにノンケが来ることもあるんだな」
理人さんは眉間に皺を寄せるのを止めると、したり顔で徹史の左頬に右手を添えてきた。理人さんが触れてきた指先から体中に熱が帯びていく。
「どういう経由でこっちに来たか知らないけど、女より俺の方が百倍気持ちいって思わせてやるよ」
頬から顎先へと指先で撫でられて、背中からゾクゾクっと欲が競り上がってきた。
高揚する気持ちも抑えながら、彼のバスローブの紐を解いてやると、布地を脱ぎ去った体はとても綺麗だった。
女体のような柔らかさは感じないが、胸元の丸くて小さい突起が可愛らしく見えて、吸い寄せられるように口をつけて啄む。
「んっ……。あっ、あっ」
理人さんの色っぽい声に興奮して徹史の悪戯な手は彼の体中に触れていた。
突起を吸って、甘噛みをして、舌でころがしている間、感じながらも徹史のバスローブの紐を解く余裕を見せてきていることに驚かされていると、彼に肩を軽く押されてベッドへと押し倒されてしまった。
「う、理人さん⁉」
馬乗りになった理人さんの身体は徐々に下肢の方へと下りていくと、下着を脱がされ、既に滾っていた芯が彼の口内へと沈みこんでいった。
驚きのあまり腰を浮かせたが、直ぐに腿を押さえつけられてしまう。
彼女がいたときは口淫なんてさせていなかった。女性に男のモノを咥えさせるのは気が引けたし、彼女が気持ちよくなれればそれで良かった。
茂みに隠れた根元から舌が這う感覚に、一気に熱が先端の方へと集中する。
理人さんの唾液と自身の先走った雫が合わさって、徹史の脳内が目と感覚で刺激された。
しばらく咥えながら流し目で見てくる妖艶な瞳にうっとりしていると、彼が上体を起こして腰に跨ってきた。
潤滑剤を掌に取ると、自らの後孔に塗り付け、指先を入れて軽く解した後、そのまま滾った徹史のモノに目がけて腰を下ろそうとしてくる。
「まっ……。まって⁉ご、ゴム……」
徹史は慌てて腰を引かせては、挿入を阻止すると慌ててヘッドボードにあったコンドームの袋を取り出した。
「あ?病気は持ってないから安心しろよ」
別に理人さんを疑っているわけじゃない。ひとめ惚れをした男と言葉を交わして数時間しか経っていないのに、肌を重ねられたことは喜ばしいことではあったが、行為の所作はちゃんと心得ておきたかった。
どんなに無知だったとしても、同性間で挿入がある場合は、つけなければいけないことぐらいは知識としてある。
これから恋人になる人なのだから大事にする意味を込めてちゃんとしておきたい。
「そういうことじゃなくて、初めてはちゃんとしたくて……」
決心する思いで打ち明けたが、理人さんは明らかに不機嫌そうに顔を歪めると舌打ちをした。
「どこの童貞が言ってんだよ。まぁ、いいや。それでトラウマになられても面倒だし。貸せよ、俺がつけてやるよ」
「ありがとうございます……」
深く溜息を吐きながらも、理人さんは徹史が手にしていたゴムを奪い取ってくると、慣れた手つきで袋を開けて、腹部を沿うほどに反り立たせたソレに装着してきた。
あっという間に熱く刺激を求める先端を襞がのみこんでいく。
彼の身体の上下運動に合わせて喘ぐ声と昂った先端から零れる雫が美しい。
やっぱりこの人のことが好きだ……。
この人と恋人として一生一緒にいたい……。
今度は失敗したくない……。
理人さんが腰を揺らす度に中が締め付けられて、徹史は直ぐに射精感が押し寄せてくると彼の中で果ててしまった。
「まぁいいや、先にシャワー浴びていいよ。俺は時間かかるから」
そんな彼に見惚れて欲情していると、彼からシャワーを促されたので、徹史は我に返り、慌ててその場でお辞儀をしては、部屋の右手にあるシャワー室へと逃げ込んだ。
同性同士は異性相手と手順が同じなのだろうか。
千坂曰く、お尻の穴がどうのとか言っていたけど具体的なところまでは分からない。
でも、理人さんは全て知っていて慣れているのだろう。
だからと言って相手に任せきりのままではいかないだろうし、漸く彼に近づくことができたのに下手だからと幻滅されたくなかった。
浴室を出てからのことを考えながらシャワーを浴びては、ホテルの備え付けのバスローブを羽織る。深呼吸をしてから扉を開けて、部屋に戻ると入れ違いで理人さんが浴室へと入って行った。
理人さんがシャワーを浴びている間、徹史は落ち着いていられるはずもなく、ソファとベッドを行き来する。
ソファに居て出迎えるべきか、直ぐに始められるようにベッドで待機しているべきか。
後者だと明らかにやる気満々のような気がして彼に引かれてしまわないか心配だった。
悩んだ末に、露骨にベッドの上に乗って待つのではなく、ベッドの縁に腰を掛けて待っていることにした。
暫くして理人さんがバスローブ姿で出てくると、此方へ近づいてきたかと思えば、躊躇なく徹史の膝の上に跨ってきたので狼狽える。
「まっ……。理人さん⁉」
「回りくどいのとか嫌いだから、さっさとヤろうぜ」
咄嗟に彼が落ちないように腰を支えた右手が震える。
