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第52話 病魔退散!
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「それは本当なのか!」
領主様にことの次第を伝えると、とても驚いていた。無理もない。魔黒病は原因不明とされていたからねぇ。流行は10年ぶりらしいけど、流行ればその街は壊滅すると言われている厄介な病だ。それがまさか悪魔の仕業とはね。
「はい。ですので私たちを街の中心まで送って欲しいのです」
「わかりました。おい、馬を出せ!」
「は!」
領主様に命令され、3頭の馬を引いてくる。どうやら領主様も来るそうだ。この目で見たいのはわからないでもないけど。でも多分その悪魔が怒って襲って来ると思うんだけどなぁ……。
衛兵が先導し、僕はリオネッセさんの前にちょこんと座らされた。そりゃ馬は乗れないけどさ、普通後ろに乗せない?
しかもなんでリオネッセさんと向かい合わせ?
いや、嬉しいんだけどさ。
「しっかり捕まってくださいねぇ」
「普通捕まるなら後ろに乗せません?」
「落ちたら困るじゃないですかぁ~。遠慮なく捕まってくださいねぇ~」
いや、リオネッセさんに捕まるとちょうど胸の位置に顔いくんだけどいいのかな?
まぁ、本人もあぁ言ってるし遠慮なく顔を埋めよう。しかしこれ、はたから見たら凄い絵面だと思うんだけど。
どう見ても綺麗なお姉さんのふくよかな胸に顔を埋めているマセガキにしか見えないと思うな。
それにしても柔らかい。それにとてもいい匂いがする。もし僕にお母さんがいたら、こんな感じなんだろうか?
優しく僕を抱きしめて頭を撫でてくれたのだろうか?
そんな感慨にふけつつも馬が走る。どれくらい走っていたのだろうか?
僕は少しだけ微睡んでいた。優しさに包まれたようなそんな感じに僕は安らぎさえ覚えていたのだ。
「だいたいこの辺りが街の中心です」
「ありがとうございます。さ、ルウ君降りますよ?」
「……はい、お母さん……」
あ、しまった。
失言に気づき、僕の顔は真っ赤に染まっていることだろう。やばい、相当恥ずかしいよこれ。
「あらあら、私はまだそんな歳ではありませんよぉ? ですがそうですね。あまり悪い気はしないですね。さ、降りますよ?」
でもリオネッセさんは優しい笑みを返すと、僕の失言を笑わずに受け止め、頭を撫でてくれた。なんという母性。ちょっと涙出てきちゃった。
それでも僕は気を取り直して泪をそっと拭いて馬を降りる。リオネッセさんも馬を降り、天を見上げた。
ここは領主邸のすぐ側。門の扉が開かれ、前庭へと足を踏み入れる。
「この辺りでいいですかねぇ~。ではルウ君、サポートよろしくお願いしますね」
「はい!」
リオネッセさんからいつものふわふわした笑みが消えた。全力全開でやるつもりだね。
「ではいきます! 神域への昇華!」
「強化! 強化ォォォッ!」
リオネッセさんの全力全開の超広域浄滅魔法に強化を重ねがけする。
リオネッセさんを中心に光が広がっていき、それは街の果てまで覆い尽くさんばかりに展開されていった。
淀んでいた空気は澄み渡っていき、穢れが払われていくようだ。
それにしてもこれが浄滅魔法の最高峰の1つ、神域への昇華か。取得条件が聖属性の親和性Sで魔力800という、神聖系最上位の恩恵無しに覚えるのは不可能と言われている魔法だ。
「ふぅ……。さすがに消耗が激しいですねぇ」
「あ、すいません。回復!」
リオネッセさんが膝を付く。全力全開でやったからかなりの魔力を消耗したみたいね。1回じゃ追いつかないかな?
「何か邪悪な気配が近づいて来ますねぇ~。ありがたいことに黒幕自ら来てくれたようです」
「え?」
僕は辺りを見回す。上か!
