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第十五章 神の軍勢からの手紙
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ワイ達へなちょこでヘンテコなパーティーは、<ラベンダー山>を越えて<ラベンダー湿原>を通過、<ラベンダー山脈>を迂回してドワーフの洞窟を目指す。
湿原は、前回とは違ってほとんどモンスターがいなかった。
<ブルードラゴン>を倒して<ラベンダー山>を破壊したからなのか、霧もなく見晴らしもよく、<ミニブルードラゴン>もいなかった。
「結果論だが、前回の遠征が成功だったということか。」
カルドンが後ろで自慢げにグラジオラスに語る。
グラジオラスは何を理解しているのか、さすがです、マスター。と言っている。
「だーかーらー!ウチが勇者を守るからダリアはモンスターを倒してればいいの!」
目の前では、戦闘の方法についてダリアとローゼルが言い合いをしていた。
「嫌なのだ!ダリアはタローと離れたくないからローゼルがモンスターと戦えばいいのだ!」
「なんか、また賑やかになってきたね。」
隣でヒゴタイが微笑む。
ヒゴタイはアヤメと長らく旅をしていたと聞いたことがあった。
アヤメ…
見た目はギャルっぽかったけど、控えめな性格でいつもみんなの後ろにいて、なのに戦いではしっかりと活躍をしてくれていたっけ。
ずっとワイのことを好きでいてくれた…
スカーレットもチーゼルもワイと関わったせいで死んだ。
もしもこれからも、グラジオラスやカルドン、ローゼルにヒゴタイがワイのせいで死ぬとしたら…
ワイは1人で神の村へ向かった方がいいんじゃないのか?
「太郎ちゃんまた変なこと考えてる。」
隣のヒゴタイに注意される。
最近自分の身の振り方を考えていると、それを見透かしたかのようにヒゴタイに注意される。
「自分1人でとか考えてたでしょ?」
「それはダメなのだ!」
ヒゴタイの言葉に前にいたダリアが振り返りながら言う。
「そうだよ。ウチらはみんな勇者について行くって決めたんだから!」
ローゼルもワイに怒る。
嬉しい限りだ。
最後にカルドンに肩をポンと叩かれて、そういうことだ。と言われてしまった。
「さ。先を急ごう?」
ヒゴタイが笑顔で言う。
●
<ラベンダー湿原>を抜けると、目の前に大きな山々が見えてきた。
<ラベンダー山脈>だ。
「ここの山脈の東側に<ドワーフの洞窟>があるらしい。俺達は西側のみかん町で食糧とかを補給する。」
カルドンが皆に言う。
ワイ達は、人間以外の他の種族を味方につけつつ、<神の村>を目指す。
りんご市から討伐隊が出ているからだろうか?
強敵に会わずに山脈へとたどり着いた。
山脈の一部からは水が流れているのか、大きな川となっている。
この川が<レモングラス川>と呼ばれており、川を渡る橋や船はないらしい。
「この川は、<レモングラスの森>の脇を通っていて、そのまま<レモングラスの海>に繋がっているらしい。」
カルドンが地図を見ながら説明してくれる。
カルドンの説明によると、その川が山脈の途中で細くなっているらしく、そこから川を渡って山脈の脇を通りながら、<ラベンダー砂漠>へと入るらしい。
砂漠を東に向かうと山脈があり、山脈の向こう側には<ドワーフの洞窟>が、砂漠の西側には平野があり、その先にみかん町がある。
砂漠の北は川、南は草原となっている。
「みかん町で新しい地図を買わないとな。」
カルドンが言うには、ここら一帯はもう持っている地図では載っていないらしい。
「お金もないし、モンスター退治の依頼をすることになるかもしれないけどいい?」
ローゼルがワイとダリアに訊いてくる。
ダリアが魔族だと知ってから、みんなモンスターと戦う度に聞いてくれる。
嬉しいが、そこまで神経質にならなくてもとも思う。
何度も言っているのだが、慣れるまでは時間がかかりそうだ。
「ぐるる…」
<レッドドラゴン>の子供が威嚇した。
もう袋にはなかなか入らなくてなっている。
一応竜騎士という職業があるから、ドラゴンを連れても問題ないらしい。
だから今は空を自由に飛ばしている。
そんなドラゴンが前方に向かって威嚇した。
「む。ティムがモンスターを発見したようだ。」
カルドンが言うティムとは、ドラゴンの名前だ。
もちろんカルドンが名付けた。
目の前に<ラベンダースコーピオン>が現れた。
「いきましょう!」
みんなに確認される前にワイが全員に号令を出す。
<ラベンダースコーピオン>は、その名の通りサソリと同じ姿をしていた。
両手にハサミを持ち、明らかに毒がありそうな尾を持っている。
大きさは人間と同じくらいなので、巨大なサソリといった印象だ。
「毒消しが効くか分からん、尾の針には注意しろ。」
カルドンがみんなに注意を促す。
ローゼルが遠くから弓矢を打つ。
最近はローゼルの矢の命中率がかなり向上している。
――!
