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闇堕ち
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ケネス・ブルック「ふたりとも協力的で助かるよ。ただ紙の契約書と忠誠を誓うという言葉だけでは裏切る可能性がある。そこで見えない場所でいいので、ふたりにはSSBRのタトゥを入れてもらうことにした」ブルックが秘書のゲレーテに耳打ちする「彫師と個室を用意してくれ」彼女は頷き、総務のリンダに電話をかけて彫師の手配を頼んだ。
カジョ・レオンは堪らずに抗議する「いや、契約書にサインはした。タトゥの話は聞いていないぞ」彼はライバル会社のタトゥを入れるつもりはない。しかし、ケネス・ブルックは話が通じる相手ではなかった。エロディ・シャリエールがカジョ・レオンの怒りを鎮めようとするがそれを振り切ってケネス・ブルックに噛みついた。
「契約とタトゥは別の話だろ?それ以上、勝手な真似は許さないぞ」怒りを露わにしたカジョ・レオンがケネス・ブルックの胸ぐらを掴みかかると10人隊の隊長とその部下たちがカジョ・レオンを抑え込だ。床に押さえつけられ身動きが取れなくなったカジョ・レオンにケネス・ブルックは机の引き出しから注射を取り出して、無理やりカジョ・レオンの首元にそれを打ち込んだ。
「やめろ!こんなことをして許されると思うなよ・・・・」意識が遠のき、目を瞑った。最後にエロディ・シャリエールの悲鳴だけが聴こえる。
怖がるエロディ・シャリエールの肩を抱き、ケネス・ブルックが優しく囁きかける「大丈夫だ。我々も体にSSBRのタトゥが入っている。キミたちを悪いようにはしない。仲間になればわかるさ」彼女の体は小刻みに震えている。ゲレーテ・ヘンラインは自身の体にタトゥが入っていないことからケネス・ブルックが嘘をついていることがわかった。
カジョ・レオンとエロディ・シャリエールはそれぞれ別室に連れて行かれ、病衣に着替えさせられた。スマートフォンや財布などの貴重品とNEXA MILITECHのIDカードは押収されたままとなっている。個室ではお香が焚かれ独特な香りが漂っていて彫師が好みそうな雰囲気のある部屋だった。
カジョ・レオンの意識は戻らないまま施術が始まった。エロディ・シャリエールは「ヤダ、怖い、何をするの?」初めて見る彫師とベッドを見て、恐れ慄いている。「大丈夫、ほら楽にして」と彫師がシャリエールをなだめ、横になった彼女に催眠ガスを使って眠らせた。
施術は5時間ほどで終わり、ふたりの体には黒い薔薇のモチーフにSSBRの文字が描かれたタトゥが入れられていた。カジョ・レオンは足のくるぶしの近くに、エロディ・シャリエールは左腰の後ろに、それぞれSSBRのタトゥが刻まれている。
「これで帰れるのか?」諦めた表情と不快感に襲われながら意識が戻ったカジョ・レオンが彫師に訊ねる「いやぁそれはオレにはわからないよ。たまに依頼されて来ているだけだからね」そういうと立ち上がりタトゥが彫り終わったことをケネス・ブルックの秘書のゲレーテ・ヘンラインに伝えた。「わかったわ、ありがとう。そちらへ向かうわ」彼女はふたりの部下を連れてやってきた。
ゲレーテ・ヘンラインがカジョ・レオンがいる部屋に連れて来たのはニコデモ・ラモスという明るい男だった。「やぁ兄弟!今日からオレが相方だ。仲良くしよう。ニコでもラモスでも呼び方はなんでもいい、好きに呼んでくれ」警戒心が強いカジョ・レオンに明るく近づいた。「あとは任せたわね」素っ気なくゲレーテ・ヘンラインは部屋を出ていった。
