君だとわかってたんだ

十条沙良

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11 まつの決心

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乳母のまつはソラ様の本心を聞き出すまでは良かったが、ソラ様の味方だと言いながら反対してしまった事を後悔していた。

( やっと寺から帰って来て下さったのに。
ソラ様に嫌われたらどうするのよー私。
あのお方だけが私の愛する人。
ソラ様が私の生きがい。
わかってるのにソラ様が男の子を好きと聞いて動揺してしまった。
頭にカーッと血が昇ってしまった。

ソラ様に嫌われたく無い。
今までのように慕って欲しい。

たかが寺の稚児1人くらい、どうにでもなるわ。
やるのよ、まつ。
命令するだけよ。)
まつは稚児の拓海(たくみ)を、この屋敷の使用人にするため動きだした。
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