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私はエリザベス・スチュアート。生まれた時から不思議な力を持っていた。それでも毎日毎日一生懸命に祈りを捧げて人の為、この国の為に頑張ってきた。
親同士が勝手に決めた婚約者のカール・サヴォイがものすごい勢いで私の前に現れた。
「 僕のメアリーを虐めたな!聖女とは名ばかりの意地悪女め!」
「 そんな事はしていません。虐めてなんていません。」
何を言っても婚約者は信じてくれない。幼馴染のメアリーの言いなりだ。
カールの身体に隠れるようにして、メアリー・バリューが顔をのぞかせた。カールの幼馴染であるメアリーは黄色い瞳をウルウルさせているが、私に向ける目の奥の鋭い光を、私は見逃す事は無い。
面倒くさい。僕のメアリーって言った。はっきりと言った。私は意地悪などしていない。そんな事、思いつきもしないし、そんな暇は無い。私にはメアリーのように髪を染めたり、ユルフワに巻く暇など無い。美容院に行く時間も無いのだ。
大勢の人の前で婚約を破棄されただけではなく聖女としても不適切と烙印を押されてしまった。人生の全てを捧げてきた仕事を奪われた私は泣く泣く国を出た。
風の噂で聞いたけど私が祈りをやめてから魔獣が押し寄せて来たらしい。メアリーには聖女の力はなかったから不思議には思わない。
私は身の周りを平和に保ち、植物や精霊達と会話を楽しみ心から幸せを感じている。自分の幸せは自分で決めるのだ。
親同士が勝手に決めた婚約者のカール・サヴォイがものすごい勢いで私の前に現れた。
「 僕のメアリーを虐めたな!聖女とは名ばかりの意地悪女め!」
「 そんな事はしていません。虐めてなんていません。」
何を言っても婚約者は信じてくれない。幼馴染のメアリーの言いなりだ。
カールの身体に隠れるようにして、メアリー・バリューが顔をのぞかせた。カールの幼馴染であるメアリーは黄色い瞳をウルウルさせているが、私に向ける目の奥の鋭い光を、私は見逃す事は無い。
面倒くさい。僕のメアリーって言った。はっきりと言った。私は意地悪などしていない。そんな事、思いつきもしないし、そんな暇は無い。私にはメアリーのように髪を染めたり、ユルフワに巻く暇など無い。美容院に行く時間も無いのだ。
大勢の人の前で婚約を破棄されただけではなく聖女としても不適切と烙印を押されてしまった。人生の全てを捧げてきた仕事を奪われた私は泣く泣く国を出た。
風の噂で聞いたけど私が祈りをやめてから魔獣が押し寄せて来たらしい。メアリーには聖女の力はなかったから不思議には思わない。
私は身の周りを平和に保ち、植物や精霊達と会話を楽しみ心から幸せを感じている。自分の幸せは自分で決めるのだ。
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