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第23話 隠し部屋に首無し騎士がいました
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「ほう……」とアリスの父親 マクレイガー公爵は呟いた。
「本当に、ここに隠し部屋があるのですか?」
屋敷の主であるマクレイガー公爵も知らなかった。
目前には壁。 壁には肖像画が飾られている。
書かれている人物はマクレイガー家の先祖さま。
戦争で多くの武勲をあげて、マクガイヤー家を公爵まで出世させた歴史上の人物である。
「確かに、隠し部屋があるなら私でもここを選びますな」と苦笑気味にマクレイガー公爵。
「いや、隠し部屋の位置は、他にあったけどな」とミゲール。 彼女は公爵本人にも態度が変わることはない……らしい。
「なんと! 流石は宮廷魔法使い。誰も気づかなかった我が家の秘密を暴くとは!」
「暴いた方が称賛されるとは、中々の複雑だぜ」
ミゲールは笑いながら、肖像画の下に魔力を流す。
存在してないと思われた隙間。ごく僅かな隙間でありながら魔力が注入され、部屋の構造が彼女には明らかになった。
「罠はないみたいだぜ。どうやら、何かあった時に脱出するようの通路……かな?」
「安全が確認されましたら、開けてみてください」
「もちろん、公爵の許可がなくともやるつもりだったぜ!」
ご、ごごごごごご……と重い石材が動く音。
隠し部屋が暴かれた。しかし――――
「暗いな。奥まで見えないぜ。松明は用意できるか?」
「はい!」
「……ついてくるつもりか、アリス?」
「もちろん、私の家のことですから」
ミゲールはマクレイガー公爵に確認を取る。
「いいのかい? ご息女がついて来ても? 貴族の隠し部屋というか、隠し通路なんて嫌な歴史を見せる事になるって相場は決まっているんだぜ?」
「止めても、アリスは勝手に入るでしょう。いつか、きっと……ならば、先生と一緒の方が心強くて安心できるというもの」
「ふ~ん、甘やかしながら、厳しい放任主義でもあるのか。貴族さまの教育方針は複雑だな」
「よし、行くか」と松明をもってミゲールは進み、その背中をアリスがついて行く。
すぐに分かれ道。
「ここは、どうしますか?」
「ここは隠し通路だ。 なんのための通路かってわかるか?」
「逃げるためですよね?」
「そうだ。戦争が起きた時に敵兵に屋敷を囲まれたなら……巨大な魔物が暴走して襲い掛かって来たら……あるいは……」
「革命」
「そう……だな」とミゲール。 自ら領土の民衆に攻め込まれる。ない話ではないが、貴族に取ってみれば、想像したくはない話だろう。
「そう考えたら、ここは屋敷の要所。当主の部屋に通じてたり、後はお前の部屋だったりに通じている」
「私の部屋ですか?」
「いや、驚くことじゃないだろ。跡取りを守る仕掛けくらい施されても」
「……あとで、完全に塞がないといけませんね」
「乙女だね。乙女の寝室に出入り可能な通路があると嫌だもんな」
笑いながらミゲールは進んだ。
短時間で頭に叩き込んだ屋敷の見取り図。分かれ道があっても、進むべき道は想定できる。
しばらく、途中で分かれ道をやり過ごして行くと――――
「広間ですか? 隠し通路に?」
アリスの言う通り、広い空間に出た。
「……」とミゲールは考え込むように黙った。
「先生? どうしましたか?」
「お前の先祖、思ったよりヤバイ奴かもしれないな」
「なんです? 急に?」
「この広さ……自分の屋敷に大量の兵士を隠しておくための部屋だ」
「兵士を隠すため……この広さなら軍勢と言った方が良いかもしれませんね」
アリスは神妙な顔に変わった。 彼女も幼いといえ貴族である。
軍勢を隠す意味――――それは、反乱。 国家に反逆する事を想定されて
作られた空間という意味。
