【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ

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第140話 龍神ザルスの指輪

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 渦を抜けた先は小部屋になっていた。中央に立っている大きな像は女神アルテア様に仕えているという四神の一柱、龍神ザルス様だろう。伝承ではその長さは国を跨ぐほど長くそして巨大であったとか。そしてその下の方には宝箱が置かれている。

「おっ、宝箱だ」

 サルヴァンがその宝箱を見つけるなり走り出す。僕たちもすぐその後を追い、皆で宝箱の前に集まった。その横には碑文があり、こう書かれていた。

『ここまで来たのはお前たちが初めてだ。まさかあのようなやり方でタートルドラゴンを池から出すとは思わなかったぞ。次が最後の試練である。健闘を祈る』

「つまり試練の様子は神様も見てるっていうことか。地上のことも知ってるんだろうし直接なんとかできればいいのにな」
「出来ないんだと思うよ。アルテア様も仰ってたじゃない、人間界に直接手を出すことは原則禁止されているって」

 ボヤくサルヴァンにリーネが答える。そういえば教義にも書いてあったっけ。神は直接的な手助けはされない。許されているのは乗り越えるための力を授けることであり、それがスキルなのだと。このダンジョンもその類ということだろう。

「このダンジョンはいいのかよ」
「いいんだよ。スキルを授けるのと似たようなものだから」
「そういうもんなのか……」

 サルヴァンはイマイチ納得していないらしい。リーネは説明めんどくさくてかなり端折ったようだけどそういうことだ。

「それより早くお宝を開けるぞ。前人未踏の階層の宝だからな。これは期待できる」
「お、そうだな。よし、開けるぞ」

 アレサに促されサルヴァンが腰の高さ程もある大きな宝箱を開ける。その中に入っていたのは三冊の本と金塊、そして4つの指輪だ。

「金塊の量凄いな。金貨何枚分だよ」
「それより本、本が見たい!」

 きっと見たこともない魔導書に違いない。新しい魔法か、ワクワクするなぁ。

「ルウ、先にこの指輪の鑑定を頼む」
「うん、わかった」

 見た感じ光り輝く赤い宝石が付いた指輪だ。恐らく魔法の指輪だろう。んじゃさっさと鑑定しますか。

 ザルスの指輪
 四神の1柱たるザルスの加護が宿る指輪。付いている宝石はドラゴンズアイと呼ばれるもので人間界には存在しない。この指輪を身につけた者はその加護により肉体にかかるあらゆる負荷を軽減させる。

「この指輪をつけるとあらゆる負荷を軽減してくれるんだって。ということは攻撃を食らっても大怪我しにくい、ってことかな?」
「もっと詳しく鑑定できないか?」
「やってみる」

 説明文の『あらゆる負荷』を鑑定してみる。

 あらゆる負荷
 過剰な魔法強化の悪影響、攻撃魔法や直接的な攻撃等による肉体の損壊や疲労、病気による肉体への悪影響を含むあらゆる負荷。ただし肉体の老化を軽減することはできない。

「どうやらそうみたいだね。ありとあらゆる肉体への悪影響を軽減してくれるみたい。つまり身体強化の反動も抑えてくるってことみたいだね。それに疲れにくくなるみたい」

 強化ブーストは本来筋力の強化を行う魔法なんだけど、重ねがけは肉体に悪影響を及ぼす恐れがあるから禁止されている。その悪影響も取り除いてくれるわけか。

「疲れにくくなるのは有難いな。まさに神器というやつだな」

 疲れにくくなる、というのは実に重宝する加護だと思う。特に戦場において疲労は大きな不利を生むからね。

「そうだね。色々使い道がありそうだ。ところでサルヴァン、次が最後の試練みたいだけどどうする?」
「ルウはその本が読みたいんだろ?」
「まあね」

 うん、むっちゃ読みたい。多分魔導書だと思うから契約して使ってみたいんだよね。

「ならその本を読んでから決めるわ。試練の内容がわかればいいんだけどな。どんな相手か情報ないしなぁ」

 うん、それはありがたい。魔導書なら多分引き返すことになると思う。最後の試練なんだから万全の準備はしたいよね。

「おい、碑文の内容が変化したぞ」
「へ?」

 などと考えていたら碑文を見ていたアレサが告げる。その内容に思わず変な声が出てしまった。

「最後の試練は公爵級悪魔と同程度の力を持つ神霊と戦うらしい。そしてこの試練に限り死んでも生き返らせてくれるそうだ。勝つまで挑めるぞ」
「あー、なら挑んでみっか?」

 なんとも破格の条件ではある。サルヴァンも物は試しと軽く言ってるみたいだけど、僕は死ぬのやだからね?

「いや、生き返るとは言っても死ぬほど痛いでしょ。何の準備も無しに来たら怒られそうだし」
「そうだな。好き好んで痛い思いをしなくてもいいと思うぞ」
「わ、私も痛いのやだな」
「わかった、じゃあ引き返すか。しかし最後の試練は強敵だよな。あのニーグリと同程度の力かよ。でも勝たないといけないんだよなぁ、あの化け物に」

 僕が反対するとリーネもアレサも僕の意見に追随する。それでサルヴァンもあっさりと折れたのか、元々行く気がなかったのか引き返すことになった。

「じゃあ金塊は収納しちゃうね。本は帰ってからゆっくりと読むよ」
「よし、なら戻るか」

 こうして僕たちはクランハウスに戻ることにした。

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