次にエロディ・シャリエールにもうひとりの部下の女性を紹介した「彼女の名前はマトローナ・メチェレヴァよ。今日からあなたの相方になるの。仲良くしてね」そういうとゲレーテ・ヘンラインは去って行った。「よろしく、エロディちゃん。私はマトローナっていうの。女同士、悩みや相談事はなんでも話してね」とてもセクシーなお姉さんがエロディを優しく抱擁した。
ケネス・ブルックが派遣したこのふたりは洗脳部隊に属している。ニコデモ・ラモスとマトローナ・メチェレヴァはNEXA MILITECHのふたりを洗脳してスパイにするために送り込まれたエージェントである。
エージェントとずっと一緒にいることによって組織への忠誠心ができたり「こっちの世界も悪くない」とどんどん刷り込み、洗脳が行われていく。そして、心を開きNEXA MILITECHの情報をリークするように仕向けるのだ。
数ヵ月後、ふたりはすっかりSSBRのスパイになっていた。NEXA MILITECHの幹部だった2人の居心地はそれほど良くなかった。他の幹部との軋轢、派閥など、社内での出世競争に心身をすり減らして疲れていた。
そこにニコデモ・ラモスという相方ができたことによってなんでも不満や愚痴を聞いてもらえるようになり、女を紹介され、飲み仲間もできた。カジョ・レオンは心を開き、NEXA MILITECHが潰れてしまえばいいとさえ思うようになっていた。『幹部連中が困っている姿が見たい』という彼が心の奥深くに隠していた本音が顔を出してきた。
元相方のエロディ・シャリエールのほうもセクシーなお姉さんマトローナ・メチェレヴァとずっと一緒にいることによって安心感を抱き、マトローナ・メチェレヴァに依存するようになってしまった。NEXA MILITECHでは規律ある行動と兵士のような扱われ方をしていたので、その仮面を外して一緒に仕事ができるステキなお姉さんがいるのは夢のようだった。
ケネス・ブルックは他社を潰して成り上がるのを常套手段としていた。この非道な方法を知っているのは秘書のゲレーテ・ヘンラインだけである。彼女が電話で伝える「ええ、そうよ。NEXA MILITECHのふたりは堕ちたわ。いずれSSBRは現実世界と仮想現実を牛耳ると思うの。予想以上に事態は深刻よ」
「そうか、我々にも新しいカードが必要だな。今回の件は記録した。次の報告を待つ」そういうと電話が切れた。
カジョ・レオンは堪らずに抗議する「いや、契約書にサインはした。タトゥの話は聞いていないぞ」彼はライバル会社のタトゥを入れるつもりはない。しかし、ケネス・ブルックは話が通じる相手ではなかった。エロディ・シャリエールがカジョ・レオンの怒りを鎮めようとするがそれを振り切ってケネス・ブルックに噛みついた。
「契約とタトゥは別の話だろ?それ以上、勝手な真似は許さないぞ」怒りを露わにしたカジョ・レオンがケネス・ブルックの胸ぐらを掴みかかると10人隊の隊長とその部下たちがカジョ・レオンを抑え込だ。床に押さえつけられ身動きが取れなくなったカジョ・レオンにケネス・ブルックは机の引き出しから注射を取り出して、無理やりカジョ・レオンの首元にそれを打ち込んだ。
「やめろ!こんなことをして許されると思うなよ・・・・」意識が遠のき、目を瞑った。最後にエロディ・シャリエールの悲鳴だけが聴こえる。
怖がるエロディ・シャリエールの肩を抱き、ケネス・ブルックが優しく囁きかける「大丈夫だ。我々も体にSSBRのタトゥが入っている。キミたちを悪いようにはしない。仲間になればわかるさ」彼女の体は小刻みに震えている。ゲレーテ・ヘンラインは自身の体にタトゥが入っていないことからケネス・ブルックが嘘をついていることがわかった。
カジョ・レオンとエロディ・シャリエールはそれぞれ別室に連れて行かれ、病衣に着替えさせられた。スマートフォンや財布などの貴重品とNEXA MILITECHのIDカードは押収されたままとなっている。個室ではお香が焚かれ独特な香りが漂っていて彫師が好みそうな雰囲気のある部屋だった。
