22 / 34
第22回 花栄、神弓の技まえを示すこと
しおりを挟む
「これきみ、自分の嫁さんを悪くいうものではないよ」
「あいつが私の妻ですって、とんでもない!」
なんだか事情があやしくなってまいりました。
「宋あにきが勘違いされるのも仕方のないことだが、じつはこの清風寨には長官がふたりおるのです。わたしは武官で軍務担当、もひとり民政担当がいて、劉高と申します。こいつ、ひょろこい書生を絵に描いたような奴で武芸や兵馬の監督はてんでダメ。そのくせ財欲だけはひと一倍あって、毎日地元のワルとつるんで年貢、冥加の取り立てばかり。夫人も一緒になって権柄ずくのわが者顔で荒らしまわるもんですから、身を持ち崩して野盗に走るものが増えるいっぽうなのです」
「そんな非道い夫婦だったとは。青州府かみやこに訴えてはどうかね?」
「いや、あにきもご存知とは思うが大宋国は文治が最優先、武官は文官のあたまを飛び越えられぬ。よしや府に嘆願が届いたとて、まともに取り上げてはもらえんでしょう。当地の治安をあずかる身ながら、こんな不幸の元凶を野放しにしてお恥ずかしい限りです」
中央のみならず、こんな地方都市にさえ官吏の腐敗は進行していたのでした。やがてこの無軌道な政治は宋王朝の屋台骨をおおきく揺るがすことになるのですが……それはまだ後のお話し。
さて季節の過ぎるのははやいもので、花栄の邸宅にお邪魔してからひと月あまりが経ちました。宋江はすっかり馴染んで、長官つきの兵隊たちとも仲良しです。
年があらたまって世間はお正月のうかれ気分。宋江も花栄から護衛を幾人かわけてもらい、お寺や盛り場などを見物して楽しんでおりました。
この日も城下をそぞろ歩くうち、うぶすな神さまのお宮のまえに大きな鰲山(ねぶた灯籠)が出ているのを見つけます。
「いやあ綺麗なもんだ。鄆城よりよっぽど栄えているじゃないか」
家々がともす提灯は目抜きどおりを彩り、さながら天上世界のような華やぎです。おまけに通り向こうの桟敷でくり広げられる田舎踊りの面白いこと。腰をふりふり、裾はパタパタ、あまりの滑稽さに宋江ふと自らの危うい身の上を忘れて「あははは、愉快ゆかい!」と大口あけて笑ってしまいました。
「あっ!あの先頭のチビですよ、先日あたしをさらった山賊の大親分は!」
とつぜんの声に見上げれば、ちょうど二階の窓から、例の夫人がにらんでいます。なんという間の悪さ!そこは劉高夫妻のお屋敷だったのです。あわてて逃げだしますが、人ごみに通せんぼされてうまく進めぬところをたちまち御用とあいなりました。
劉高長官のまえに引き出されて来た宋江、
「いったい何の罪とがでございましょう?わたしは張三という名の行商でして、南の方からこちらに参り、いまは花栄長官のご厄介になっております」
そこへふすまの影から劉夫人が口を挟みます。
「嘘おっしゃい!清風山のとりでで見たわよ。あんたふんぞり返って、あたしに“親分さん”と呼ばせたじゃない!」
「わたしもお山に囚われてたんですよ。奥方さま、助けてあげたのにあまりのお仕打ちじゃありませんか?」
「盗賊ふぜいがよくもぬけぬけと。ただの旅商人がとっ捕まって、生きてるほうが不思議だわ」
まったく取りつく島もございません。宋江、割り竹でいやというほど折檻をうけ、牢屋に繋がれてしまいました。
逃げかえった護衛から顛末をきいた花栄、むらむらと怒りがこみ上げましたがグッとこらえてまずは手紙をしたためます。
ところが劉長官、届いた手紙を一瞥するなり高笑い。
「花栄のバカめ、黙ってトカゲの尻尾をきれば見逃してやったものを、じぶんから賊との仲間づきあいを白状しおった。『その者、済州の劉丈。まったくの無実なり』だとさ。もうこいつは張三と名乗っておるというに。“劉”と書いとけば同姓ゆえ、わしが手ごころ加えると思ったか!」
お使い番に見せつけるようにビリビリと引き裂いてしまいました。
「もう許せん!最初から小細工など必要なかったのだ」と花栄、馬に飛び乗るととも回りの者四、五十ほど引き連れ、役場へ押しかけます。
「花栄が参った!劉長官に質問の義これあり!」
あまりの剣幕に門衛たちはバラバラと散り、劉高も突然の襲来にちぢみ上がって奥から出てきません。無人の野をゆくように役場を探し回ると、牢屋のなかに麻縄で吊るされた宋江を発見しました。
「よくも俺の知人を痛めつけたな!覚悟のほどは出来ておろう、明日けりをつけてやる」
こう言い放つと傷だらけの宋江を連れ、悠々帰って行きました。
