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僕の幼馴染
僕の幼馴染②
しおりを挟む遼人と星杏ちゃんとは幼い頃からの仲だ。
旭の両親は旭が四歳の頃、元々片親だった旭は母親が病気で亡くなり、身寄りがなかったことから養護施設である「めぐみの園」に預けられた。二人とはそこで出会い、施設で暮らしているときは何をするにも三人一緒だった。
だから、二人が親のネグレクトが理由で施設に預けられていることも知っている。
自分も勿論、園に居る子達の中の大半は何処か心に闇を抱えている。
なのに、当時から明るく振る舞っていた二人に旭はいつも助けられていた。
入所初日に不安で部屋の隅で蹲っていた旭に手を差し伸べてくれたのは遼人だったのだから……。
今でも遼人が自分の光であることに変わりない。
そんないつも一緒であった三人の運命を変えたのは旭が五歳を迎えた頃だった。ある日突然、知らない男女の夫婦が旭の元へ頻繁に遊びに来るようになった。
最初は警戒をしていたものの、一緒に遊んでいくうちに優しい大人だと分かり、次第に心を打ちとけていった。
旭に養子縁組の話を持ち掛けられたのは夏も終わりを迎えた頃。遼人と星杏さんと離れてしまうことに躊躇はであったが、優しい夫婦の元で暮らすことに抵抗はなかった。
二人とは小学校も一緒だと分かっていたし、会えない訳ではない。
それから旭は今まで十年間、佐野夫妻の元で何不自由なく暮らしていけている。
「あさひー」
四時間目の終了のチャイムが鳴り、前授業の教科書を机の中に仕舞っていると自分の名前を呼んだ声が聞こえてきた。甲高い声音は星杏ちゃんだ。
旭が声の方へと振り向くと、星杏ちゃんが此方へ向かって来る。
「遼、来てるよ」
目の前に立った後で、入り口の方を目で差してくると遼人が教室の入り口で扉の上枠に手を当てて立っていた。
「ありがとう。星杏ちゃんも来る?」
「いい、友達と約束してるから」
「そっか、じゃあね」
少し寂しくはあるが、断られると分かっていての誘いだったので然程ショックは受けていない。
小学生まで距離間の無かった関係も、自然と男女の意識が生まれたこともあって中学校に上がった頃から星杏ちゃんには彼女の同性の友達できて、そっちと遊ぶことが多くなった。
だから最近ではもっぱら遼人と二人で居ることが多くなっていた。
旭は星杏ちゃんに微笑むと、鞄から二つの弁当袋を手に持ち、入り口で待つ遼人の元へと向かう。旭が向かっているのを見留めた彼は、到着を待たずして先へと行ってしまった。
はぐれぬように遼人の後へ続くものの、廊下で校内の女子生徒とすれ違うたびに、彼へと視線が注がれているのを肌で感じて居心地の悪さを感じる。
遼人本人は何とも思わず堂々としているところがまた周りの目を惹く要素の一つでもあるのだろう。
自分はその付属品といったところだろうか。そんなことを考えながら遼人の背中を追っていると何時もの屋上へと到着していた。
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