皇兄は艶花に酔う

鮎川アキ

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第8話

8-8+

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 視線を搦めた雄は陶然と丹唇をほころばせ、甘やかな声音で紡ぐ。
「はい、仁瑶様。あなたの翠玲に、どうか尽くさせてくださいませ」
「~~ッ」
 くちびるが双珠を食んだ。
 思いもよらない場所への口淫を制するよりも早く、官能が全身を蝕んでいく。
 喉奥で呼吸がはじけ、弓なりに跳ねた躰が牀榻を揺らした。
「ああ……っ、ぁ、ッく、うぅん……っ」
 囁きとともに双珠を舌で転がされ、やわやわと甘噛みされる。
 ふくらんだ感触を楽しむかのように幾度も吸いつかれると、そのたびに恭悦がせぐりあがってきた。
「かわいい仁瑶様、ここが感じるのですね?」
「ひぁッ、ぁ、あ……ッン、ん、ッあああ……っ」
 身をよじった仁瑶の反応に、翠玲は嬉しそうに愛撫を続けてくる。
 くちびると指とで散々乱され、仁瑶は息も絶え絶えに喘いだ。
「す、翠玲、も、ぅ、――ッ!?」
 やめてくれ、と言いかけたところで、舌先が双珠のさらに下をたどった。
 唐突に快感が爆ぜ、眼裏が真っ白になる。
「ぁ、あ……っ?」
 全身がびりびりと痺れるような感覚がして、仁瑶は惑乱したまま言葉にならない声で啼いた。
 その間にも、翠玲の舌は過敏な皮膚を舐めとろかしていく。そうして、唾液を纏った舌が後蕾に触れた時、仁瑶は腹の奥が切なくうずくのを感じた。
 痙攣する下肢をなだめるように、くちびるが窄まりに吸いつく。もうずっと濡れそぼっていたのだろう花襞を慰撫するかのように、翠玲は襞の一つひとつに舌を這わせてきた。
「あぅ、っぁ、あ」
 花芯を愛されていた時よりも強い快感に襲われ、こうされたかったのだと思い知る。
 下邪種である以上、仁瑶はどうしたって雌の悦びを求めてしまうのだ。男としての矜恃を忘れたわけではないのに、おのれを支配する雄に組み敷かれ、骨の髄まで貪られたい――愛されたい慾に抗うことができない。
「すいれ、ぇ……っ翠玲、はやく、っ、はやく、なか……っ」
 重ねた衣に爪をたてて啼く。
 駄々をこねる子供のように首を振った仁瑶に、翠玲はやさしく頷く。
「わかっております。なかがお寂しいのですよね」
 言うや否や、腰を持ちあげられる。あ、と思った瞬間には、ぬるついた舌が花襞に押しつけられていた。
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