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婚約者の姉に階段から突き落とされました。婚約破棄させていただきます。

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私はカルセドニー・フローラと申します。
この国の聖女を致しております。

聖女に決まった時から、この国の王子スチュアート殿下が私の婚約者になりました。

スチュアート殿下は金色の髪と青い瞳をお持ちの美しい人でした。

こんなに綺麗な人を私は生まれて初めて見ました。

つい先日の夜会の時の事です。
私が階段を降りようと右足を一歩踏み出した時です。私の後ろにいた誰かに背中を強く押されました。私の身体はグラリと宙に浮き、右足はあるはずの階段を探し空をさまよいました。そのまま私は階段を転げ落ちました。

「 痛たたたたた。」

いくら回復魔法が使える聖女でも、落ちた時は痛いんです。
夜会のためにドレスにハイヒールで着飾っていたのも、良くなかったかもしれません。

私が下から階段の上の方を見上げると、婚約者のスチュアート殿下のお姉様のクリステン様が見下ろしていました。

婚約者のスチュアート殿下は、すぐにクリステン様にかけ寄ります。
「 お姉様大丈夫ですか?ケガはありませんか?」
( イヤイヤイヤ、ケガしてるのは私でしょうー!)

「 うん、危なかった。カルセドニーが転ぶから。巻き添えになるところだったわ。」
クリステン様は、いつものように息を吐くように嘘をつきました。

クリステン様はこの国のお姫様です。
みなから大切に大事にされてお育ちになられたはずなのに、私に意地悪をします。

私の何が気に入らないのか嫌がらせや、くだらない邪魔をしてきます。

クリステン様には人の気持ちを思いやる心とか、優しさとかが欠けているみたいです。

私はスチュアート殿下を好きで婚約者になったのではありません。

私には聖女の力がありました。
そして、この国では聖女と皇太子が婚約するのが昔からの決まりです。

それでも私はスチュアート殿下と愛を育む努力をしました。

クリステン様から意地悪をされるたびに婚約者のスチュアート殿下に相談しました。

彼は私の婚約者ですもの。

長い将来のためと思いクリステン様にも私の方から歩み寄りました。

出来るだけ頑張ったつもりです。

まぁ、でもそれがクリステン様をますますつけ上がらせたのかもしれません。

「 嘘をつかないで下さい。あなたが私の背中を押しましたよね。」
クリステン様の全身から、ドス黒いオーラがたちのぼっているのが見えます。まがまがしい気を放つ彼女が私には、はっきりとくっきりと見えますから。

「 おい、お前、決めつけるなよ。
僕のお姉様がそんな事するはずが無いんだよ。
調子に乗りやがって。
嘘つきの意地悪女め。
いつもお姉様を毛嫌いして悪口ばっかり言ってるくせに。
もう我慢出来ない。
この婚約は破棄だ。
大勢の人達の前でお姉様を侮辱したお前は国外追放だ。
出て行け。2度とその顔を俺に見せるな!」

スチュアート殿下は大きな目をひん剥いて、口からツバを飛ばし、真っ赤な顔をして私に怒鳴り散らしました。

せっかくの綺麗な顔が台無しです。
美しいと思ってたのが不思議なくらいに内面がもう外に現れています。

( 彼は一度も私の言う事を聞こうとしなかったな。)

私はなんだかバカバカしくなってしまいました。

ここまでの間に治療魔法で身体は治せました。
けれども私は、もう我慢の限界ですので城を出ます。

スチュアート殿下との幸せな未来を想像出来ません。

私は精霊達に頼んで今までの真実を、国民達の目の前に映してもらいました。

私の後ろには国民達の列が出来ました。

祖国には魔獣が侵入しました。
今まで一度も噴火した事の無い山が噴火し、水はニガヨモギの味になって飲めません。
地面は燃えて作物も燃えてしまいました。

この世の地獄の光景が広がっています。

私は国民達を結界で守り、それぞれが行きたい所まで送り届けました。

私が復讐したと言っている人がいるみたいですけど、私は復讐なんてしてません。

全ては神さまの言う通りですもの。
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みんなの感想(1件)

penpen
2022.05.08 penpen

極悪王女とシスコン王子どうなりました???

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