カジョ・レオンの意識は戻らないまま施術が始まった。エロディ・シャリエールは「ヤダ、怖い、何をするの?」初めて見る彫師とベッドを見て、恐れ慄いている。「大丈夫、ほら楽にして」と彫師がシャリエールをなだめ、横になった彼女に催眠ガスを使って眠らせた。
施術は5時間ほどで終わり、ふたりの体には黒い薔薇のモチーフにSSBRの文字が描かれたタトゥが入れられていた。カジョ・レオンは足のくるぶしの近くに、エロディ・シャリエールは左腰の後ろに、それぞれSSBRのタトゥが刻まれている。
「これで帰れるのか?」諦めた表情と不快感に襲われながら意識が戻ったカジョ・レオンが彫師に訊ねる「いやぁそれはオレにはわからないよ。たまに依頼されて来ているだけだからね」そういうと立ち上がりタトゥが彫り終わったことをケネス・ブルックの秘書のゲレーテ・ヘンラインに伝えた。「わかったわ、ありがとう。そちらへ向かうわ」彼女はふたりの部下を連れてやってきた。
ゲレーテ・ヘンラインがカジョ・レオンがいる部屋に連れて来たのはニコデモ・ラモスという明るい男だった。「やぁ兄弟!今日からオレが相方だ。仲良くしよう。ニコでもラモスでも呼び方はなんでもいい、好きに呼んでくれ」警戒心が強いカジョ・レオンに明るく近づいた。「あとは任せたわね」素っ気なくゲレーテ・ヘンラインは部屋を出ていった。
次にエロディ・シャリエールにもうひとりの部下の女性を紹介した「彼女の名前はマトローナ・メチェレヴァよ。今日からあなたの相方になるの。仲良くしてね」そういうとゲレーテ・ヘンラインは去って行った。「よろしく、エロディちゃん。私はマトローナっていうの。女同士、悩みや相談事はなんでも話してね」とてもセクシーなお姉さんがエロディを優しく抱擁した。
ケネス・ブルックが派遣したこのふたりは洗脳部隊に属している。ニコデモ・ラモスとマトローナ・メチェレヴァはNEXA MILITECHのふたりを洗脳してスパイにするために送り込まれたエージェントである。
エージェントとずっと一緒にいることによって組織への忠誠心ができたり「こっちの世界も悪くない」とどんどん刷り込み、洗脳が行われていく。そして、心を開きNEXA MILITECHの情報をリークするように仕向けるのだ。
数ヵ月後、ふたりはすっかりSSBRのスパイになっていた。NEXA MILITECHの幹部だった2人の居心地はそれほど良くなかった。他の幹部との軋轢、派閥など、社内での出世競争に心身をすり減らして疲れていた。
そこにニコデモ・ラモスという相方ができたことによってなんでも不満や愚痴を聞いてもらえるようになり、女を紹介され、飲み仲間もできた。カジョ・レオンは心を開き、NEXA MILITECHが潰れてしまえばいいとさえ思うようになっていた。『幹部連中が困っている姿が見たい』という彼が心の奥深くに隠していた本音が顔を出してきた。
元相方のエロディ・シャリエールのほうもセクシーなお姉さんマトローナ・メチェレヴァとずっと一緒にいることによって安心感を抱き、マトローナ・メチェレヴァに依存するようになってしまった。NEXA MILITECHでは規律ある行動と兵士のような扱われ方をしていたので、その仮面を外して一緒に仕事ができるステキなお姉さんがいるのは夢のようだった。
ケネス・ブルックは他社を潰して成り上がるのを常套手段としていた。この非道な方法を知っているのは秘書のゲレーテ・ヘンラインだけである。彼女が電話で伝える「ええ、そうよ。NEXA MILITECHのふたりは堕ちたわ。いずれSSBRは現実世界と仮想現実を牛耳ると思うの。予想以上に事態は深刻よ」
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