勇者は発情中

shiyushiyu

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断章 狙われた助態

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 デスキングキャッスルへはすぐにたどり着いた。

 道なりに真っすぐ進むだけだった。

「じゃあ、いくぞ」

 ゴクリと生唾を飲んでからヌルヌルが助態に言う。

 隣の助態がコクリと頷いたら、ヌルヌルが城の取っ手に手を掛けようとした――

「入るがよい」

 デスキングの大きな声が響き渡り、ヌルヌルが取っ手に触れる前に城のドアが開いた。

 ギギィーという大きな音を響かせながらドアはゆっくりと開き、城の中が露わになった。

 ドアを通るとすぐに広間があり、中央の巨大な椅子にデスキングが座っていた。

 隣には気の強そうな女が立っていた。

「改めて名乗ろう。ワシがデスキングじゃ。サマージョオ」

 助態とヌルヌルの顔を見るや否やデスキングはそう言葉を発した。

 サマージョオとは、隣の女の事だろうと助態とヌルヌルは予想し、何かされるのかもしれないと身構えた。

 しかし2人は同時に助態とヌルヌルをそれぞれ指さしただけだった。

 デスキングは助態を指さし、サマージョオはヌルヌルを指さした。

「うむ」

 デスキングがそう言った瞬間、助態はデスキングに、ヌルヌルはサマージョオによってそれぞれ別の部屋へと連れ去られてしまった。

 身構えていたというのに、あっさりとやられてしまったのだ。

 ●

 助態はデスキングと2人きりで大きな部屋に居た。

「お主が勇者か。この死の国の者でもなく、更には生の国の者でもない人間だそうじゃな」

 何が起きたのか分からない助態に対して、デスキングが確認するように問う。

「あ、あの。はい……助態と言います」

「ふむ。お主、なかなかのイケメンじゃのぅ。さぞかしモテるじゃろうのぅ」

 そう言ってデスキングはじっくりと助態の顔を見た。

「いや、モテるだなんてそんな……」

 実際助態はモテる部類の人間だが、一応ここは謙遜しておいた。この辺りに助態の処世術の深さが伺える。これもモテる要素の1つになっていた。

 しかしデスキングにとっては、助態のその返事はどうでもいいのか、助態がモテようとモテなかろうとどうでもいいのか助態の返事を聞いても返事をせず、しばらくの間まじまじと助態の顔を見ていた。

 しばらく助態の顔を見た後デスキングは再び口を開いた。

「ところで助態よ。セッ●スは好きか?」

「は?」

 唐突の質問に素っ頓狂な声が助態の口から零れ落ちた。

「好きか嫌いかを問うておるのじゃ」

 まだ助態の顔をまじまじと見ながら、デスキングは同じ質問を繰り返した。

「あ、はぁ。まぁ好きですが……」

 その言葉を聞いて、今まで真剣な表情だったデスキングの表情が初めてほころんだ。

「そうじゃろうそうじゃろう。ワシも大好きじゃ」

「はぁ。そうなんですか」

 助態には、質問の意図が全く分からなかった。

「それでは助態よ、オ●ニーは好きか?」

 またまた意図の分からない質問だった。

「え? そうですね。セッ●スほどではないですけど、好きですかね?」

「そうかそうか。しかしお主と旅をしておる仲間はみんなおなごじゃのう。誰かとヤったりしておるのか?」

「いえ、それが全くなんです」

 助態が本当に残念そうに言うと、一瞬デスキングは喜んだように見えた。

 しかしそれは助態の見間違いだったのかもしれない。

「そうか……」

 と言うデスキングの声は、本当に助態を憐れんでいるような言い方だったからだ。

「それでは助態は、ここしばらく抜いておぬということじゃな?」

「そうですね。セッ●スもオ●ニーも全くしていませんね」

も全くしていませんね」

「いいぞ」

 助態の言葉を聞いたデスキングが優しくそう言った。

 助態には、何を言われているのか全く理解できなかった。

 口をポカンとあけたままデスキングの顔を見続けていた。

「しばらく抜いておらんのじゃろ? 溜まっておるじゃろ?」

 さも当然のようにデスキングが言う。

 何を言い出したのかと思えばデスキングは、今この場で助態に自慰をしろと言ったのだった。

「いや。それがですね。確かに抜いてはいませんけど淫魔族のアンアンというやつが俺の性欲だけを吸い取っているんですよ。だから溜まってるか? と聞かれると溜まってないんですよ」

