メタハックフロー

パープルエッグ

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不審なRV車

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SSBRの3階のトイレから忍び込んだ小型のドローンはエレベータに乗り込んだ。小型ドローンはエレベータの天井にくっつくとプロペラを仕舞って、防犯カメラそっくりの形にカモフラージュして敵の目を欺く。そこへ白衣を着た研究者がブツブツと何やら独り言を言いながらエレベータに乗り込んできたが防犯カメラのことなどまったく気にも留めず『B1』のボタンをして地下1階へ降りていく。

『地下1階です。扉を開けるにはIDカードの認証が必要です。磁気端末にカードをかざしてください』自動音声アナウンスが流れた。どうやらSSBRの施設の中でもトップシークレットになっているようだ。この階で降りることができるのは、会社から権限を与えられた人物だけである。



白衣を着た研究者は首からぶら下げたIDカードを磁気端末にかざしてエレベータの扉のロックを解除してフロアの奥へと進んでいくと防犯カメラに擬態したドローンはプロペラを出してこの研究者と一緒に地下1階で降りて後をつけていくのだった。このフロアはすべての扉がロックされていてIDカードがなければ部屋の移動さえもできない仕様になっていた。セキュリティが高く外部に漏らしてはいけないを保持していることがすぐにわかった。

白衣を着た研究者はこのフロアの一番奥の研究室へと進んでいく、おかげでドローンも運良く1番奥の研究室へ侵入することができた。ドローンはミニカーを床に落として、またプロペラを仕舞って天井に張り付いて様子を見ている。ミニカーは単独で研究者を追跡し研究室の中を隈なく偵察する。

何人かの研究者がそこに居て、エレベータでブツブツ独り言をいっていた人物に声を掛けた「ドミンゴ博士、7号機のAIが調子が悪かったので一時的に削除しました。もう1度、AIのインストールからやり直します」助手がパストル・ドミンゴ博士に現状を報告すると博士は「わかった」とひと言だけ述べた。

制御盤からたくさんのケーブルが床や天井に張り巡らされ、そのケーブルは1号機から順番に並べられたアンドロイドにつながっている。研究者はアンドロイドの状態と搭載したAIがどれぐらいシンクロしているかをモニタリングしながら記録を取っている。パストル・ドミンゴ博士を追跡していたミニカーのフロントガラスの右下にドットのような赤い丸が点灯して、録画が開始された。



さっき天井に張り付いていた防犯カメラの形をしたドローンは再びプロペラを広げてアンドロイドが並べられている場所へ移動する。フロラン(この並べられたアンドロイドが戦闘用というわけだ。なるほどな・・・)1号機から順番に並べられているアンドロイドを録画しながらゆっくりと徘徊するようにドローンが研究室の中を飛ぶ。

フロアの一番奥にある研究室で秘密裏に研究開発されているものは世界大戦の最終決戦で用いられるはずだった戦闘用兵器としてのアンドロイドである。SSBRの集大成ともいえるこのアンドロイドは世界大戦が終わっても手放すことができなかったようだ。

SSBR施設の外門では警備員たちが前に見た不審なRV車がまた路上駐車をしているのを見て、ケネス・ブルックに連絡を入れた。警備員「ブルックさん、外門の近くに不審なRV車が停まっています。前にも同じ場所に停まっていたので報告いたしました」その報告を受けたケネス・ブルックはすぐにSSBRが持っている部隊を現地調査に向かわせた。

1時間後、調査に向かった部隊は脳が入った瓶を台車に乗せて戻ってきて、ケネス・ブルックにRV車に脳が入った瓶が積まれていたことを報告した。どうやらRV車の荷台に積まれていた装置も一緒に運び出したらしい。脳が入った瓶と装置は2段になっている台車の上と下に置かれ、ケーブルやチューブもそのまま運び出している。

ケネス・ブルック「なんだ、これは?薄気味悪いな」秘書のゲレーテ・ヘンラインは目を背けた。彼女が嫌がっているのを察してケネスは10人の部隊に声をかける「おい、もういいぞ。その脳が入った瓶はドミンゴ博士にプレゼントしろ」そう言いながら手の甲を外向きに振って”さがれ”と合図した。部隊の内、2人が台車を押してケネスのオフィスから出て行った。

10人の部隊を率いる隊長がケネスに別件を報告した。「NEXA MILITECHネクサミリテックの幹部カジョ・レオンとエロディ・シャリエールの身柄を拘束しました。ふたりは不審なRV車のスモークガラスを双眼鏡で覗いていたと警備員から聞いています。その双眼鏡には暗視スコープの機能が付いており、我々もそれを使って荷台に載っている瓶に入った脳を確認しました」ケネスのオフィスにカジョ・レオンとエロディ・シャリエールが連れて来られた。ふたりはそれぞれ縄をかけて身動きが取れない状態で暴れる様子はなかった。




ケネス・ブルック「おやおや、誰かと思えばNEXA MILITECHネクサミリテックのお偉いさん方じゃないですか。あの瓶に入った脳は、あなたたちのお仲間ですか?」
カジョ・レオン「いや、我々の仲間ではない。私たちもあの不審なRV車を追っていたのだ」

お互いに探りを入れている。Neon Dustの製造はNEXA MILITECHネクサミリテックがやっているとSSBRは勘づいているし、Neon Dustに混ざりものを入れているのはきっとSSBRだろうとNEXA MILITECHネクサミリテックのほうも薄々気づいている。お互いにヘタなことは言えない緊迫した状況である。どちらかといえばSSBRのほうがNEXA MILITECHネクサミリテックに対して後ろめたい気持ちを抱えていた。

ケネス・ブルック「隊長、NEXA MILITECHネクサミリテックの幹部に縄をかけるとは何事だ。今すぐ、その縄をほどくんだ」「SSBRの施設を偵察しに来たように見えましたが・・・」隊長がケネス・ブルックに食い下がったが結局、縄は解かれた。

ケネス・ブルック「お聞かせ願いたい。あなたたちはどこからRV車を追いかけていたのですか?」さすがSSBRの社長の右腕と呼ばれるだけのことはある、的を得た鋭い質問にカジョ・レオンは背筋が凍る想いをした。「あのRV車はイシドール・ラチエ博士の研究所にあったものだ。あの積み込まれた荷物も博士の物だよ」観念したようにカジョ・レオンは尾行した経緯を伝えた。

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