うちの息子はモンスター

島村春穂

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息子の日課

【3】

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 一度捲り上げたサマーニットはワンサイズ小さめだったとはいえ、裾野に落ちてくることがなかった。それくらい芙美子は豊乳であったし、その量感でふくよかに垂れた様子などは熟女然とした愛嬌があって、また昭和っぽい色気がある。


 海斗の瞳は、そのなかに星を散りばめたようにパッと明るくなって、ぱくぱく歯を覗かせる仕草は餌を欲しがる鯉口を思わせた。


 おしゃぶりとまではいかないが、乳房のその先端が吸ってくださいと言わんばかりに脹れ貫禄たっぷりにツンと勃ってしまっていた。羞恥のなか、芙美子はむんずと掴んだ片乳を海斗のほうへと向けた。


 いかにも行儀の悪い海斗は舌べろを伸ばして迎えにきた。


 ちゅ、ちゅちゅっちゅう――、っと噛み切られるのではないかと不安になる芙美子を余所に海斗がねこなで声で甘えてくる。


「ママンーっ……おっぱい甘いーっ」


「……そんなことないから……」
 でもそう言われると、ほんとうに母乳がでてきてしまいそうな気さえした。


「さいきんおっぱい張ってきたんじゃない?」


「……そ、そうなのかしら……」
 まさか四十路のこの歳になってこんな年下に遊ばれるなんて思いもしなかった。


 あるとき海斗に彼女を作ることを勧めてみたけれど、彼はどうやら洗練された大人の女、たとえば、髪形ひとつとっても全体に緩いパーマをかけたひし形シルエットが似合うそれもが好きなのらしい。つまりこれは芙美子本人のことであって、困ったことに、こうしたフェティシズムとは先天性のものらしい。


 一方――、芙美子は違う。完全にこのイカレタ息子のせいで年下好きが、いや――、と言うよりも少年好きが開花してしまう。


 そういえば、関係をはじめた頃、これは恥ずかしい話ではあるけれど、なんにも知らない息子にアナルを半日近く舐めさせたことがあった。そんなことを男にさせたのも、してもらったのも初めてだったし、あれから病みつきとなってしまったのだ。


 海斗をまだ子どもだと思い芙美子自身、まるで自慰をするかのように存分に本音をだせた。あわよくば都合のよい玩具にしてやろうといやらしい気持があったことは否めない。


 いまでは旦那の横で寝ているだけで嫌だ。あの匂いというか、臭いと思ってしまう。息子のアナルはぜんぜん舐められるのに旦那とだとキスをするのさえ嫌いになってしまった。


 もしかすると、息子のあの甘酸っぱくも青臭い匂いに狂ってしまったのかもしれない。それに若いと中年とは異なりおよそ馬力が違う。セックスで殺されるかと思ったのは息子が初めてだし、アレの硬さだってまるで違う。しかもだ、芙美子好みにそう育てたのだからやはり後ろ髪を引かれてしまう。そして持久力も女の愛で方も知ったとなれば誰しもが狂ってしまうだろう。


「……ママン、ママン……」


「……まったくー……」
 だから、こうも信頼されればやってあげないわけにはいかない。


 芙美子はまるでほんとうに母乳をあげるみたく吐息のたびにゆさゆさと揺れるふくらみをしぼって与えた。


 すると海斗は屈託なく両足をひろげてを預けてくる。


「こらっひろげないの……」
 と母親の顔で注意はするものの、見たくないけど意識はしてしまう。ズボンが旦那のそれよりおおきくテントを張っている。


 海斗は貪欲にニップルをみながら下から芙美子をただ一心に見つめ、顔付きまで赤ん坊のようになって安心しきっている。こうして母性を貪るさまは実の母親に捨てられてしまった海斗の遅れてきた母胎回帰だったのかもしれない。


 しかし、百歩譲って心はそうだとしても体はすっかり大人だ。ちゅーちゅーと小気味よい音を立てながら股間まで弄りだす。


「ちょっとやめなさいっ」
 こうやって叱られることさえ海斗にはどこか嬉しそうであった。


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