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令嬢生活のはじまり
第5話 ユリウスイベント①
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自分の身長ぐらいある大鎌を担いで鼻歌を歌うユノと帰り道を共にしながら、私は恐る恐る口を開きました。
「ユノ、そんなものどうするんですか」
「どーするって言われても、うーん部屋に飾ろっかな? 」
「そうですか……」
新しいおもちゃを買って貰った子どものような笑顔をするユノを前に、これ以上何も言えなくなってしまいました。
見た目は何も変わっていませんが、やはり中身は別人そのものです。
「カッコいいよね~このフォルム! 切れ味も良さそうだし……早く誰か斬ってみたいなぁ」
物騒なことを言っている気がしますが、あえて聞こえないふりをします。
「ユノ、最近の君はどこかおかしいぞ? 何か悩みでもあるなら聞きますよ」
「悩みか~、そうですね、プロテインがこの世界にはないことに気づきまして」
「ぷろていん? 一体何の話をしているんですか? 」
すると、何か黒い影が雑木林から飛び出したかと思うと、立ち塞がるように私たちの前に現れました。
「ラブラブなところ申し訳ねぇが金目のものを置いていって貰おうか!! 」
「へへ、女の方は上玉じゃねぇか。こいつは頂いていこう」
月の光に照らされ、姿を見せたのはガラの悪そうな男たちでした。
「ユノ下がって!! 彼らはこの辺りで賞金首の盗賊団だ! 」
私はユノを背中に隠し、腰に差していた剣を抜きました。相手の数は多いですが、剣術には自信があります。
婚約者には指一本触れさせません!!
が。
「よっしゃナイスタイミング!! 武器の試し切りしたいと思ってたんだよねぇ!!! 」
大鎌を振り回して飛び出したユノに吹っ飛ばされ、私は無様にも頭を地面に打ち付けました。
意識を失う直前に聞こえたのは、ユノの狂気を孕んだ雄たけびと男たちの悲痛な叫び、ザッシュザッシュという何かが斬れる音でした。
◇◇◇
「う、ううん……」
目を覚ますと、心配そうに私の顔を覗き込むユノの心配そうな顔がそこにありました。
「あ! 目、覚めた? どっか痛いところは……」
「いや、大丈夫です。あれ、ここは一体……」
「私のお屋敷ですよ、なぜかユリウスが蛙みたいにひっくり返っていたんでここまで連れてきちゃいました。あいつらにやられたんですか? 許せません! 」
貴女のせいなんだけど……と言いたい気持ちをぐっと抑え、私はあの後何が起きたのか彼女に尋ねました。
「ああ。あいつらはサイコロステーキにして憲兵団に突き出しましたよ~。おかけでほら、お金たっぷりです」
ずっしりと重たそうな麻袋を掲げてユノが得意げに笑う。
「サイコロステーキって……冗談ですよね? 」
何も返事はない。私はこれ以上追及することをやめました。
「まーまー、細かいことは置いといて、このお金で何か食べに行こ行こ! 私美味しいお店知ってるんです」
「えっ、で、でももう夕飯の時間ですよ」
「たまには良いじゃないですか、今日は奢りますよ」
にっこり笑顔の彼女につられて、私は思わず、「仕方ありませんね」と言ってしまいました。
たまにはこう羽目を外すのも良いでしょう、ユノに腕を引っ張られ、私は再び夜の街に繰り出しました。
かつての彼女は私に笑顔を向けたことなどありませんでした。顔を合わせる度に嫌味を言われ、我儘に付き合わされてきました。勿論ユノから食事に誘われたことなどありませんでした。
何が彼女に起きたのかは分かりませんが、今の彼女といると退屈しなそうだなとは思いました。
ユノに振り回されるのも悪くないかな、そう思う自分がいました。
「ユノ、そんなものどうするんですか」
「どーするって言われても、うーん部屋に飾ろっかな? 」
「そうですか……」
新しいおもちゃを買って貰った子どものような笑顔をするユノを前に、これ以上何も言えなくなってしまいました。
見た目は何も変わっていませんが、やはり中身は別人そのものです。
「カッコいいよね~このフォルム! 切れ味も良さそうだし……早く誰か斬ってみたいなぁ」
物騒なことを言っている気がしますが、あえて聞こえないふりをします。
「ユノ、最近の君はどこかおかしいぞ? 何か悩みでもあるなら聞きますよ」
「悩みか~、そうですね、プロテインがこの世界にはないことに気づきまして」
「ぷろていん? 一体何の話をしているんですか? 」
すると、何か黒い影が雑木林から飛び出したかと思うと、立ち塞がるように私たちの前に現れました。
「ラブラブなところ申し訳ねぇが金目のものを置いていって貰おうか!! 」
「へへ、女の方は上玉じゃねぇか。こいつは頂いていこう」
月の光に照らされ、姿を見せたのはガラの悪そうな男たちでした。
「ユノ下がって!! 彼らはこの辺りで賞金首の盗賊団だ! 」
私はユノを背中に隠し、腰に差していた剣を抜きました。相手の数は多いですが、剣術には自信があります。
婚約者には指一本触れさせません!!
が。
「よっしゃナイスタイミング!! 武器の試し切りしたいと思ってたんだよねぇ!!! 」
大鎌を振り回して飛び出したユノに吹っ飛ばされ、私は無様にも頭を地面に打ち付けました。
意識を失う直前に聞こえたのは、ユノの狂気を孕んだ雄たけびと男たちの悲痛な叫び、ザッシュザッシュという何かが斬れる音でした。
◇◇◇
「う、ううん……」
目を覚ますと、心配そうに私の顔を覗き込むユノの心配そうな顔がそこにありました。
「あ! 目、覚めた? どっか痛いところは……」
「いや、大丈夫です。あれ、ここは一体……」
「私のお屋敷ですよ、なぜかユリウスが蛙みたいにひっくり返っていたんでここまで連れてきちゃいました。あいつらにやられたんですか? 許せません! 」
貴女のせいなんだけど……と言いたい気持ちをぐっと抑え、私はあの後何が起きたのか彼女に尋ねました。
「ああ。あいつらはサイコロステーキにして憲兵団に突き出しましたよ~。おかけでほら、お金たっぷりです」
ずっしりと重たそうな麻袋を掲げてユノが得意げに笑う。
「サイコロステーキって……冗談ですよね? 」
何も返事はない。私はこれ以上追及することをやめました。
「まーまー、細かいことは置いといて、このお金で何か食べに行こ行こ! 私美味しいお店知ってるんです」
「えっ、で、でももう夕飯の時間ですよ」
「たまには良いじゃないですか、今日は奢りますよ」
にっこり笑顔の彼女につられて、私は思わず、「仕方ありませんね」と言ってしまいました。
たまにはこう羽目を外すのも良いでしょう、ユノに腕を引っ張られ、私は再び夜の街に繰り出しました。
かつての彼女は私に笑顔を向けたことなどありませんでした。顔を合わせる度に嫌味を言われ、我儘に付き合わされてきました。勿論ユノから食事に誘われたことなどありませんでした。
何が彼女に起きたのかは分かりませんが、今の彼女といると退屈しなそうだなとは思いました。
ユノに振り回されるのも悪くないかな、そう思う自分がいました。
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