後輩と先輩

清楚系女子

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番外編 カズちゃんとマナ

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小学校の頃から大きいカズちゃんにあたしは守ってもらってばかりだった。

あたしは昔から友達が出来なくて、カズちゃんが世界の全てだって思ってた。これわりとガチ。

中学校に入ってカズちゃんが金髪にしたのは驚いたなぁ。あたしもムキになっちゃって同じ色に染めて。

「お前は俺がいなくなったらどーすんだ」

って呆れながら叱られたっけ。お前は黒髪が似合う、っていわれたけどそれはカズちゃんもなんだよ。

高校に入ってカズちゃんが男の子を好きになったのははやめに気づいた。
何年一緒にいるって思ってるの。異変にはすぐに気づくし。

何であたしじゃないんだろ。って、なんで男なのにって。そりゃ思うよね。これは仕方ないと思う。

私がそれは変だよっていう前からカズちゃんは悩んでて、自分を追い詰めて。湊を虐めることで自分も傷つけていることに目を背けてるみたいだった。

あたしは嫌な女だから、湊を虐めることで、それが本当の気持ちになって湊のこと嫌いになればいいって思ってた。
だから虐めにも加担してたんだけど。カズちゃんはいつも苦しそうで今にも死んじゃいそうな顔してやってんだから、見てるあたしも辛くなった。

好き、好きだよカズちゃん。

この言葉を叫んで今すぐにでも抱きしめてあげたい。
けどそんなの望んでないことは分かってるから。湊じゃないとダメってことは分かってるから。

カズちゃんが湊を連れてどこかにいったとき、嫌な予感がしたんだ。マナは来んな、って拒絶の言葉を吐かれたのは初めてで、ビックリして、怖くて。いつものようにカズちゃんにくっついていけなかった。

そしたらモブ君だけ教室に戻ってくるし、カズちゃんも湊もそのまま帰ってこないしで。何があったんだろうって心配してたんだよ。



やっと教室に戻ってきたって思ったら暗い顔してるし。
あの1年の男の子が来た時にちょっとホッとしたでしょ?
殴られることで自分の罪が少しでも軽くなるような気がしたんだよね。それで憎まれ口叩いてわざと殴られて。そうでもしないと湊への気持ちが消えないって思ったのかな。

カズちゃんが起きて、辛そうな顔をするから、今まで言えなかったことを言っちゃった。
ずっと見てた、って言った時のカズちゃんの顔、傑作だったなぁ。ほんとに気づいて無かったんだ。鈍感だよ。

きっといつまでも湊のことが好きで、あたしなんて眼中にもなくて。もし万が一、湊じゃない他の誰かを好きになるとしてもその目はあたしに向かないんだろうなって漠然と思ってた。

それでも、今この時間カズちゃんといれるならそれでいいか、って楽観視する。

夕日が落ちて、暗くなった教室で寝ているカズちゃんに話しかける。

「ねぇ、カズちゃん。」

「あ?」

「今度デートしようよぉ~」

「・・・あぁ。」

やっぱり優しいカズちゃんは、あたしの間延びする声を無視して返事をしてくれる。
今度。なんて口約束、守られないのに。いつもその約束だけして、どこにも行かない。
今度なんて日付はないからね。あたしが何日に遊ぼうよ~って明確な日付を言ってないからかもしれないけど。

「おまえ・・・俺のこと好きだったのか。」

「・・・なっ、」

何いってんの!?何いってんの!・・・好きだよ!大好きだけどそれ本人に聞く!?馬鹿なんじゃないの!?あ、馬鹿だった。

「・・・っ好きだよ!文句ある!?」

「・・・そうか。」

・・・なんなんだほんとこの男は。いちいち人の傷を抉って。

・・・ほんと、訳わかんない。こんなカズちゃんも好きだって私の中が叫んでる。

こんな人でも好きになっちゃったんだもん。仕方ないよね。

「・・・いつがいい。」

「・・・え、なにが?」

「デート。行くんじゃねえのか。」

「・・・行ってくれんの?」

「行きたくねぇなら別に・・・」

「行きます行きます!行かせて!行きたい!」

・・・初めてだ。デート、するんだ。
話し合って今週の土曜日になった。・・・楽しみ。
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