サソリは驚く早さで矢を避けた。
「早いのだ!」
パンチを仕掛けようとしたダリアが呆気に取られた。
「ダリア!素手じゃ不利だし危険だ。一旦下がれ!」
ワイがダリアにそう指示を出した瞬間、サソリがダリアを襲う。
間一髪、針は避けたもののハサミで腕を切り裂かれる。
ダリアの腕から真っ赤な血が噴き出る。
「俺がやろう。」
ヒゴタイが<リカバリー>の魔法を唱えようするのを制止して、カルドンが進み出る。
「我らを守りし女神さま。その呼び声に応え給え。我が精神力を媒介にその子らに祝福を。」
長ったらしい詠唱の後に回復魔法でダリアの傷を治した。
ヒゴタイは、<スピード>の魔法で味方みんなの素早さをアップさせた。
ローゼルが提案した、戦力の底上げが見る見る出来ている。
カルドンは<リカバリー>を覚えたし、グラジオラスも<風の刃>を習得している。ローゼルは地面系の魔法をいくつか覚え、ヒゴタイも<プロテクト>を習得した。
更にグラジオラスの魔力は確実に上がってきている。
<フレア>が使える程ではないにしろ、<ファイア>一発で空になることは無くなった。
「もう少し魔力が増えれば、<風の刃>なら打てそうです。」
と前にカルドンに報告もしていたな。
ティムがサソリに向かって火球を吐く。
もうティムはブレス攻撃を少しずつ覚えていた。
火球がサソリに当たり、さらにグラジオラスの<ファイア>が炸裂した。
サソリが止まった場所にピッタリと火を付けた。
「留めは任せな!」
ローゼルが矢を放つとサソリは動かなくなった。
最近、ワイたちの連携もかなり順調だ。
砂漠を西に進んで<ラベンダー平野>へとたどり着く。
みかん町はもう目の前だ。
思った以上に順調な旅だった。
しかし順調な旅はそこで終わりを告げた。
●
平野でも特に強力なモンスターには出会わなかったが、その代わりにりんご市から派遣されたであろう討伐隊と遭遇した。
ワイ達は勇者一行ということになっているので、それ自体は問題ないのだが、問題はティムの存在だ。
「それは、この前討伐したドラゴンの子供ではないのか?」
元々、魔族を戦闘中に扱う魔物使いや竜騎士、ドラゴン使いなどはあまりいい評価を受けていなかった。
それが今回、魔族と人族が本格的に敵対したことで魔族全てを敵とする認識が出来上がっている。
戦いだろうと何だろうと、魔族を連れ歩く行為は、魔族と友好関係を築いていると思われ、人間社会から敵対者として見られてしまうのだ。
「魔族を滅ぼすために、ドラゴンを研究しています。何が弱点か、どういった生体なのか、毒は有効なのかなどを調べています。」
カルドンが咄嗟に嘘をついてくれて、なんとかその場は対処したが、これからはティムを連れて街に入るのは避けた方が良さそうだ。
「俺は街の外で野営しているので、飯とかの調達をお願いできますか?」
ワイがカルドンにお願いした。念のための護衛としてヒゴタイが一緒に残ってくれた。
ヒゴタイと一緒に野営の準備をした。
ティムは空高く飛んで勝手に見張りをしてくれている。
少し時間が空いたワイは、チーゼル達が倒されたところに落ちていた手紙を取り出して読むことにした。
●
親愛なる勇者へ
この手紙が君の手に渡るということは、君の仲間が数人我々神の軍勢の手によって倒されたからだろう。
我々神の軍勢が君勇者に要求することは1つだけ。
神の村へ来て魔族を滅ぼす契約を結ぶこと、ただそれのみだ。
要求を断るのであれば、君たち一行は敵だと見なし、我々神の軍勢は勇者一行を攻撃する。
君たちの動向が、神の村へ来ている限りは我々神の軍勢は君たちに危害は加えない。
最後に、人間たちをあまり信用してはならない。
●
人間を信用してはならない?どういうことだ?
