暇だったので、なんとなくダンジョン行ってみた

himahima

文字の大きさ
7 / 10

無職47日目

しおりを挟む
 翌朝、どたばたと階段を降りてきたおばさんは乱暴にリビングのドアを開け放った。
「ミーちゃん!ごめんね!!」
「・・・。」
「ミーちゃん!許して~!!朝からニャールもつけるよ!!!」
「・・・。」
「ミーちゃ~ん、モンプッチのマグロ缶がいいかな~?サーモンかな?」
「なぁ・・・。」

 俺は腹が減っていた、猛烈に腹が減っていた。昨日ダンジョンから帰ったおばさんは俺のエサ皿に少量のカリカリと水を補充すると、シャワーをあびて
「なんか疲れちゃったら、ちょっと横になるね~」と、よたよた寝室に入っていった。
 往復30分のチャリこぎは、1か月半引きこもりの体には負担だったのか?
 俺もお気に入りソファーが奪還できたのでしばらく昼寝ときめこんだ。
 リビングがオレンジ色に染まった頃、俺は目覚め、おばさんの様子を見に2階に上がった。
 普段はストッパーで止めてある寝室のドアも締まっていてまったく起きる気配がない。
 俺は心配になりドアにネコパンチをくらわせ、ドア前で呼んだがまったく反応はなかった。
 その後、何度も部屋の前まで様子を見にいったが、深夜になっても空が白んでも起きて来なかった。

 午前7時、スマホのアラームと大音量の目覚まし時計の音がリビングまで漏れ聞こえてくると、階段を転げるようにおばさんが2階から降りてきて冒頭のやり取りとなった。

 とにかくん腹が減ってた俺はモンプッチで手を打つことにした。

「おまたせ、ミーちゃん、DXマグロ缶だよ~」
 俺がはぐはぐとマグロ缶&カリカリを堪能しいいるそばで、おばさんはコーヒーを淹れ、新聞を読むためタブレットを起動する。
 会社を辞めて無職になっても、おばさんの朝のルーチンは変わらない。
「しっかしなんであんなに眠かったんだろうね~、16?17時間寝るとかありえないよね~」
 知らん、猫は普通にそれぐらい寝るもんだ…。

「あれ?う~ん、あれれ?」おばさんはタブレットを顔に近づけたり、離したりして首をかしげる。
 今度はメガネのテンプルを両手で持って、目に近づけたり離したりしている。
 ふた昔前ぐらいに、そういうネタで売れた外国人タレントがいたな・・・。
 メガネを外したおばさんはしばらく目を閉じ、おもむろに立ち上がるとぐるりと室内を見回したあと、俺を見下ろす。

「すごい!ミーちゃんのヒゲまではっきり見える!」

 すとんと椅子に座り直したおばさんは、なんでかな?とブツブツ言いながらも、ルーチンを崩さず新聞の経済面に傾倒していくのだった。
  
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

借金まみれの錬金術師、趣味で作ったポーションがダンジョンで飛ぶように売れる~探索者の間で【伝説のエリクサー】として話題に~

わんた
ファンタジー
「今日中に出ていけ! 半年も家賃を滞納してるんだぞ!」 現代日本にダンジョンとスキルが存在する世界。 渋谷で錬金術師として働いていた裕真は、研究に没頭しすぎて店舗の家賃を払えず、ついに追い出されるハメになった。 私物と素材だけが残された彼に残された選択肢は――“現地販売”の行商スタイル! 「マスター、売ればいいんですよ。死にかけの探索者に、定価よりちょっと高めで」 提案したのは、裕真が自作した人工精霊・ユミだ。 家事万能、事務仕事完璧、なのにちょっとだけ辛辣だが、裕真にとっては何物にも代えがたい家族でありパートナーでもある。 裕真はギルドの後ろ盾、そして常識すらないけれど、素材とスキルとユミがいればきっと大丈夫。 錬金術のスキルだけで社会の荒波を乗り切る。 主人公無双×のんびり錬金スローライフ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

領主にならないとダメかなぁ。冒険者が良いんです本当は。

さっちさん
ファンタジー
アズベリー領のミーナはとある事情により両親と旅をしてきた。 しかし、事故で両親を亡くし、実は領主だった両親の意志を幼いながらに受け継ぐため、一人旅を続ける事に。 7歳になると同時に叔父様を通して王都を拠点に領地の事ととある事情の為に学園に通い、知識と情報を得る様に言われた。 ミーナも仕方なく、王都に向かい、コレからの事を叔父と話をしようと動き出したところから始まります。 ★作品を読んでくださった方ありがとうございます。不定期投稿とはなりますが一生懸命進めていく予定です。 皆様応援よろしくお願いします

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう

ムラサメ
恋愛
​漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。 死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。 しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。 向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。 一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

処理中です...