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第46話 ただいま
しおりを挟む「えーっと……」
「何してんだよ? 自分ちなんだろ? 」
「うんまぁ……そうなんだけど」
屋敷まで戻った私たち。
どうしよう、いなかったのはほんの数日だったのに入り辛すぎる。
ヴァイスが上手いこと言い訳してくれているだろうけどアステルに何と言われるだろうか……。
「ステラ……? 」
なんつータイミング。
ドサッと彼の手から本が滑り落ちる。後ろにいたのは幽霊を見るような目で私を見つめるアステルの姿。
「ただいま」
「ステラ!! 」
「うぉっ!! 」
反射的に抱き付かれる私。いててて、アステルちょっと力強すぎ!
「良かった……!! ステラが帰って来た」
「ごめんなさい、ただいま」
涙まで浮かべて私に抱きつくアステル。随分心配をかけてしまったようだ。
「もう帰ってこないかと……」
「……お前ら、何やってるんだ? 」
すると呆れたような声をあげたのはヴァイスだった。アステルが落とした本を拾い上げ、はぁとため息を吐く。
「ぐ、ぐるじい……」
「あ、ご、ごめん」
ぱっと私から離れるアステル。そして我に帰ったようにグレンの存在に気が付く。
「その人は……? 」
「えーっと、色々ありまして」
こんなところで立ち話も難だろう、ということでヴァイスに促されて私たちは一先ず屋敷に入ることにした。
◇◇◇
「兄さんの婚約者が俺の命を……? 」
これまでのことを報告する私。
アステルを狙った敵の正体。
そしてその黒幕。
……あと一応グレンとの出会い。
「そういうこと。ああシュタインさんが絡んでるかは分からないわ」
「そんな……」
うなだれるアステル、考え込むヴァイス。そしてどうしたら良いのか分からずオロオロするグレン。まさにカオスだ。
「……リィンか。少し警戒した方が良さそうだな」
少しどころじゃない!
かなーり警戒しなきゃ!
「で、このグレンは元暗殺者。でもこうなった以上、武力に長けた者は多い方が良いと思うの」
「随分信頼してるんだな」
びっくりしたように目を見開くヴァイス。まあそれもそうだろう、さっきまで命を狙ってた人間を屋敷に入れてるのだから。
だが私は彼の性格を知っている(ゲームで)。信頼に値する人間だと思う。
「……どうして無理したんだ」
不意にアステルが声をあげる。
「へ? 」
「俺はステラがいなくなって心配で……一言声をかけてくれれば良かったじゃないか! 」
「だってアステルにいらない心配をかけたくなくて……」
「心配? 君を失うことの方がずっと怖い! 」
「ご、ごめんなさい……」
こんな怒り狂ったアステル初めて見た。
「……ごめん言いすぎた」
アステルはそう言うと、部屋で頭を冷やしてくる。と言い残し、フラフラと出ていった。
ちらりとヴァイスの方を見ると、追え、とでも言いたげに顎で扉を指し示す。
「行くべきだな」
グレンまでうんうんと頷いている。
……分かったよ。
私はアステルを追い、部屋を飛び出した。
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