勇者は発情中

shiyushiyu

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第五十エロ お風呂回女バージョン

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「相変わらずちっぱいじゃのう」

 ルブマの体をスポンジで洗いながらちあが笑う。

「ちっ! 胸が小さいのはアーチャーの宿命です!」

「あんた毎回そんなこと言ってるけどほんと全く成長しないんだねぇ」

 隣でもふともがルブマの胸を揉む。

「な、なんてことをするんですか! それにこれでも少しずつ大きくなってるんですから!」

「なんじゃと! それは許さんぞルブマ!」

 その言葉にちあが反応し、よーくルブマの胸を見る。

 その後、安堵の息を吐く。

「大して成長しておらんで安心したのじゃ」

「いくらちあさんでも怒りますよ?」

 ぷーっとルブマが両頬を膨らませる。

「このままだと助態さんを射止められないっすもんね?」

 自分の胸を持ち上げながらぱいおが勝ち誇ったように言う。

「わ、私は別に助態さんのことなど……」

 ルブマが顔を真っ赤にする。

「じゃあウチがこの胸で助態さんを誘惑しても気にしないんすよね?」

 いじわるなことを言いながら、ぱいおがセクシーポーズをとる。

「ななななな何を言ってるんですか! えっちぃのはダメですよ!」

「私もちょっとそーゆーのは嫌いです」

 純純がルブマを庇う。

「小娘には大人の魅力が分からないのよ」

 後ろで長い髪を洗いながらくびちが言う。

「大人の魅力ですか?」

 純純がくびちの顔を見ながらキョトンとする。

「色気とかそーゆーのよ」

 くびちの隣でアンアンが説明し、ぱいおを指さす。

「ある意味あれも魅力の1つよ」

「あれって何すか!」

 でかい胸をゆさゆさ揺らしながら、ぱいおがアンアンに怒る。

 相変わらず下の毛がツルツルで助態好みだろうと、アンアンは思った。

「にしてももふともさんは相変わらずボーボーっすね」

 もふともの下半身を見ながらぱいおが、ことさら自分の下半身を強調する。

「アタイは自然のままでいいんだよ。アンタは変態さに更に磨きがかかってないかい?」

 呆れ顔でもふともが言う。

「何言ってるんすか! ウチはいつでもど変態っす。助態さんがいる時はこれでもセーブしてるんすよ?」

 エッヘンと胸を張るぱいおを見て、もふともはがっくりと項垂れた。

「それよりもあなた」

 くびちがあなたと言ってもふともを呼ぶ。

「ヌルヌルと助態のどちらを選ぶつもりでいるの?」

「ど、どっちって何だよどっちって」

 唐突な質問に明らかにもふともは動揺していた。

「何を動揺してるんだい?」

 ティーパンも興味津々だ。

「意外っすね。ティーパンさんってこーゆー話し興味なさそうなんすけど」

 ティーパンの入ってる湯舟にぱいおも入る。

「別に。私だって女だからね?」

「戦いにしか興味がないのかと思ってたっす」

 ハハハと笑いながら、全員の思っていることをぱいおが代弁すると、何だと―と言いながらティーパンがぱいおを湯舟に沈めた。

 ●

 全員が談笑しているのを、やや羨ましそうにはあはあは見ていた。

『もっこりは私のことをどう思ってるんだろ。とゆーか、あぁって何だよ。いってらっしゃいくらい言えないのかよ!』

 先ほどの宿に入る前のやり取りを思い出すと、だんだんと腹が立ってきたようだ。

 ザバッと洗面器のお湯を自分にかけて泡を洗い流すと、そそくさと誰も入っていない湯舟に入る。

 そこで全員の話しに聞き耳を立てることにした。

 自分ともっこりを照らし合わせながら。

「ア、アタイは別に助態のことはどうとも思ってないってば」

「あなたまだそんなことを言ってるの?」

 もふともの答えにくびちが呆れる。

「あなた達はどう思う?」

 くびちが純純とルブマに問う。