「……思う事もたくさんあるだろうが、杖を構えろ。風と水で間取りを見た時に嫌な予感はしたんだ」
「先生?」
「ここは悪いものの吹き溜まり。それが地下で忘れ去られていたんだ……そりゃ、魔物も住み着く」
カシャン、カシャンと異音。 鎧の音だろう……しかし、ただの鎧の音とはどこか違っている。
鎧を身に纏った馬。その馬には首がなかった。
首無し馬。 ならば、その馬に乗った騎士にも首がなくて当然だろう。
所謂――――首無し騎士
死者の魔物でも、冥王と言われる凶悪な部類である。
その手には槍《ランス》。 馬を駆けさすと手にしたランスをミゲールに向かって突き出して来た。
しかし、槍は空振り。ミゲールは飛んで槍を避けると蹴りを放った。しかし――――
「やべぇ。首がない失念してたわ」と彼女の足は何もない空間を蹴った。
「なまじ人間に近い形してるから対人戦闘の感覚で誤差がでるんだよ」
そんな言葉に、首無し騎士は反応する。
「黙れ! 戯言を抜かすな!」
「……は? お前、喋れるのか? 首がないのに」
「我は、気高き騎士なり! 何人たりとも我が領土を汚染する事なかれ!」
「――――ッ!」とミゲールは真摯な顔を見せた。
それから、戦闘の意思を無くしたように構えを解いた。
顔がなくとも、首無し騎士から怪訝な表情をしている事がなんとなく伝わってくる。
「どうした外法の魔法使いめ。我が軍門に下る意思表明か?」
「ん~ 萎えちまった。 お前の正体が分かったからな」
「なに?」
「私は戦わね。お前と戦うのは、コイツ――――私の一番弟子であるアリスだ」
「え? 私ですか?」と突如、呼ばれたアリスは困惑した。
首無し騎士も「我を愚弄するか?」と怒りの表情。顔はないけれども……
「いいか、よく聞け。これからお前の相手をする我が弟子の名前は、アリス……アリス・マクレイガーだ。この意味がお前にもわかるだろう」
「……」と首無し騎士は考え込むように動きを止めた。それから――――
「マクレイガーか……ならば、戦う資格がある者。いいだろう……戦え! アリス・マクレイガー!」
何を納得したのだろうか? 首無し騎士は槍をアリスに向けると、馬を彼女に向けて走らせた。
「本当に、ここに隠し部屋があるのですか?」
屋敷の主であるマクレイガー公爵も知らなかった。
目前には壁。 壁には肖像画が飾られている。
書かれている人物はマクレイガー家の先祖さま。
戦争で多くの武勲をあげて、マクガイヤー家を公爵まで出世させた歴史上の人物である。
「確かに、隠し部屋があるなら私でもここを選びますな」と苦笑気味にマクレイガー公爵。
「いや、隠し部屋の位置は、他にあったけどな」とミゲール。 彼女は公爵本人にも態度が変わることはない……らしい。
「なんと! 流石は宮廷魔法使い。誰も気づかなかった我が家の秘密を暴くとは!」
「暴いた方が称賛されるとは、中々の複雑だぜ」
ミゲールは笑いながら、肖像画の下に魔力を流す。
存在してないと思われた隙間。ごく僅かな隙間でありながら魔力が注入され、部屋の構造が彼女には明らかになった。
「罠はないみたいだぜ。どうやら、何かあった時に脱出するようの通路……かな?」
「安全が確認されましたら、開けてみてください」
「もちろん、公爵の許可がなくともやるつもりだったぜ!」
ご、ごごごごごご……と重い石材が動く音。
隠し部屋が暴かれた。しかし――――
「暗いな。奥まで見えないぜ。松明は用意できるか?」
「はい!」
「……ついてくるつもりか、アリス?」
「もちろん、私の家のことですから」
ミゲールはマクレイガー公爵に確認を取る。
「いいのかい? ご息女がついて来ても? 貴族の隠し部屋というか、隠し通路なんて嫌な歴史を見せる事になるって相場は決まっているんだぜ?」
「止めても、アリスは勝手に入るでしょう。いつか、きっと……ならば、先生と一緒の方が心強くて安心できるというもの」
「ふ~ん、甘やかしながら、厳しい放任主義でもあるのか。貴族さまの教育方針は複雑だな」