ワイ達は今、<神の村>に向かっているから、敵対しているようには見られないだろう。
<神の軍勢>から攻撃される危険性は無くなったわけだ。
「太郎。飯を買ってきたぞ。」
カルドンが焼きそばを持って来てくれた。
「依頼も受注してきたのだ。みんなで今日は野営だからタローが寂しがることはないぞ。」
ダリアが言うが、寂しがるのはダリアの方だろうよ。
「僕が隣にいるから太郎ちゃんが寂しがることはないもん。」
ヒゴタイが両腕をワイの首に回してくる。
胸がないのが悲しい。
「アホなことやってないで、ご飯食べたら見張り立てて寝るよ。」
ローゼルがワイの頭を小突いた。
また、いつも通りの日常が戻りつつあった。
《依頼内容》
・ラベンダースコーピオン5匹の討伐 赤 10銀
何もなければハーレムルートだったんだけど、そこまで都合よく進むわけないか。
今はダリア・ローゼル・ヒゴタイの3人に好かれるだけでいいか。
夕焼けが平野の大地を赤く染めあげた。
全員の顔が赤く染まった。
みんなは街でゆっくり休むことも出来るのに、わざわざワイと野営をしてくれる。
少しでも一緒にいてくれるその気持ちが心強かった。
夕焼けで顔が赤く染まっているからバレていないけど、もしかしたら今のワイの頬は、照れで赤く染まっていたかもしれない。
転生する前は、こうやって仲間を信頼したり仲間のおかげで心強く感じたことはなかったな。
人間を信じるなと言われても、やっぱりワイはこの仲間を信用したい。
夕焼けはすぐに夜に代わり、少しずつ日が落ちていった。
湿原は、前回とは違ってほとんどモンスターがいなかった。
<ブルードラゴン>を倒して<ラベンダー山>を破壊したからなのか、霧もなく見晴らしもよく、<ミニブルードラゴン>もいなかった。
「結果論だが、前回の遠征が成功だったということか。」
カルドンが後ろで自慢げにグラジオラスに語る。
グラジオラスは何を理解しているのか、さすがです、マスター。と言っている。
「だーかーらー!ウチが勇者を守るからダリアはモンスターを倒してればいいの!」
目の前では、戦闘の方法についてダリアとローゼルが言い合いをしていた。
「嫌なのだ!ダリアはタローと離れたくないからローゼルがモンスターと戦えばいいのだ!」
「なんか、また賑やかになってきたね。」
隣でヒゴタイが微笑む。
ヒゴタイはアヤメと長らく旅をしていたと聞いたことがあった。
アヤメ…
見た目はギャルっぽかったけど、控えめな性格でいつもみんなの後ろにいて、なのに戦いではしっかりと活躍をしてくれていたっけ。
ずっとワイのことを好きでいてくれた…
スカーレットもチーゼルもワイと関わったせいで死んだ。
もしもこれからも、グラジオラスやカルドン、ローゼルにヒゴタイがワイのせいで死ぬとしたら…
ワイは1人で神の村へ向かった方がいいんじゃないのか?