「え?」

「ほぇ?」

 純純とルブマが同時に声を出した。

「もふともが助態のことをどう思っているように見える? って聞いてるのよ」

 くびちに答えを促されて純純が口を開く。

「私は、もふともさんが勇者様に好意を抱いているように見えませんが?」

 やっぱり子供ね。と言いながらくびちがルブマの方を見る。

「も、もふともさんは助態さんのことを好きだと思います……」

 尻すぼみになりながらも、ルブマはくびちの満足いく答えを出したようだ。

 にっこりと笑って何も言わずにくびちがもふともの方を見る。

 まるで勝ち誇っているかのようだ。

「あなたはしっかりと見てるのね」

 アンアンがルブマにそっと耳打ちをする。更に続ける。

「やっぱりライバルのことは気になる?」

「そ、そんなんじゃありません……」

 顔を真っ赤にしながらルブマは俯いてしまった。

「何だいその勝ち誇った顔は! ルブマが何と言おうとアタイは助態のことなんて何も思ってないんだよ!」

 そう言ってもふともはドスドスと歩いて、はあはあが入ってる湯舟に向かって行った。

「てことは、今は勇者を取り巻く女共はヒロインとくびちとルブマともふともってわけか」

 にやりと笑いながらティーパンが言うと、ちあもじゃ! とちあがティーパンの胸元にダイブした。

「はいはい。あんたも勇者を狙ってるんだね。それにしてもあの勇者がねぇー。これこそが勇者の能力なのかね」

「能力じゃなくて魅力なのじゃ」

 ティーパンの胸に顔を埋めながらちあが吠えると、ティーパンは、はいはい。と適当に相槌を打った。

 ●

「ホントに賑やかなメンバーだね」

 一緒の湯舟に浸かるもふともにはあはあが言う。

「ん? あぁ。いつものことさね。アタイはこの空気が好きだけどね」

 両手を広げて気持ちよさそうに湯舟に浸かりながら、もふともが相槌を打つ。

「みんな仲いいもんね。1人の男を取り合う仲だってのにどうしてそんなに仲良くできるの? 表面上の付き合いかと思ったけど、心底仲いい感じだし」

 不思議そうにはあはあが問う。

 もふともの本音がどうかは別にして、少なくとも純純、くびち、ルブマは助態のことを好いているわけだ。

 だがしかし、今のところこの3人が仲悪そうには見えない。

「ま、純純に関しては本人が自覚していない部分が多いだろうし、くびちはそんなことで仲を悪くするほど子供でもないだろ? ライバル視してないだけかもしれないけど、今は助態を取り合うことよりもみんなで冒険している方が楽しいのさ。んでルブマはみんなの気持ちに気づいているから気を使ってる感じさね。あの子が一番不憫かもしれないねぇ」

「助けてあげないの?」

 一番不憫なルブマのことを言っているのだろう。

「助ける? 何で? あの子が何か相談をしに来てるならそりゃ話しくらいは聞くけどさ。別にルブマも子供ってわけじゃないんだ。アタイらは確かに仲はいいよ。冒険をしている時は命を支え合う家族以上の仲間でもある。でもさ、恋愛って別でしょ? 早い者勝ち感があるじゃん? そこに手助けする義理もないし理由もないよ。そこは自分の力でみんな平等にやるしかないでしょ」

 もふともが恋愛と仲間は別だとはあはあに言うが、どうやらモンスターであるはあはあにはあまり理解できないことのようだ。

「人間って不思議な生き物ね」

「そうかい? アタイからしたら種族が違うからって付き合うこともできないモンスターの方が不思議だけど?」

「ルールに囚われてる感じに見える?」

 ふふ。と笑いながらはあはあが言う。

 モンスターとは思えないくらい可愛い笑顔だった。

「アンタこそさ、もっこりのことをどう思ってるのさ?」

 珍しくもふともが他人の恋愛に興味を持つ。

「そりゃあ気になる存在だよ。前にも話したけど少しずつ気になっていって、今では今何してるのかなとかちゃんと仲間とやってるのかなとか常にあいつのことを考えてる自分がいる……」