 やや慌てて助態が否定をする。

『何が悲しくてこんなおっさんの目の前でオ●ニーをしなきゃいけねーんだよ』

 そう心の中で毒づいた。

「なんじゃと?」

 ギロリとデスキングが助態を睨む。

 一瞬、助態は自分の心の中を読まれたのかと思った。

 しかし――

「性欲だけを吸い取るだと?」

 けしからん種族だと、デスキングは淫魔族に対して怒っているようだ。

 なんだかよく分からんが、このデスキングは、助態の性欲に対して味方のようだ。

『男しか来たらだめって、そういうことか。女の前では話せないことを話して性欲を発散させてくれるのか』

 と助態は解釈をし、気の強そうな女に連れて行かれたヌルヌルはきっと、あの女と本番をしているのだろうと妄想をしていた。

「それではいいのだな?」

 というデスキングの言葉で助態は妄想から我に返った。

「抜かなくてもよいのだな?」

 助態がちゃんと話を聞いていなかったことを見抜いたデスキングが、同じ質問を繰り返す。

「はい。それはもう大丈夫です」

 自分のことを気遣ってくれていることに、助態は素直に感謝した。

「それでは本題じゃ。お主たちこの世界から抜け出す方法をワシに聞きたい。それで間違いないのじゃな?」

「はい」

 助態ははっきりと答え、真っすぐデスキングの目を見つめた。

「良い表情じゃ。全てを失う覚悟もあるということじゃな?」

 助態がはい。と返事をする前に助態はデスキングに覆いかぶされてしまった。

『なっ、攻撃される?』

 急いで反撃もしくは防御の姿勢を取らないと!そう思った助態が反射的に取った行動は剣の柄に手をかけることだった。

 しかし結果的にこれがマイナスの効果となる。

 デスキングの魔法だろう。

 助態の手が剣の柄から離れなくなった。

 更に反射的にもう片方の手が剣の鞘に手をかけていたため、助態の反対の手は鞘から離れない。

 これも魔法の効果だろうが、剣は鞘から抜けなくなっていた。

 つまり助態は今、両手が剣に固定されて使えないピンチに陥ってしまったのだ。

「ワシの固定魔法は強力じゃろう?」

 ニヤリと笑ってデスキングは剣を上へと持ち上げてその場で、更に固定魔法を使った。

 助態はバンザイした状態のまま身動きまで取れなくなってしまった。

「さぁ、覚悟はいいか?」

 ニヤリと笑うデスキングを見て、助態は拷問されるのだと直感した。

 ●

「ぐあっ、あがっ、もう……殺してくれ……」

「何を言っておるか! この……程度で音を上げおって! まだまだ……これからじゃ!」

 あれから何日が経ったのか助態にはもう分からなかった。

 朦朧とする意識の中で、激しい痛みだけが助態の体を駆け抜ける。

「小休止じゃ」

 そう言って助態は無理やりに水分と食糧を摂らされた。

 目の前には、おぞましい光景が広がっていた。

 ヌルヌルが気の強そうな女によって拷問されている姿だった。

 つまり助態とヌルヌルは、お互いに拷問されている姿を見せつけられているのだ。

「サマージョオ。そいつの様子はどうだ?」

 デスキングが問うと、サマージョオは目を輝かせながら答えた。

「そろそろ限界かと! 爆発しそうですよ!」

 その言葉を聞いて助態は満足そうな表情をした。

「では、この世界から抜け出す方法を教えよう」

 デスキングがこの世界から抜け出す方法を説明しようとし始めた頃、助態はなぜこんな仕打ちを受けているのかを思い返していた。

 始まりは助態が剣によって固定された時。

 助態は酷い拷問を受けるのだと思っていた。助態が受けたもの、いや今も受けている拷問は、およそ助態が想像した拷問とは違っていた。見る人が見れば拷問とは見えないだろう。

 助態はデスキングによって犯されていたのだ。

 何日も何日も……何度も何度も……助態はお尻の穴にデスキングの体液を注ぎ込まれていた。

 助態を剣に固定したデスキングは、この世界から抜け出す方法を知りたければ助態の体を差し出すように言ったのだ。

 体を差し出すということが、助態は拷問をすることだと解釈したが、デスキングいわゆる男色で助態と本番行為をすることを意味していた。

 そうとは知らずに承知してしまった助態は、今の今まで犯され続けていたのだった。

 一方のヌルヌルは、サマージョオが究極のドSであり、別の部屋に連れて行かれた瞬間に洋服をひん剥かれ、下半身をロープで固定され、下半身を何度も何度もビンタされたのだった。

