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チョーカ-

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第32話 戦いとコカトリス料理

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 コカトリス─── 巨大な鶏と想像して見るとイメージが簡単だろう。

 巨大な鶏。 背中には悪魔のような黒い羽根が生えている。

 そして、尻尾はドラゴンのように太い。 爬虫類の尻尾だ。

 モンスターの種類としては不明。

「小型のドラゴンではないか?」と言う研究者もいる。

 よく類似である『バズリスク』と混同されるが、その理由は強力な石化攻撃だろう。

「ご覧の通り、これがコカトリスだ。今回のターゲットは普通の個体よりもデカいぞ」

 うん! 人間サイズのニワトリって絶対に強いよな。

 ニワトリの顔って、よく見ると狂暴そうな顔立ちしてるもんな。

 なんて言うか、猛獣って感じよ。むしろ、恐竜だよな?

 禍代たむ『ちょっと! 私、これと比べられてたの??? 怪獣じゃん!』

 ────コメント欄でクレームが流れてきたが、見なかったことにしよう。

 それに、たむさん本人が自分で比べただけだ。俺は、何も言っていない……はず。

禍代たむ『ちょっと! 無視しないでよ!』

 俺は誤魔化すように────

「ちょっと、戦闘中は集中するからコメントが読めなくなるぜ!」

 そう言って戦闘を開始した。

 コカトリスは羽根を広げて威嚇してくる。 まるで戦うためのニワトリ、軍鶏のように戦意が増々だ。

 俺が構えると同時に、ニワトリ……いや、違った。 コカトリスは飛び掛かって来た。 

 一気に間合いを詰めて、俺の頭上を取った。

「跳び蹴り……と言うべきか?」

 鋭い蹴爪。 連続して蹴り落としてくる。

 防御力の高い防具───例えば、鋼鉄の鎧でも切り裂くほど鋭利な蹴りだ。

 もしも、俺の鍛錬が未熟だったら、腕も切り裂かれていたかもしれない。

 幸い、俺の剛腕は耐え抜いた。 傷もなし。

「ずいぶんと速い連続攻撃だな。いや、蹴りは囮か?」

 俺の読み通り、本命は嘴《くちばし》だったようだ。 鋭い嘴での刺突が俺に襲って来る。 

「───っ! 痛っ!」と腕に嘴が突き刺さった。 

 コイツ等の特徴と言えばなんだ? そう、石化攻撃だ。

『あっ! ライガの腕が!』

『石になって……やべぇじゃん!』

『対策は、対石化ポーションか、浄化魔法だけだぞ』

だが、俺の腕は無事だった。 突かれた部分が石化したが、逆再生のように生身に戻っていく。

「大丈夫、俺の体は状態異常の全てに耐性がある。 時間と共に無効化されるんだぜ」

 俺の言葉に多くの視聴者は納得して────

『そうなんだ』

『危っ! びっくりした』

 ───とコメントを送ってくれるが、一部の同業らしき人たちからは、

『はぁ!? 無効化って言うか巻き戻ったみたいに見えたけど!』

『え? そんな全耐性って存在してるの?』

『何それ、知らん。怖っ!』 
 
 ────こんな具合に困惑していた。 

「すまん。これ以上は、詳しくは言えない。企業秘密ってやつだぜ」

 それ以上にビックリして、困惑しているのは、対面のコカトリスだろう。

 必殺の嘴攻撃。それに伴う石化効果。 それが無効化されたわけだからな。

 膠着したコカトリスの首筋を狙って攻撃。 手刀を叩き込む!

 まるで岩のように堅い防御力。 だが───

「効果はあり」

 コカトリスは、痛みに耐えられずに雄たけびを上げる。

「痛みでは、その強い闘志が削れないか。だったら、来い!」

 挑発。 それに応じてコカトリスは嘴を開いた。 

 俺の首を食らい付くように攻めてきた。 

 ならば、カウンター! 嘴を避けると同時に、その喉元に拳を叩き込む。

 続けて、狙うのは鳥類系モンスター共通の弱点───つまりは、羽の付け根。

 素早く打撃を叩き込む事で、関節を破壊する。

「これで終わりだ!」

 俺は、その頭部を掴む。 そのまま、投げ飛ばす。

 地面に向けて、掴んだ顔面を叩きつけた。

 もうコカトリスは動かない。 瘴気を出して、消滅していった。

 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・

「さて、残ったアイテムは……毒袋か。 肉は? よし! 肉が残ってるぞ!」

 それから、それから……おっと!

「た、卵だ! 肉と卵……これは、あの料理を作るしかない!」

 まずは卵……これは水を茹でてる鍋に投入。 ゆで卵を作ります!

 卵を茹でてる間に、鶏肉(コカトリス)を切って、塩コショウを降りかける。

 そして、肉を溶いた卵にぺちゃぺちゃと付けて……片栗粉をまぶします。

「ほい! フライパンに熱した油。 ぱちぱちと沸騰……160℃くらいになったな。肉を投下! 真似する時は、火傷に注意してくれよな!」

『誰が真似するねん!』とツッコミを受けている間、油から肉を取り出して……少し待つ。 5分くらいしたら、もう一度油に入れる。

 二度揚げってやつだ

 その間にソースを作る。

「茹でた卵の殻を外して……ボウルの中に入れる。それに微塵切りしたらっきょを入れて……」

 さらに、

「マヨネーズをいれま~す!」と続いて───

「甘酢をいれま~す!」 

 それからグルグルと混ぜる。

「余った時間で……グルグ───」

『また有名女性VTuberの物真似しようとしてる?』 
  
「───あっ、な、なんでもないぜ」と俺はコメント欄から目を反らした。
 
 できたソースを、揚げた鶏肉に付けて───

「完成だ! コカトリスのチキン南蛮だ!」
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