 頬を赤らめながらはあはあが正直に答える。

「それならさ、種族が違うとかそんなこと言ってないで告白するなり何なりしな? さっきも言ったけど恋愛は早い者勝ちだからな?」

 そうもふともに言われてもはあはあにはしっくりこなかった。

 それでも何かしなければという気持ちが出てきた。

「ま、アタイから言わせればさ、もっこりは自分から行動を起こさないと思うよ。アンタから行動に移さないと何の進展もないと思うな」

 女の勘だけど。と最後に付け足してもふともは両手足を伸ばしてくつろいだ。

 はあはあもその意見には頷けた。

 ●

「それにしてもこんな場所にゆっくり休めるところがあるとはね」

 ティーパンが癒されながらも不思議そうに言う。

「そう言えば助態がこの城は場所ではなく空間だと言っておったのじゃろぅ?」

 ちあがティーパンの胸に寄りかかりながら、ティーパンの顔を見上げる。

 ちあがモンスターに拉致されていた時に話しだが、それをちあが知っているのは小さなことでもティーパンがちあに報告しているからだ。

 それだけちあのことを信頼しているのだ。

「ん? あぁ。そう言えばヒロインもそんなことを言っていたな」

 そう言えばと思い至ってティーパンが純純のことを、おーい。ヒロイン! と呼ぶ。

「何ですか?」

 キョトンとした顔をしながらも純純が同じ湯舟に入ってくる。

「この城を空間だという認識だったよね?」

 唐突にティーパンが言う。

「え、はい。そうですね……別の世界に飛ばされたような感じです」

 突然のことに何を言われているのか一瞬分からなかったが、すぐに前に話していたことだと気がつく。

「空間か……何か特殊な魔法でも使われたのかもしれんのぅ」

「私たちが移動させらたんじゃなくて、この城の入り口が別の世界の入り口だったってことかい?」

 ちあの言葉にティーパンがまさかという顔をする。

「そもそも魔界だって同じじゃろ? 別世界への入り口は沼じゃった。その別世界が更に別世界に繋がっていたとしても何ら不思議はないじゃろ?」

「あの、別の空間に移動したのと別の場所に移動したのでは具体的にどう違うのでしょうか?」

「そりゃ簡単だ。この城が別の場所ならば魔界と同じ世界線にあるということだ。しかし別世界ならば魔界とは別の世界線ということになる」

 そう答えられても純純には理解できない。

「つまりじゃ、別の場所に移動しただけなら理論上ではあるが、歩けば鬼侍女三姉妹に出会った場所までたどり着けるということじゃ」

 ちあが補足すると、ティーパンも頷いて後を続ける。

「そ。でも別世界ならばルールに沿らないと元の世界に戻れない。死の世界から元の世界に戻るのに決まりがあるだろう? それと一緒だ」

 死の世界から抜けるには、死の国でデスキングキャッスルの螺旋階段を登って魔界へ入る必要がある。魔界から雷獄の洞窟へ向かい、暗闇の森、熱砂の砂漠、迷いの森、氷城の順に進めば地底へ出られて地底から元の世界へと帰る。

「このルールからすると、死の国と魔界と地底は別世界なんじゃろうな」

 ちあが言う。

 氷城までは魔界だとデスキングが言っていたらしいから、魔界から抜けるのにそういうルートを通らなければならないというルールがあるのだろう。

「でだ、魔界を抜けるためにルートが用意されているのはおそらくそれらが繋がっているからだ。つまり洞窟と暗闇の森、砂漠、迷いの森、氷城が繋がってて、氷城に魔界から抜ける何かしらがあるんだろう。この世界に来た時は沼に潜ったよね? あの沼を潜ることでこの世界に来れるそれがルール」

 ここでティーパンが一息おく。

 確かに元の世界でどんなに歩いても死の世界へ来ることはできない。

 死の世界へ来るにはあの沼を潜る必要がある。

 これがルール。

 同じように死の国から魔界へ行くにもデスキングキャッスルの螺旋階段を登る必要があった。これもルール。

 魔界から抜けるためには氷城で何かをすればいいということだ。沼に潜るとか螺旋階段を登るとかそういった類の何かを。

 しかし――

「問題は、この幽霊城が魔界とは別世界にあるということだ。私たちはこの幽霊城から何かしらのルールで元の魔界へ戻らないといけない。そしてそのルールに従った場合に雷獄の洞窟へと進めるのだろう」

 その何かを城のどこかでしなければならない。

 助態たちはそれを探さないといけないということだ。

 ちょっと難しい話をしてのぼせてしまった純純が、みんなに支えられながらお風呂からあがった。

 そしてこの後の夕食でちょっとした事件が起こるのだった……
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