鏡に映るは火と水と人

神無月 花

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火乃家と水之家の次期当主

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 新たな出会い 
美良に、新たな出会いがあった。 
ある朝。 

美良『ねぇ。』

    美良は小声で鏡に話し掛ける。 


  鏡「なんだい?美良。」 

美良『わたしもう高1よ。子どもじゃないんだから、そんなにくっついていなくても大丈夫だわ。』 


鏡「だめだめ。女の子一人じゃ危ないよ。それに、16歳は充分子どもだよ。」 

 
  鏡は、思いきり顔を美良に近ずけた。 



美良『///こっ、こっ、子ども扱いしないでよっ!////それに、顔が近すぎるわ!////』 


  美良は、顔を真っ赤にした。巫女でありお嬢様の美良は、身内以外の異性に顔を近ずけられることに慣れていないのだ。



「君、 鏡 美良さん?」 
 

  美良は少年に声を掛けれた。   

美良「そうですが。」 


  声のした方を見ると、美良より2歳程年上にみえる少年が立っていた。


 少年「俺、火乃 鏡也(きょうや)!よろしくな!」 
 
  鏡也「いや~君、可愛いな!」 

美良「は、はぁ。」(な、何、この男(ひと)。軽くない!?) 

・・・・・・・・・・ 


  昼休み。美良が昼ご飯を食べていると、誰かに声を掛けれた。 見ると、13歳くらいの少年だ。

 少年「すみません。 貴女が鏡 美良さんですか?」 

美良「そうよ。」 

 少年「僕は、水之 鏡祐(きょうすけ)といいます。」 

・・・・・・・・・・


放課後。美良が帰り支度を終え、校門まで行くと 聞き覚えのある声に引き留められた。 

 鏡也「よ~美良!一緒に帰ろうぜ!」 

     美良はその場で固まった。 

  
 鏡祐「美良さん?大丈夫ですか?」

美良「う、うん。大丈夫よ。」

・・・・・・・・・・ 


美良「さっきはびっくりしたわ。」 

 鏡也「いや~ごめんな! 美良と一緒に帰りたくてさ!」 

美良「////なっ、なんでそんなことが普通に言えるのよっ////」 

 鏡也「うーん美良が可愛いからかな。」 

美良「////べ、別にかっ、可愛いくないしっ///」 

 鏡也(かわいいなー。) 

  鏡祐「美良さん。」 

美良「なに?」 

 鏡祐「僕も、美良さんと一緒に帰りたかったんです。」 


  美良「だから、なんでそういうことがさらっと言えるのよっ!/////」 

   美良「というか、なんで わたしのこと呼び捨てに するのよ。」 

 
     鏡也「美良だって、俺のこと呼び捨てにしてるだろ。それに鏡祐だって美良のこと下の名前で呼んでるし。」 

  美良「鏡也のことを呼び捨てなのは、わたしがあんたのこと先輩付けで呼んだら“先輩なんて 堅苦しいからやめて”って言ったからじゃない。」 


 鏡也「鏡祐が下の名前で呼ぶのはいいの?」

美良「それはいいの。」

 鏡也 「なんで?!」 

美良「なんでも。」 

 鏡也「答えになってねー!」 




ちなみに、先ほどの挨拶を見てわかるように、美良達は”神官として”会うのははじめてだった。仕える神が違えど、同じ美木の神官なのだから、普通は3人は幼馴染でもおかしくない。が、幼い頃は、他の霊能者の力に引っ張られてしまわないようにと、一定の年齢になるまでは、親の許可なく他の神官に会うことを禁じられているのだ。その為、3人は今年はじめて出会ったのだ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そうこうしているうちに 鏡家に着いた。


 美良「送ってくれてありがとう。」 

  鏡祐「当然のことをしたまでです。」 

   鏡也「そうだよ。女の子を一人で帰せないよ。」 







鏡と**美良の寝る前の会話 **

 美良「今日は疲れたわ。」 
  鏡「お疲れ様。あれ?今日は何か楽しいことあったの?」 
美良「楽しいことか。 そういえば、火乃家と水之家の次期当主に会ったのだけれど、火乃家の鏡也が鏡と同じようなことを言ってたわ。」

 鏡「へぇ。なんて言ったの?」 

美良「堅苦しいのは嫌だって。」 
・・・・・・・・・ 
鏡「おやすみ。美良。」 
美良「おやすみなさい。 鏡。」










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