「気持ちいのか? ん? 感じてるのか?」

 などとヌルヌルにとっては嬉しくもない言葉責めまでされていた。

 そして、部屋の壁だと思っていた物は、デスキングがボタンを押すと上へと上がり、お互いの部屋が繋がってしまったのだ。

 こうして助態とヌルヌルは、お互いにある意味拷問されている姿を無理やり見せられながら、自分も拷問を受けていたのだった。

 きちんと見ないと、相手への責めをきつくする。と言われてしまっては、見たくなくとも見るしかなかった。

 助態はデスキングに犯されながらジゴかれ、無理やり出されることもあった。

 一方のヌルヌルは、限界までしごかれてもイチモツを縛られているため、出したくても出せない状態だった。そのため、一度も出していなかった。

「くっ、ヌルヌル……」

「くっ、助態……」

 助態とヌルヌルはお互いにお互いの心配をし合った。

 心配と同時に、みじめで情けないとも思っていた。

「聞いておるのか!」

 デスキングが怒りながら助態に挿入したことで、助態は我に返った。

 同時に激しい痛みを感じ、更には無理やりにシゴかれる。

 その様子を見てサマージョオもヌルヌルに対する責めを再開した。

「うぉぉぉぉぉぉー!」

 ヌルヌルが苦しそうな声を出す。

「もう解放してやってくれ。ヌルヌルが死んじまう」

 助態が懇願すると同時に助態は発射し、デスキングに体液を注がれた。

「もちろんそのつもりだ」

 そう言ってサマージョオは意地悪く笑うと、ヌルヌルの縛っていたロープを解いた。

「極上の快感を味わいな」

 サマージョオはイボイボのついた手袋を装着して、目にも止まらぬ早業でヌルヌルの下半身をシゴき始める。

 何日も出せなかったヌルヌルの下半身はとうに限界を超えており、すぐに爆発して果てた。

「物凄い量が出たの!」

 ヌルヌルの体液を思いっきり浴びている助態を見ながら、デスキングが嬉々として言う。

「ワシもサマージョオも十分満足したことじゃし、この世界から抜け出す方法を説明しよう。かけるがよい」

 巨大なソファーを片手で運び、その辺の石ころでも投げるかのように助態とヌルヌルの近くに放り投げた。

 どうやら本当に地獄は終わったようだ。

 助態とヌルヌルは何か大切な物を失いながらも、ようやくこの世界の抜け出し方を聞き出せるようだ。

「この世界は大きく3つに分かれている」

 そう前置きをしてデスキングは語り始めた。

 ●

 死の国、魔界、地底の3つ。

 死の世界は、デスキングキャッスルから上空へと伸びている長い螺旋階段を登れば抜けられる。

 魔界は人間に恨みを持っているモンスターの世界。

 魔界に着いたらまずは、雷獄の洞窟と呼ばれる洞窟へ向かう。洞窟を抜けると暗闇の森がある。

 森を抜けたら熱砂の砂漠、迷いの森、氷城と進み、城を抜けると安全な世界である地底に出られる。

「一度魔界へ向かえば二度と死の国へと戻ってくることはできぬ。ヌルヌルよ、行くならば覚悟して行け」

 そうデスキングが締めくくった。

「あの!」

 話が終わると、助態がデスキングに声を掛けた。

「なんじゃ? もう少しワシとヤりたいのか?」

 ニヤニヤしながら言われるが、冗談で言ってるように見えないのが怖かった。

「いや。それはもう結構です。教えてくれてありがとうございます。俺たちを襲ってきたあのモンスターは何だったのか分かりますか?」

「あぁ。あやつはメタというモンスターじゃな。いくつかの悪魔魔法を使える上に素早く厄介なモンスターじゃな。危険度はSといったところか」


 ふーむと考えながら言うが、危険度Sのモンスターを一撃で倒したということは、デスキングは相当な強さだということだ。

「そうですか……」

 自分の実力不足を強く痛感した助態は、ペコリと頭を下げて仲間の元へと帰ろうとした。

「ヌルヌルよ。少しだけよいか?」

 デスキングがヌルヌルを呼び止め、何事か話していた。

 死の国に帰れないのに、ヌルヌルは助態たちと一緒に来るのだろうか?

 もしそうならば、デスキングはヌルヌルに何か死の国に戻れるかもしれない方法を教えているのだろうか?

 そんなことを考えていたらヌルヌルがやって来た。

「何かあったの?」

 暗い表情をしていたヌルヌルに声を掛けたが、何でもない。と言われてしまった。

 こうして助態とヌルヌルは大切なものを失いながら仲間の元へと帰って行った。
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