輪国媛奇譚

神無月 花

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一、

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和花「.....なぜ、なぜ私を喚んだのですか?」


和花は、いたって落ち着いた口調で春明に尋ねた。


春明「随分、落ちついておられますね。現実味が無いからですか」


和花「いいえ。私は神や魔物や幽霊などを信じている人間です。ですから、夢であろうが、現実であろうがこの出来事は事実私に起きている事なんだと私は思います。
それに、神に仕える身ですから、常に落ちついて行動しなさい。と教えられていますので。」



春明「 そうですか。貴女様はやはり“媛“に相応しい人間のようです。まして、元の世界でも巫女をしておられたようですし。歳もお若いですから、一から“媛“としての知識を吸収することも簡単だ。」


春明「それと、“媛“となる女性にはもう一つ条件があります。」


和花「...それはどのような?」


春明「夫や婚約者、親兄弟や親族が側にいない事、恋人やとても親しい友人のいない事。です。」


和花「.....確かに、私には両親はいません。一緒に遊ぶような友達だっていません。もちろん、恋人もいませんし、婚約者だっていない。でも、私には伯父がいますよ。それに、伯父さんやバイト先の人や神社の方にはとてもお世話になったんです。それなのに、何も言わずに居なくなるなんて....」


春明「ですが、あの伯父さまと貴女には血の繋がりが無い。違いますか?」


和花「っ、それは、」


春明「当たっていますよね。貴女のお爺様は再婚なされた。そして、再婚相手にはすでに子がいた。その子が貴女の伯父さま。そうですよね?」


和花「...そうです。」


春明「それに伯父さまは貴女を姪としてみていなかったのでしょう。 貴女の伯父さまは、貴女のお母さまを妹としてではなく女として愛していた。だから、貴女のお母さまに似た貴女を女として見るようになった。そして...」


春明の最後の言葉を聞いた和花の頭の中に、思い出したく無い記憶が蘇った。この2年間、忘れようと必死に努力し、ようやくその恐怖とショックから立ち直ったのに。



***



和花「いやっ!伯父さん、やめて!」



2年前。和花が高校1年の頃。




高校生活に慣れてきた和花は、現在も働いていた神社で助勤巫女(アルバイトの巫女)として働きはじめていた。

そして、和花が巫女として働きはじめて1ヶ月程経ったある日。






事は起こった。





この日、和花は社の掃除を終え、ひと休みをしていた。

その時。


「和花。」


伯父であり、亡き母の義理の兄であったこの神社の宮司に呼ばれた和花は、宮司の方へと歩み寄った。


「奥宮の宝物庫の整理がしたいんだが、人手が足りないらしい。宝物庫まで行ってもらえるか?」


それを聞いた和花は、宝物庫のある神社の最奥へ向かった。....そこで、伯父に襲われるたのだ。










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