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1章
*III
しおりを挟むウォルマン「宮廷魔術師のウォルマン=レイスだ。私の弟子にしたい子どもがいる。陛下に御目通り願いたいのだが。」
ウォルマンは、自身の服のポケットから取り出した魔術師としての身分証明書と、杖を提示し、門番にそう言った。ちなみに、今の時刻は夜の8時だ。
「わかりました。陛下に確認して参りますので、そちらの待ち合い室にてお待ちください。」
左に居た門番...おそらく、右にいた門番よりも位が高いであろう門番は、ウォルマンの身分証明を確認したのち、そう言った。
☆
「陛下の御許可が出ましので、”儀式の間”にてお待ちください。」
リア達が待ち合い室に入って10分程した頃、門番に用件を伝えられた執事がそう言って戻ってきた。
ウォルマン「わかりました。」
こうして、リアはウォルマンとともに”儀式の間”へと向かった。
☆
「ウォルマン、面を上げよ。」
あれから10分。王の気配を感じたウォルマンは、その美麗な顔を床につけ平伏した姿勢をとった。リアもそれを真似る。
そして、王の言葉を聞いたウォルマンがゆっくりと顔をあげると、リアもまた、それに続いた。
ウォルマン「陛下、御多忙なところを私の為に時間を割いていただきありがとうございます。」
「堅苦しい挨拶はそれくらいでよい。して、その娘がお前の弟子となる子どもか。」
ウォルマン「はい。この子は、我が師である元宮廷魔導師のウォルメに弟子入りする予定だったのですが、そのウォルメ師匠が亡くなり、師匠の弟子である私が彼女の師匠としてこの子を教え導く役を師匠から頼まれました。ですから、陛下に”儀式”をおこなっていただきたく、陛下に御目通り願ったのです。」
「事情はわかった。いいだろう。今から”儀式”をおこなう。」
ウォルマン「ありがとうございます。」
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