「太郎ちゃんまた変なこと考えてる。」
隣のヒゴタイに注意される。
最近自分の身の振り方を考えていると、それを見透かしたかのようにヒゴタイに注意される。
「自分1人でとか考えてたでしょ?」
「それはダメなのだ!」
ヒゴタイの言葉に前にいたダリアが振り返りながら言う。
「そうだよ。ウチらはみんな勇者について行くって決めたんだから!」
ローゼルもワイに怒る。
嬉しい限りだ。
最後にカルドンに肩をポンと叩かれて、そういうことだ。と言われてしまった。
「さ。先を急ごう?」
ヒゴタイが笑顔で言う。
●
<ラベンダー湿原>を抜けると、目の前に大きな山々が見えてきた。
<ラベンダー山脈>だ。
「ここの山脈の東側に<ドワーフの洞窟>があるらしい。俺達は西側のみかん町で食糧とかを補給する。」
カルドンが皆に言う。
ワイ達は、人間以外の他の種族を味方につけつつ、<神の村>を目指す。
りんご市から討伐隊が出ているからだろうか?
強敵に会わずに山脈へとたどり着いた。
山脈の一部からは水が流れているのか、大きな川となっている。
この川が<レモングラス川>と呼ばれており、川を渡る橋や船はないらしい。
「この川は、<レモングラスの森>の脇を通っていて、そのまま<レモングラスの海>に繋がっているらしい。」
カルドンが地図を見ながら説明してくれる。
カルドンの説明によると、その川が山脈の途中で細くなっているらしく、そこから川を渡って山脈の脇を通りながら、<ラベンダー砂漠>へと入るらしい。
砂漠を東に向かうと山脈があり、山脈の向こう側には<ドワーフの洞窟>が、砂漠の西側には平野があり、その先にみかん町がある。
砂漠の北は川、南は草原となっている。
「みかん町で新しい地図を買わないとな。」
カルドンが言うには、ここら一帯はもう持っている地図では載っていないらしい。
「お金もないし、モンスター退治の依頼をすることになるかもしれないけどいい?」
ローゼルがワイとダリアに訊いてくる。
ダリアが魔族だと知ってから、みんなモンスターと戦う度に聞いてくれる。
嬉しいが、そこまで神経質にならなくてもとも思う。
何度も言っているのだが、慣れるまでは時間がかかりそうだ。
「ぐるる…」
<レッドドラゴン>の子供が威嚇した。
もう袋にはなかなか入らなくてなっている。
一応竜騎士という職業があるから、ドラゴンを連れても問題ないらしい。
だから今は空を自由に飛ばしている。
そんなドラゴンが前方に向かって威嚇した。
「む。ティムがモンスターを発見したようだ。」
カルドンが言うティムとは、ドラゴンの名前だ。
もちろんカルドンが名付けた。
目の前に<ラベンダースコーピオン>が現れた。
「いきましょう!」
みんなに確認される前にワイが全員に号令を出す。
<ラベンダースコーピオン>は、その名の通りサソリと同じ姿をしていた。
両手にハサミを持ち、明らかに毒がありそうな尾を持っている。
大きさは人間と同じくらいなので、巨大なサソリといった印象だ。
「毒消しが効くか分からん、尾の針には注意しろ。」
カルドンがみんなに注意を促す。
ローゼルが遠くから弓矢を打つ。
最近はローゼルの矢の命中率がかなり向上している。
――!
サソリは驚く早さで矢を避けた。
「早いのだ!」
パンチを仕掛けようとしたダリアが呆気に取られた。
「ダリア!素手じゃ不利だし危険だ。一旦下がれ!」
ワイがダリアにそう指示を出した瞬間、サソリがダリアを襲う。
間一髪、針は避けたもののハサミで腕を切り裂かれる。
ダリアの腕から真っ赤な血が噴き出る。
「俺がやろう。」
ヒゴタイが<リカバリー>の魔法を唱えようするのを制止して、カルドンが進み出る。
「我らを守りし女神さま。その呼び声に応え給え。我が精神力を媒介にその子らに祝福を。」
長ったらしい詠唱の後に回復魔法でダリアの傷を治した。
ヒゴタイは、<スピード>の魔法で味方みんなの素早さをアップさせた。
ローゼルが提案した、戦力の底上げが見る見る出来ている。
カルドンは<リカバリー>を覚えたし、グラジオラスも<風の刃>を習得している。ローゼルは地面系の魔法をいくつか覚え、ヒゴタイも<プロテクト>を習得した。
更にグラジオラスの魔力は確実に上がってきている。
<フレア>が使える程ではないにしろ、<ファイア>一発で空になることは無くなった。