さて納得できぬのは劉長官です。さっそく張三の身がらを取り返すべく人あつめにかかりますが、何しろ兵権は花栄のほうにあり、まともに訓練受けた者なんて望めません。それでも近隣から二百人ばかり狩り集めると、武術師範の先生を隊長に任命して急づくりの部隊ができあがりました。
「それッ、張三を召しとれ!」
と威勢はよいですがこの隊長、武芸者くずれなので花栄の豪傑ぶりはよく知っています。兵隊たちもずらり並んで気勢をあげるのがやっと、ハナからへっぴり腰なのでした。
花栄邸に押しよせてみればなんと驚き、門はぱっかと開いたまんまです。館のあるじは庭のむこう、正面玄関に完全武装で仁王だち。
「おうい、新米兵士に新米隊長のしょくん!昨日きょう集められた身で、劉高ごとき汚吏にいったい何の忠義だて。いのちは大事に使うものだぞ。きみ等はこの花栄の弓の腕まえを知らぬだろうから、今より教えてつかわそう。ここに三矢あり。まず一の矢は左がわの門神像の槍さきを射ぬく!」
言うが早いか、ぴょうと音を残してもう矢は飛んでおりました。一同ゆくえを見まもれば、狙い違わずぴたりと突き立ッています。
「二の矢は右の門神さまの紅いかぶと飾りだ!」これも見事に射抜きました。みな静まりかえって声もありません。花栄きりきりと弓を引きつつ、
「さて三の矢の的は、それなる隊長どののみぞおちだ!」
隊長は肝をつぶし、まだ射られもせぬうちから「ぎゃっ!」とひと声。馬首をかえしていっさん駆け出しました。兵士どももめいめい好き勝手に逃げさってもう居りません。たった三本の矢が、にわか軍隊を蹴散らしたのです。
一瞬で二百の手下を失った劉高でしたが、元より自分の子飼いでもなし、惜しいことはないとさっそく挽回のための策を練ります。まずは清風山への道ぞいに兵士を二、三十潜ませて、とりでへ落ちてくる宋江を待ちかまえます。同時に青州府あてに上申書を送り、花栄をひと揉みにできる援軍を派兵してもらうことにしました。まこと“大将のしごとに刀はいらぬ、はかりごとさえあれば良い”とはこのこと。次から次へと悪だくみの尽きぬなかなか小狡い役人です。
そうとは知らぬのは宋江、「このままでは街が文治派と軍政派で全面戦争になる。これ以上迷惑はかけられぬ」とひとり清風山へ向かう途中、待ち伏せにあって呆気なく捉えられてしまいました。
さてこちらは救援要請を受けた青州府。府知事は慕容彦達といいまして、ときのお上徽宗皇帝のお妃である慕容貴妃の兄うえです。だいたいこういう人は外戚と呼ばれ、いつの時代もご威光をたてに鼻息が荒いものと相場が決まっています。
慕容知事、あたまにあるのは中央での栄達ばかり、わざわざ地方軍のもめ事にくびを突っ込みたくありません。腹心をひとり呼びつけて、命令いたしました。
「劉高はこう言っておるが、どうせよくある文官武官のいざこざだろう。おまえ行ってきて上手く収めてくれ。いちいち細かい指示など仰がんでよろしい、ぜんぶ終わったあとで復命せよ」
「ははッ」と答えたこの男がさらに事態をややこしくしてしまうのですが、それは次回のお楽しみ。
「あいつが私の妻ですって、とんでもない!」
なんだか事情があやしくなってまいりました。
「宋あにきが勘違いされるのも仕方のないことだが、じつはこの清風寨には長官がふたりおるのです。わたしは武官で軍務担当、もひとり民政担当がいて、劉高と申します。こいつ、ひょろこい書生を絵に描いたような奴で武芸や兵馬の監督はてんでダメ。そのくせ財欲だけはひと一倍あって、毎日地元のワルとつるんで年貢、冥加の取り立てばかり。夫人も一緒になって権柄ずくのわが者顔で荒らしまわるもんですから、身を持ち崩して野盗に走るものが増えるいっぽうなのです」
「そんな非道い夫婦だったとは。青州府かみやこに訴えてはどうかね?」
「いや、あにきもご存知とは思うが大宋国は文治が最優先、武官は文官のあたまを飛び越えられぬ。よしや府に嘆願が届いたとて、まともに取り上げてはもらえんでしょう。当地の治安をあずかる身ながら、こんな不幸の元凶を野放しにしてお恥ずかしい限りです」
中央のみならず、こんな地方都市にさえ官吏の腐敗は進行していたのでした。やがてこの無軌道な政治は宋王朝の屋台骨をおおきく揺るがすことになるのですが……それはまだ後のお話し。
さて季節の過ぎるのははやいもので、花栄の邸宅にお邪魔してからひと月あまりが経ちました。宋江はすっかり馴染んで、長官つきの兵隊たちとも仲良しです。