上から見下ろして悪戯に笑みを浮かべてくる彼に胸を弾ませながら、これから誘われるのであろう快感に興奮が止まらない。
「んっ……」
徹史の性的スイッチを目覚めさせるような彼からのキス。
初めての彼の唇の感触。何度か触れるようなキスを繰り返したことによって、緊張が欲望へと変わるまで時間がかからなかった。
もっとこの人の奥に触れたい……。
「んっっ……」
徹史は無我夢中で理人さんの唇を割ると、中で舌先が触れ合った。
お互いの舌先をすり合わせるようなキスは心地よかったが、やはり理人さんはキス一つにおいても自分よりも何枚も上手で、次第に彼のペースにのまれていく。
リードすると言うより、彼に追いつくのに必死で、どうにか主導を得ようと舌先で葛藤を繰り広げていると、唇が離された。
「君さ、もしかして初めて?」
眉間に皺を寄せた表情に自分は理人さんの嫌なやり方をしていたのではないかと不安になる。
「えっと……。同性は初めてです……」
理人さんと出会ったお店は同性が恋愛対象である人が集う場所。
そんな場所に、異性愛の自分が行くこと自体が場違いだし、冷やかしに来ていたと思われかねない。
しかし、他に誤魔化しようもなく、正直に話すしかなかった。
今までは異性しか恋愛対象ではなかった自分でも、目の前の人を抱きたいと思っていることには変りないのだから……。
「へぇー?あんたノンケか。あんなところにノンケが来ることもあるんだな」
理人さんは眉間に皺を寄せるのを止めると、したり顔で徹史の左頬に右手を添えてきた。理人さんが触れてきた指先から体中に熱が帯びていく。
「どういう経由でこっちに来たか知らないけど、女より俺の方が百倍気持ちいって思わせてやるよ」
頬から顎先へと指先で撫でられて、背中からゾクゾクっと欲が競り上がってきた。
高揚する気持ちも抑えながら、彼のバスローブの紐を解いてやると、布地を脱ぎ去った体はとても綺麗だった。
女体のような柔らかさは感じないが、胸元の丸くて小さい突起が可愛らしく見えて、吸い寄せられるように口をつけて啄む。
「んっ……。あっ、あっ」
理人さんの色っぽい声に興奮して徹史の悪戯な手は彼の体中に触れていた。
突起を吸って、甘噛みをして、舌でころがしている間、感じながらも徹史のバスローブの紐を解く余裕を見せてきていることに驚かされていると、彼に肩を軽く押されてベッドへと押し倒されてしまった。
「う、理人さん⁉」
馬乗りになった理人さんの身体は徐々に下肢の方へと下りていくと、下着を脱がされ、既に滾っていた芯が彼の口内へと沈みこんでいった。
驚きのあまり腰を浮かせたが、直ぐに腿を押さえつけられてしまう。
彼女がいたときは口淫なんてさせていなかった。女性に男のモノを咥えさせるのは気が引けたし、彼女が気持ちよくなれればそれで良かった。
茂みに隠れた根元から舌が這う感覚に、一気に熱が先端の方へと集中する。
理人さんの唾液と自身の先走った雫が合わさって、徹史の脳内が目と感覚で刺激された。
しばらく咥えながら流し目で見てくる妖艶な瞳にうっとりしていると、彼が上体を起こして腰に跨ってきた。
潤滑剤を掌に取ると、自らの後孔に塗り付け、指先を入れて軽く解した後、そのまま滾った徹史のモノに目がけて腰を下ろそうとしてくる。
「まっ……。まって⁉ご、ゴム……」
徹史は慌てて腰を引かせては、挿入を阻止すると慌ててヘッドボードにあったコンドームの袋を取り出した。
「あ?病気は持ってないから安心しろよ」
別に理人さんを疑っているわけじゃない。ひとめ惚れをした男と言葉を交わして数時間しか経っていないのに、肌を重ねられたことは喜ばしいことではあったが、行為の所作はちゃんと心得ておきたかった。
どんなに無知だったとしても、同性間で挿入がある場合は、つけなければいけないことぐらいは知識としてある。
これから恋人になる人なのだから大事にする意味を込めてちゃんとしておきたい。
「そういうことじゃなくて、初めてはちゃんとしたくて……」
決心する思いで打ち明けたが、理人さんは明らかに不機嫌そうに顔を歪めると舌打ちをした。
「どこの童貞が言ってんだよ。まぁ、いいや。それでトラウマになられても面倒だし。貸せよ、俺がつけてやるよ」
「ありがとうございます……」
深く溜息を吐きながらも、理人さんは徹史が手にしていたゴムを奪い取ってくると、慣れた手つきで袋を開けて、腹部を沿うほどに反り立たせたソレに装着してきた。
あっという間に熱く刺激を求める先端を襞がのみこんでいく。
彼の身体の上下運動に合わせて喘ぐ声と昂った先端から零れる雫が美しい。
やっぱりこの人のことが好きだ……。
この人と恋人として一生一緒にいたい……。
今度は失敗したくない……。
理人さんが腰を揺らす度に中が締め付けられて、徹史は直ぐに射精感が押し寄せてくると彼の中で果ててしまった。
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※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。