「もう少し魔力が増えれば、<風の刃>なら打てそうです。」
と前にカルドンに報告もしていたな。
ティムがサソリに向かって火球を吐く。
もうティムはブレス攻撃を少しずつ覚えていた。
火球がサソリに当たり、さらにグラジオラスの<ファイア>が炸裂した。
サソリが止まった場所にピッタリと火を付けた。
「留めは任せな!」
ローゼルが矢を放つとサソリは動かなくなった。
最近、ワイたちの連携もかなり順調だ。
砂漠を西に進んで<ラベンダー平野>へとたどり着く。
みかん町はもう目の前だ。
思った以上に順調な旅だった。
しかし順調な旅はそこで終わりを告げた。
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平野でも特に強力なモンスターには出会わなかったが、その代わりにりんご市から派遣されたであろう討伐隊と遭遇した。
ワイ達は勇者一行ということになっているので、それ自体は問題ないのだが、問題はティムの存在だ。
「それは、この前討伐したドラゴンの子供ではないのか?」
元々、魔族を戦闘中に扱う魔物使いや竜騎士、ドラゴン使いなどはあまりいい評価を受けていなかった。
それが今回、魔族と人族が本格的に敵対したことで魔族全てを敵とする認識が出来上がっている。
戦いだろうと何だろうと、魔族を連れ歩く行為は、魔族と友好関係を築いていると思われ、人間社会から敵対者として見られてしまうのだ。
「魔族を滅ぼすために、ドラゴンを研究しています。何が弱点か、どういった生体なのか、毒は有効なのかなどを調べています。」
カルドンが咄嗟に嘘をついてくれて、なんとかその場は対処したが、これからはティムを連れて街に入るのは避けた方が良さそうだ。
「俺は街の外で野営しているので、飯とかの調達をお願いできますか?」
ワイがカルドンにお願いした。念のための護衛としてヒゴタイが一緒に残ってくれた。
ヒゴタイと一緒に野営の準備をした。
ティムは空高く飛んで勝手に見張りをしてくれている。
少し時間が空いたワイは、チーゼル達が倒されたところに落ちていた手紙を取り出して読むことにした。
●
親愛なる勇者へ
この手紙が君の手に渡るということは、君の仲間が数人我々神の軍勢の手によって倒されたからだろう。
我々神の軍勢が君勇者に要求することは1つだけ。
神の村へ来て魔族を滅ぼす契約を結ぶこと、ただそれのみだ。
要求を断るのであれば、君たち一行は敵だと見なし、我々神の軍勢は勇者一行を攻撃する。
君たちの動向が、神の村へ来ている限りは我々神の軍勢は君たちに危害は加えない。
最後に、人間たちをあまり信用してはならない。
●
人間を信用してはならない?どういうことだ?
ワイ達は今、<神の村>に向かっているから、敵対しているようには見られないだろう。
<神の軍勢>から攻撃される危険性は無くなったわけだ。
「太郎。飯を買ってきたぞ。」
カルドンが焼きそばを持って来てくれた。
「依頼も受注してきたのだ。みんなで今日は野営だからタローが寂しがることはないぞ。」
ダリアが言うが、寂しがるのはダリアの方だろうよ。
「僕が隣にいるから太郎ちゃんが寂しがることはないもん。」
ヒゴタイが両腕をワイの首に回してくる。
胸がないのが悲しい。
「アホなことやってないで、ご飯食べたら見張り立てて寝るよ。」
ローゼルがワイの頭を小突いた。
また、いつも通りの日常が戻りつつあった。
《依頼内容》
・ラベンダースコーピオン5匹の討伐 赤 10銀
何もなければハーレムルートだったんだけど、そこまで都合よく進むわけないか。
今はダリア・ローゼル・ヒゴタイの3人に好かれるだけでいいか。
夕焼けが平野の大地を赤く染めあげた。
全員の顔が赤く染まった。
みんなは街でゆっくり休むことも出来るのに、わざわざワイと野営をしてくれる。
少しでも一緒にいてくれるその気持ちが心強かった。
夕焼けで顔が赤く染まっているからバレていないけど、もしかしたら今のワイの頬は、照れで赤く染まっていたかもしれない。
転生する前は、こうやって仲間を信頼したり仲間のおかげで心強く感じたことはなかったな。
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