上空の方に黒い何かがいる。あの浄滅魔法に耐えたのか?
そいつはゆっくりと降りて来て伯爵邸の前庭に立つ。真っ黒い姿でそこかしこに血走った目が付いており、人間から逸脱した人型のナニカ、としか形容のしょうがなかった。こいつがエピュデミアというやつか?
「聖ナルチカラハ脅威。潰ス!」
ふむ、とりあえずこいつがバカなのは理解した。なんか相当怒っているみたいだけど、わざわざ出向いてくるとかどう考えても愚策でしょ。こっちは助かるけどね。
「やらせませんよぉ……」
「光膜、付与、浄滅、強化」
僕はエピュデミアを光の膜で包む。すると中に付与された強化浄滅が発動。膜の中で光が乱反射する。
「聖ナルチカラヲ使ウノハキサマカ」
……?
効いてない?
いや違う。防がれているんだ。多分強固な魔法のバリアを張っているのだろう。しかし強化しているのに破壊できないってどんなバリアだよ。
「シネ」
エピュデミアが僕に人差し指を向ける。
まずい!
僕はすぐに横に跳ぶ。
間一髪。僕のいたところに闇の渦が現れる。恐らく飲み込まれた即死かな?
技の名前がわかれば拡大解釈のスキルで干渉してやれるんだけどな……。
「審判!」
「ムダダ……!」
エピュデミアの足元から光の柱が立ち上る。これって確か神聖系最強の浄滅魔法じゃなかったかな?
これすらダメって完全に魔力の桁が違うってことじゃん!
「ソコノ女モ聖ナルチカラヲ使ウカ。マトメテ葬ッテヤロウ……」
うーん、これは少々まずいかもしれない。せめてアレサかアレーテさんがいれば勝機も見えるんだけどなぁ。ここは僕がやるしかない!
「そうはさせない……! 弱化!」
僕は自分の恐怖心に弱化をかけた。
領主様にことの次第を伝えると、とても驚いていた。無理もない。魔黒病は原因不明とされていたからねぇ。流行は10年ぶりらしいけど、流行ればその街は壊滅すると言われている厄介な病だ。それがまさか悪魔の仕業とはね。
「はい。ですので私たちを街の中心まで送って欲しいのです」
「わかりました。おい、馬を出せ!」
「は!」
領主様に命令され、3頭の馬を引いてくる。どうやら領主様も来るそうだ。この目で見たいのはわからないでもないけど。でも多分その悪魔が怒って襲って来ると思うんだけどなぁ……。
衛兵が先導し、僕はリオネッセさんの前にちょこんと座らされた。そりゃ馬は乗れないけどさ、普通後ろに乗せない?
しかもなんでリオネッセさんと向かい合わせ?
いや、嬉しいんだけどさ。
「しっかり捕まってくださいねぇ」
「普通捕まるなら後ろに乗せません?」
「落ちたら困るじゃないですかぁ~。遠慮なく捕まってくださいねぇ~」
いや、リオネッセさんに捕まるとちょうど胸の位置に顔いくんだけどいいのかな?
まぁ、本人もあぁ言ってるし遠慮なく顔を埋めよう。しかしこれ、はたから見たら凄い絵面だと思うんだけど。
どう見ても綺麗なお姉さんのふくよかな胸に顔を埋めているマセガキにしか見えないと思うな。
それにしても柔らかい。それにとてもいい匂いがする。もし僕にお母さんがいたら、こんな感じなんだろうか?
優しく僕を抱きしめて頭を撫でてくれたのだろうか?
そんな感慨にふけつつも馬が走る。どれくらい走っていたのだろうか?