「よし、行くか」と松明をもってミゲールは進み、その背中をアリスがついて行く。
すぐに分かれ道。
「ここは、どうしますか?」
「ここは隠し通路だ。 なんのための通路かってわかるか?」
「逃げるためですよね?」
「そうだ。戦争が起きた時に敵兵に屋敷を囲まれたなら……巨大な魔物が暴走して襲い掛かって来たら……あるいは……」
「革命」
「そう……だな」とミゲール。 自ら領土の民衆に攻め込まれる。ない話ではないが、貴族に取ってみれば、想像したくはない話だろう。
「そう考えたら、ここは屋敷の要所。当主の部屋に通じてたり、後はお前の部屋だったりに通じている」
「私の部屋ですか?」
「いや、驚くことじゃないだろ。跡取りを守る仕掛けくらい施されても」
「……あとで、完全に塞がないといけませんね」
「乙女だね。乙女の寝室に出入り可能な通路があると嫌だもんな」
笑いながらミゲールは進んだ。
短時間で頭に叩き込んだ屋敷の見取り図。分かれ道があっても、進むべき道は想定できる。
しばらく、途中で分かれ道をやり過ごして行くと――――
「広間ですか? 隠し通路に?」
アリスの言う通り、広い空間に出た。
「……」とミゲールは考え込むように黙った。
「先生? どうしましたか?」
「お前の先祖、思ったよりヤバイ奴かもしれないな」
「なんです? 急に?」
「この広さ……自分の屋敷に大量の兵士を隠しておくための部屋だ」
「兵士を隠すため……この広さなら軍勢と言った方が良いかもしれませんね」
アリスは神妙な顔に変わった。 彼女も幼いといえ貴族である。
軍勢を隠す意味――――それは、反乱。 国家に反逆する事を想定されて
作られた空間という意味。
「……思う事もたくさんあるだろうが、杖を構えろ。風と水で間取りを見た時に嫌な予感はしたんだ」
「先生?」
「ここは悪いものの吹き溜まり。それが地下で忘れ去られていたんだ……そりゃ、魔物も住み着く」
カシャン、カシャンと異音。 鎧の音だろう……しかし、ただの鎧の音とはどこか違っている。
鎧を身に纏った馬。その馬には首がなかった。
首無し馬。 ならば、その馬に乗った騎士にも首がなくて当然だろう。
所謂――――首無し騎士
死者の魔物でも、冥王と言われる凶悪な部類である。
その手には槍《ランス》。 馬を駆けさすと手にしたランスをミゲールに向かって突き出して来た。
しかし、槍は空振り。ミゲールは飛んで槍を避けると蹴りを放った。しかし――――
「やべぇ。首がない失念してたわ」と彼女の足は何もない空間を蹴った。
「なまじ人間に近い形してるから対人戦闘の感覚で誤差がでるんだよ」
そんな言葉に、首無し騎士は反応する。
「黙れ! 戯言を抜かすな!」
「……は? お前、喋れるのか? 首がないのに」
「我は、気高き騎士なり! 何人たりとも我が領土を汚染する事なかれ!」
「――――ッ!」とミゲールは真摯な顔を見せた。
それから、戦闘の意思を無くしたように構えを解いた。
顔がなくとも、首無し騎士から怪訝な表情をしている事がなんとなく伝わってくる。
「どうした外法の魔法使いめ。我が軍門に下る意思表明か?」
「ん~ 萎えちまった。 お前の正体が分かったからな」
「なに?」
「私は戦わね。お前と戦うのは、コイツ――――私の一番弟子であるアリスだ」
「え? 私ですか?」と突如、呼ばれたアリスは困惑した。
首無し騎士も「我を愚弄するか?」と怒りの表情。顔はないけれども……
「いいか、よく聞け。これからお前の相手をする我が弟子の名前は、アリス……アリス・マクレイガーだ。この意味がお前にもわかるだろう」
「……」と首無し騎士は考え込むように動きを止めた。それから――――
「マクレイガーか……ならば、戦う資格がある者。いいだろう……戦え! アリス・マクレイガー!」
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