年があらたまって世間はお正月のうかれ気分。宋江も花栄から護衛を幾人かわけてもらい、お寺や盛り場などを見物して楽しんでおりました。
この日も城下をそぞろ歩くうち、うぶすな神さまのお宮のまえに大きな鰲山(ねぶた灯籠)が出ているのを見つけます。
「いやあ綺麗なもんだ。鄆城よりよっぽど栄えているじゃないか」
家々がともす提灯は目抜きどおりを彩り、さながら天上世界のような華やぎです。おまけに通り向こうの桟敷でくり広げられる田舎踊りの面白いこと。腰をふりふり、裾はパタパタ、あまりの滑稽さに宋江ふと自らの危うい身の上を忘れて「あははは、愉快ゆかい!」と大口あけて笑ってしまいました。
「あっ!あの先頭のチビですよ、先日あたしをさらった山賊の大親分は!」
とつぜんの声に見上げれば、ちょうど二階の窓から、例の夫人がにらんでいます。なんという間の悪さ!そこは劉高夫妻のお屋敷だったのです。あわてて逃げだしますが、人ごみに通せんぼされてうまく進めぬところをたちまち御用とあいなりました。
劉高長官のまえに引き出されて来た宋江、
「いったい何の罪とがでございましょう?わたしは張三という名の行商でして、南の方からこちらに参り、いまは花栄長官のご厄介になっております」
そこへふすまの影から劉夫人が口を挟みます。
「嘘おっしゃい!清風山のとりでで見たわよ。あんたふんぞり返って、あたしに“親分さん”と呼ばせたじゃない!」
「わたしもお山に囚われてたんですよ。奥方さま、助けてあげたのにあまりのお仕打ちじゃありませんか?」
「盗賊ふぜいがよくもぬけぬけと。ただの旅商人がとっ捕まって、生きてるほうが不思議だわ」
まったく取りつく島もございません。宋江、割り竹でいやというほど折檻をうけ、牢屋に繋がれてしまいました。
逃げかえった護衛から顛末をきいた花栄、むらむらと怒りがこみ上げましたがグッとこらえてまずは手紙をしたためます。
ところが劉長官、届いた手紙を一瞥するなり高笑い。
「花栄のバカめ、黙ってトカゲの尻尾をきれば見逃してやったものを、じぶんから賊との仲間づきあいを白状しおった。『その者、済州の劉丈。まったくの無実なり』だとさ。もうこいつは張三と名乗っておるというに。“劉”と書いとけば同姓ゆえ、わしが手ごころ加えると思ったか!」
お使い番に見せつけるようにビリビリと引き裂いてしまいました。
「もう許せん!最初から小細工など必要なかったのだ」と花栄、馬に飛び乗るととも回りの者四、五十ほど引き連れ、役場へ押しかけます。
「花栄が参った!劉長官に質問の義これあり!」
あまりの剣幕に門衛たちはバラバラと散り、劉高も突然の襲来にちぢみ上がって奥から出てきません。無人の野をゆくように役場を探し回ると、牢屋のなかに麻縄で吊るされた宋江を発見しました。
「よくも俺の知人を痛めつけたな!覚悟のほどは出来ておろう、明日けりをつけてやる」
こう言い放つと傷だらけの宋江を連れ、悠々帰って行きました。
さて納得できぬのは劉長官です。さっそく張三の身がらを取り返すべく人あつめにかかりますが、何しろ兵権は花栄のほうにあり、まともに訓練受けた者なんて望めません。それでも近隣から二百人ばかり狩り集めると、武術師範の先生を隊長に任命して急づくりの部隊ができあがりました。
「それッ、張三を召しとれ!」
と威勢はよいですがこの隊長、武芸者くずれなので花栄の豪傑ぶりはよく知っています。兵隊たちもずらり並んで気勢をあげるのがやっと、ハナからへっぴり腰なのでした。
花栄邸に押しよせてみればなんと驚き、門はぱっかと開いたまんまです。館のあるじは庭のむこう、正面玄関に完全武装で仁王だち。
「おうい、新米兵士に新米隊長のしょくん!昨日きょう集められた身で、劉高ごとき汚吏にいったい何の忠義だて。いのちは大事に使うものだぞ。きみ等はこの花栄の弓の腕まえを知らぬだろうから、今より教えてつかわそう。ここに三矢あり。まず一の矢は左がわの門神像の槍さきを射ぬく!」
言うが早いか、ぴょうと音を残してもう矢は飛んでおりました。一同ゆくえを見まもれば、狙い違わずぴたりと突き立ッています。
「二の矢は右の門神さまの紅いかぶと飾りだ!」これも見事に射抜きました。みな静まりかえって声もありません。花栄きりきりと弓を引きつつ、
「さて三の矢の的は、それなる隊長どののみぞおちだ!」
隊長は肝をつぶし、まだ射られもせぬうちから「ぎゃっ!」とひと声。馬首をかえしていっさん駆け出しました。兵士どももめいめい好き勝手に逃げさってもう居りません。たった三本の矢が、にわか軍隊を蹴散らしたのです。