僕は少しだけ微睡んでいた。優しさに包まれたようなそんな感じに僕は安らぎさえ覚えていたのだ。
「だいたいこの辺りが街の中心です」
「ありがとうございます。さ、ルウ君降りますよ?」
「……はい、お母さん……」
あ、しまった。
失言に気づき、僕の顔は真っ赤に染まっていることだろう。やばい、相当恥ずかしいよこれ。
「あらあら、私はまだそんな歳ではありませんよぉ? ですがそうですね。あまり悪い気はしないですね。さ、降りますよ?」
でもリオネッセさんは優しい笑みを返すと、僕の失言を笑わずに受け止め、頭を撫でてくれた。なんという母性。ちょっと涙出てきちゃった。
それでも僕は気を取り直して泪をそっと拭いて馬を降りる。リオネッセさんも馬を降り、天を見上げた。
ここは領主邸のすぐ側。門の扉が開かれ、前庭へと足を踏み入れる。
「この辺りでいいですかねぇ~。ではルウ君、サポートよろしくお願いしますね」
「はい!」
リオネッセさんからいつものふわふわした笑みが消えた。全力全開でやるつもりだね。
「ではいきます! 神域への昇華!」
「強化! 強化ォォォッ!」
リオネッセさんの全力全開の超広域浄滅魔法に強化を重ねがけする。
リオネッセさんを中心に光が広がっていき、それは街の果てまで覆い尽くさんばかりに展開されていった。
淀んでいた空気は澄み渡っていき、穢れが払われていくようだ。
それにしてもこれが浄滅魔法の最高峰の1つ、神域への昇華か。取得条件が聖属性の親和性Sで魔力800という、神聖系最上位の恩恵無しに覚えるのは不可能と言われている魔法だ。
「ふぅ……。さすがに消耗が激しいですねぇ」
「あ、すいません。回復!」
リオネッセさんが膝を付く。全力全開でやったからかなりの魔力を消耗したみたいね。1回じゃ追いつかないかな?
「何か邪悪な気配が近づいて来ますねぇ~。ありがたいことに黒幕自ら来てくれたようです」
「え?」
僕は辺りを見回す。上か!
上空の方に黒い何かがいる。あの浄滅魔法に耐えたのか?
そいつはゆっくりと降りて来て伯爵邸の前庭に立つ。真っ黒い姿でそこかしこに血走った目が付いており、人間から逸脱した人型のナニカ、としか形容のしょうがなかった。こいつがエピュデミアというやつか?
「聖ナルチカラハ脅威。潰ス!」
ふむ、とりあえずこいつがバカなのは理解した。なんか相当怒っているみたいだけど、わざわざ出向いてくるとかどう考えても愚策でしょ。こっちは助かるけどね。
「やらせませんよぉ……」
「光膜、付与、浄滅、強化」
僕はエピュデミアを光の膜で包む。すると中に付与された強化浄滅が発動。膜の中で光が乱反射する。
「聖ナルチカラヲ使ウノハキサマカ」
……?
効いてない?
いや違う。防がれているんだ。多分強固な魔法のバリアを張っているのだろう。しかし強化しているのに破壊できないってどんなバリアだよ。
「シネ」
エピュデミアが僕に人差し指を向ける。
まずい!
僕はすぐに横に跳ぶ。
間一髪。僕のいたところに闇の渦が現れる。恐らく飲み込まれた即死かな?
技の名前がわかれば拡大解釈のスキルで干渉してやれるんだけどな……。
「審判!」
「ムダダ……!」
エピュデミアの足元から光の柱が立ち上る。これって確か神聖系最強の浄滅魔法じゃなかったかな?
これすらダメって完全に魔力の桁が違うってことじゃん!
「ソコノ女モ聖ナルチカラヲ使ウカ。マトメテ葬ッテヤロウ……」
うーん、これは少々まずいかもしれない。せめてアレサかアレーテさんがいれば勝機も見えるんだけどなぁ。ここは僕がやるしかない!
「そうはさせない……! 弱化!」
僕は自分の恐怖心に弱化をかけた。
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