追放された魔法使いは孤高特化型魔法使い(ぼっち)として秘密のダンジョンと大食いに挑む

チョーカ-

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第2章

第96話 決着 『憤怒』のインファ戦

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 それはユウトの自爆魔法 

『直線爆破《リーネア・レクタ・イグナイテッド》』

 両手の手甲に仕込まれた魔石。

 それが杖の代わりとなり、強烈な魔法の執行を可能とする。

 それをユウトは最後の一手として使用した。ドラゴン相手に自爆技の魔法を繰り出したのだ。

 全身に魔力を集め、その力を解放する瞬間、爆発の閃光が戦場を包み込んだ。

 激しい痛みが遅れて襲い掛かって来る。

「ぐっあっあああ」と痛みを飲み込むユウト。 

 両手に火傷と激しい裂傷。しかし、その成果は――――

「やったか?」とユウトは一瞬の勝利を確信し、その瞳に希望の光が宿った。

 しかし、爆発が収まり、煙が晴れる。

「立っている。それも無傷――――だと!?」

 ドラゴンはなおも立ち上がっていた。その巨大な体躯は無傷のままで、鱗には一切の傷跡が見当たらない。

 心は絶望に包まれた。彼が最後の力を使い果たしたにも関わらず、ドラゴンはまったく傷ついていなかったのだ。

「――――っ回復薬を!」

 傷ついた腕で回復薬を取り出して飲み干すユウト。

 すぐさま、腕の再生が始まるが――――「回復が間に合わないか!」

 ユウトは、『憤怒のインファ』を見上げる。 

 明らかにダメージはない。しかし、様子はおかしい。

 ドラゴンに変身しているインファの体は輝く。 それから、みるみるうちに縮んでいき、人間の姿に戻った。

「――――なんのつもりだ?」とユウト。

「惜しいと思った。ここでお前たちを殺すのは」

「何を……言っている?」

「もっと強くなれ。もっと楽しませろ」

 インファは背中を見せた。 

 油断……ではない。襲って来るなら、来いと言わんばかりの立ち振る舞い。

 まるで、この瞬間でも危険を楽しんでいるかのように――――彼はユウトたちから去って行った。

 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・

「なんだったんだ、アイツ?」と残されたユウトたち。

 死を意識してからの解放。 

 脅威が遠ざかったことで、死を前にしていた事を強く自覚する。

「なんだったのでしょうか、あの人?」と言って顔を出したのは半人半鳥のセリアだった。

「今まで、どこに隠れていたんだ?」

「ここは私の家みたいなものなので、隠し部屋くらいありますよ」  

「隠しダンジョンの最奥に隠し部屋って必要なのか?」

「現に必要だったじゃありませんか!」

「う~ん、確かに」

「ところで皆さんに相談がありまして」

「?」

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・

「おぉ! ここが人間の町ですかぁ! 美味しそうな食べ物が売ってますね!」

 半人半鳥は人間の姿になってユウトたちについてきた。
  
「ちょっと、アレを連れてきて良かったの? あぁ見えても使徒でしょ、彼女
?」とメリス。

「そうは言っても、町まで案内してほしいって言いだしたのは彼女の方だからな」

「……彼女、魔物に部類すると思うのですが、町で良くない事を企んでいるのではないでしょうか?」

 メイヴの言葉に、ユウトとメイルは――――

「……」

「……」

 2人で無言になった。

「え? どうかしましたか?」とメイヴの疑問に、

「いや、それはない」 「それはないでしょ」

 同時に声を揃えた。

「どう見ても、彼女は町を楽しんでいるみたいだし――――絶対、何も考えてないわよ」

「で、でも、確認することは大切です。私たちの安易な憶測で町に危険を呼び寄せてはなりません」

「ん? じゃ、直接聞いてくる」とユウトは、セリアを呼び寄せた。

「お前、なんで人間の町に来たかったんだ? いや、たまに他の使徒も町で見かけるけど……」    

「え? 他の人も来てるんですか?」と意外そうなセリア。 彼女は少し、考えて――――

「だって、あんなドラゴンに変身して暴れる人が家にやってきたのですよ? しばらくは安全そうな場所に避難するのが当たり前だと思うのですが……」

「……たしかに」とユウトは納得した。

「そういうわけで、しばらくは町に住もうと思っています。お金は溜めているので大丈夫だと思いますが……このくらいあれば足りますかね?」

 セリアがユウトに見せた袋。 中には金貨が詰まっていた。

「しばらく……と言うよりも一生遊んで暮らせそうな額だぞ。それ……」

「え? そうなんですか?」

「うん、スリとサギには注意しておけよ」とユウトは付け加えた。 

 

 
 
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