一瞬で二百の手下を失った劉高でしたが、元より自分の子飼いでもなし、惜しいことはないとさっそく挽回のための策を練ります。まずは清風山への道ぞいに兵士を二、三十潜ませて、とりでへ落ちてくる宋江を待ちかまえます。同時に青州府あてに上申書を送り、花栄をひと揉みにできる援軍を派兵してもらうことにしました。まこと“大将のしごとに刀はいらぬ、はかりごとさえあれば良い”とはこのこと。次から次へと悪だくみの尽きぬなかなか小狡い役人です。
そうとは知らぬのは宋江、「このままでは街が文治派と軍政派で全面戦争になる。これ以上迷惑はかけられぬ」とひとり清風山へ向かう途中、待ち伏せにあって呆気なく捉えられてしまいました。
さてこちらは救援要請を受けた青州府。府知事は慕容彦達といいまして、ときのお上徽宗皇帝のお妃である慕容貴妃の兄うえです。だいたいこういう人は外戚と呼ばれ、いつの時代もご威光をたてに鼻息が荒いものと相場が決まっています。
慕容知事、あたまにあるのは中央での栄達ばかり、わざわざ地方軍のもめ事にくびを突っ込みたくありません。腹心をひとり呼びつけて、命令いたしました。
「劉高はこう言っておるが、どうせよくある文官武官のいざこざだろう。おまえ行ってきて上手く収めてくれ。いちいち細かい指示など仰がんでよろしい、ぜんぶ終わったあとで復命せよ」
「ははッ」と答えたこの男がさらに事態をややこしくしてしまうのですが、それは次回のお楽しみ。
0
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
花嫁
一ノ瀬亮太郎
歴史・時代
征之進は小さい頃から市松人形が欲しかった。しかし大身旗本の嫡男が女の子のように人形遊びをするなど許されるはずもない。他人からも自分からもそんな気持を隠すように征之進は武芸に励み、今では道場の師範代を務めるまでになっていた。そんな征之進に結婚話が持ち込まれる。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
旧式戦艦はつせ
古井論理
歴史・時代
真珠湾攻撃を行う前に機動艦隊が発見されてしまい、結果的に太平洋戦争を回避した日本であったが軍備は軍縮条約によって制限され、日本国に国名を変更し民主政治を取り入れたあとも締め付けが厳しい日々が続いている世界。東南アジアの元列強植民地が独立した大国・マカスネシア連邦と同盟を結んだ日本だが、果たして復権の日は来るのであろうか。ロマンと知略のIF戦記。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
無用庵隠居清左衛門
蔵屋
歴史・時代
前老中田沼意次から引き継いで老中となった松平定信は、厳しい倹約令として|寛政の改革《かんせいのかいかく》を実施した。
第8代将軍徳川吉宗によって実施された|享保の改革《きょうほうのかいかく》、|天保の改革《てんぽうのかいかく》と合わせて幕政改革の三大改革という。
松平定信は厳しい倹約令を実施したのだった。江戸幕府は町人たちを中心とした貨幣経済の発達に伴い|逼迫《ひっぱく》した幕府の財政で苦しんでいた。
幕府の財政再建を目的とした改革を実施する事は江戸幕府にとって緊急の課題であった。
この時期、各地方の諸藩に於いても藩政改革が行われていたのであった。
そんな中、徳川家直参旗本であった緒方清左衛門は、己の出世の事しか考えない同僚に嫌気がさしていた。
清左衛門は無欲の徳川家直参旗本であった。
俸禄も入らず、出世欲もなく、ただひたすら、女房の千歳と娘の弥生と、三人仲睦まじく暮らす平穏な日々であればよかったのである。
清左衛門は『あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって千歳と弥生の幸せだけを願い、最後は無欲で死にたい』と思っていたのだ。
ある日、清左衛門に理不尽な言いがかりが同僚立花右近からあったのだ。
清左衛門は右近の言いがかりを相手にせず、
無視したのであった。
そして、松平定信に対して、隠居願いを提出したのであった。
「おぬし、本当にそれで良いのだな」
「拙者、一向に構いません」
「分かった。好きにするがよい」
こうして、清左衛門は隠居生活に入ったのである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる