鏡に映るは火と水と人

神無月 花

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鏡の巫女と鏡神

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鏡地方の、いわゆる”旧家”、鏡家。

  その鏡家の〝神の間″と呼ばれる部屋に、巫女姿の少女が、ひとり。 
彼女は神の間の中央に置かれている巨大な和鏡の前に立っていた。
その鏡は厳かな雰囲気を醸し出しているだけあって、ただの鏡ではなさそうだ。



ーーその鏡には、鏡の神が宿っているのだ。



そして、鏡の次期当主は、16になる年に、通過儀礼として鏡神の招喚を行うのだ。この少女は、まさにその儀に挑もうとしていた。





「我、鏡家次期当主・鏡巫女、鏡  美良。鏡巫女の名において、鏡神よ。我が眼前にその姿現し給え。」




少女....鏡の巫女がそう言うと、和鏡が発光した。そして....



「やぁ、君が今代の鏡巫女だね。」



鏡の中から、艶やかな黒髪と青銀の瞳を持った青年が現れた。



美良「あなたが、鏡神様?」


「そうだよ。よろしくね。」









ーーこうして、今代の鏡の巫女の招喚儀が成功し、美良は正式に鏡巫女として認められた。
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