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第161話 アーカサスの砦攻略戦3
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「じゃあせっかくだしもう一発かまそうかな」
使うのは神気発衝。一般にはまだ非公開の究極魔法だ。一般にこういう魔力を集めて太い帯状にして放つ魔法は収束系に分類される。特徴としては力ある言葉を言い終わってから発動までのタイムラグが比較的大きいことだ。
「神気発衝!」
ただ僕の場合、既に魔力が人外の領域に達しているため、このラグは他の人に比べてかなり短い。
両の掌を目の前で向かい合わせ、その間に魔力を貯めていく。必要な魔力が充填されるまで僅か2秒。その頃には僕の眼の前に大きな魔力が球体となって凝縮されていた。
「いけっ!」
放たれた魔力は光を帯び、太い光線となって敵の部隊を射線上に捕らえる。そして大きな光が敵の部隊を飲み込んだ。広く横に展開していたから部隊の損耗自体は軽微だろう。だが射線上にいた兵士達は完全に蒸発してしまっていた。こうなっては蘇生での蘇生も不可能だ。
遺体も残らないため遺族の悲しみはより深いものとなるかもしれない。だが殺らなければ殺られるのが戦争だ。大義のために手を汚すのは正しいことだ、なんていう気はないよ。始めてしまったのなら終わらせる努力が必要になるだけだ。
できればこの魔法の威力を見て戦意喪失して投降してくれるとありがたいな。
でもそんな願いは叶うことなく、敵もまた前進を続ける。そして上空に上がり始めた悪魔達を確認した。恐らく爵位持ちの悪魔だろう。距離にして100くらいかな。前に出過ぎたか。となると十分敵の射程内か。
「魔法感知」
探知魔法の拡大解釈で作り上げたこの魔法は魔力の発生を感知する魔法だ。先程ミラが使った炎の嵐のように座標指定して使う魔法は発動を目視してからの対処は困難だ。
しかしこの魔法感知を使えば発動座標と魔法発動までの時間までも即座に特定することができる。
「みっけ!」
座標を特定した僕は飛翔の超低空高速移動でその発生源へ向かう。かなり戻ることになりそうだ。魔法の威力が高ければ高いほど、遠ければ遠いほどこのタイムラグは大きくなる傾向がある。さっきのミラの場合だと発動まで約30秒ものタイムラグがあった。
今回は20秒。距離を考えればかなりの威力となるはずだ。兵士達の隙間を縫い、僅か10秒程でその地点に到達する。そしてその地点に突如黒く小さな球体が出現した。その球体は段階的に膨らみ始めていく。
「な、なんだこれは!」
球体の出現に周りの兵士達に動揺が走る。間に合ったから大丈夫!
「破壊!」
魔力を帯びた右手を黒い球体に突っ込む。そして拡大解釈により魔力の収束を破壊。それにより黒い球体は膨れ上がる前に霧散した。
「さ、さすがは使徒様!」
「もう接敵だよ。集中して!」
褒めてる場合じゃないでしょ。お礼は生き残ってから聞くよ。ファランクス同士のぶつかりは勢いに呑み込まれたら一気に形勢が傾くからね。上空の悪魔達が邪魔だからそれは僕が片付けることにしよう。
放った魔法から見て少なくとも伯爵級がいるね。となると僕も人工聖霊を出して数の不利を補おうかな。
僕は上空に浮かび上がると人工聖霊を呼び出す。
「来い! 人工聖霊アリス=マドゥーラ」
空中に現れた魔法陣から一体の天使が姿を現す。白い鎧を纏う金髪の女戦士然としたその姿はまさにおとぎ話にでも出そうな神界の戦士のようだ。白い翼があるけど別にその翼で飛んでいるわけじゃないんだけどね。
「お呼びでしょうかマイマスター」
アリス=マドゥーラは僕の前に跪くと命令を待つ。自律型人工聖霊の中でもマドゥーラは3体しかいない伯爵級だ。伯爵級には全てアリスの名前をつけてあり、それをアリスシリーズと呼んでいる。
そしてこいつの実力は侯爵級の聖霊にだって引けを取らない程だ。僅かな期間とはいえアレサと一緒にアレーテさんにめちゃくちゃしごかれていたからなぁ……。
「あの悪魔達を殲滅するから力を貸して」
「ご命令承りました」
マドゥーラは立ち上がり悪魔達を視界に捉えると配下の人工聖霊を呼び出す。
「来い、配下たちよ!」
マドゥーラの呼びかけに応え10体の人工聖霊が姿を現す。その戦力は男爵級に匹敵するほどだ。
呼び出された人工聖霊達は皆マドゥーラに仮面をつけたような格好をしている。実はマドゥーラの配下だけでなく人型の非自律型人工聖霊は男性型女性型も皆このように仮面をつけさせている。一体化してあるので取ることもできない。
なんでこうしたか、っていうと作り物だとどうしても端正な顔立ちになるんだよね。それでまぁ、変に情が移るとまずいからだ。なにせ人工聖霊には自我がない。いわばゴーレムのようなものなのだ。惚れちゃったら困るでしょ?
「ゆくぞお前達!」
マドゥーラの号令ですぐさま悪魔達めがけて剣を抜く。そして人工聖霊達と悪魔達との戦いが始まった。もちろん僕も参戦するんだけどね。
人工聖霊たちはマドゥーラを中心に縦に円を描くように並ぶ。人工聖霊にはそれぞれ役割があり元になった魔法も違う。それをマドゥーラが一人で全て操るのだ。
マドゥーラが剣の切っ先を悪魔達に向け、集中する。マドゥーラが元にした最大の魔法はもちろん神気発衝。発動までのタイムラグを人工聖霊達が守るのだ。
「滅びるがいい悪魔達よ。神気発衝!」
そして極太の光の光線が悪魔達を襲った。
使うのは神気発衝。一般にはまだ非公開の究極魔法だ。一般にこういう魔力を集めて太い帯状にして放つ魔法は収束系に分類される。特徴としては力ある言葉を言い終わってから発動までのタイムラグが比較的大きいことだ。
「神気発衝!」
ただ僕の場合、既に魔力が人外の領域に達しているため、このラグは他の人に比べてかなり短い。
両の掌を目の前で向かい合わせ、その間に魔力を貯めていく。必要な魔力が充填されるまで僅か2秒。その頃には僕の眼の前に大きな魔力が球体となって凝縮されていた。
「いけっ!」
放たれた魔力は光を帯び、太い光線となって敵の部隊を射線上に捕らえる。そして大きな光が敵の部隊を飲み込んだ。広く横に展開していたから部隊の損耗自体は軽微だろう。だが射線上にいた兵士達は完全に蒸発してしまっていた。こうなっては蘇生での蘇生も不可能だ。
遺体も残らないため遺族の悲しみはより深いものとなるかもしれない。だが殺らなければ殺られるのが戦争だ。大義のために手を汚すのは正しいことだ、なんていう気はないよ。始めてしまったのなら終わらせる努力が必要になるだけだ。
できればこの魔法の威力を見て戦意喪失して投降してくれるとありがたいな。
でもそんな願いは叶うことなく、敵もまた前進を続ける。そして上空に上がり始めた悪魔達を確認した。恐らく爵位持ちの悪魔だろう。距離にして100くらいかな。前に出過ぎたか。となると十分敵の射程内か。
「魔法感知」
探知魔法の拡大解釈で作り上げたこの魔法は魔力の発生を感知する魔法だ。先程ミラが使った炎の嵐のように座標指定して使う魔法は発動を目視してからの対処は困難だ。
しかしこの魔法感知を使えば発動座標と魔法発動までの時間までも即座に特定することができる。
「みっけ!」
座標を特定した僕は飛翔の超低空高速移動でその発生源へ向かう。かなり戻ることになりそうだ。魔法の威力が高ければ高いほど、遠ければ遠いほどこのタイムラグは大きくなる傾向がある。さっきのミラの場合だと発動まで約30秒ものタイムラグがあった。
今回は20秒。距離を考えればかなりの威力となるはずだ。兵士達の隙間を縫い、僅か10秒程でその地点に到達する。そしてその地点に突如黒く小さな球体が出現した。その球体は段階的に膨らみ始めていく。
「な、なんだこれは!」
球体の出現に周りの兵士達に動揺が走る。間に合ったから大丈夫!
「破壊!」
魔力を帯びた右手を黒い球体に突っ込む。そして拡大解釈により魔力の収束を破壊。それにより黒い球体は膨れ上がる前に霧散した。
「さ、さすがは使徒様!」
「もう接敵だよ。集中して!」
褒めてる場合じゃないでしょ。お礼は生き残ってから聞くよ。ファランクス同士のぶつかりは勢いに呑み込まれたら一気に形勢が傾くからね。上空の悪魔達が邪魔だからそれは僕が片付けることにしよう。
放った魔法から見て少なくとも伯爵級がいるね。となると僕も人工聖霊を出して数の不利を補おうかな。
僕は上空に浮かび上がると人工聖霊を呼び出す。
「来い! 人工聖霊アリス=マドゥーラ」
空中に現れた魔法陣から一体の天使が姿を現す。白い鎧を纏う金髪の女戦士然としたその姿はまさにおとぎ話にでも出そうな神界の戦士のようだ。白い翼があるけど別にその翼で飛んでいるわけじゃないんだけどね。
「お呼びでしょうかマイマスター」
アリス=マドゥーラは僕の前に跪くと命令を待つ。自律型人工聖霊の中でもマドゥーラは3体しかいない伯爵級だ。伯爵級には全てアリスの名前をつけてあり、それをアリスシリーズと呼んでいる。
そしてこいつの実力は侯爵級の聖霊にだって引けを取らない程だ。僅かな期間とはいえアレサと一緒にアレーテさんにめちゃくちゃしごかれていたからなぁ……。
「あの悪魔達を殲滅するから力を貸して」
「ご命令承りました」
マドゥーラは立ち上がり悪魔達を視界に捉えると配下の人工聖霊を呼び出す。
「来い、配下たちよ!」
マドゥーラの呼びかけに応え10体の人工聖霊が姿を現す。その戦力は男爵級に匹敵するほどだ。
呼び出された人工聖霊達は皆マドゥーラに仮面をつけたような格好をしている。実はマドゥーラの配下だけでなく人型の非自律型人工聖霊は男性型女性型も皆このように仮面をつけさせている。一体化してあるので取ることもできない。
なんでこうしたか、っていうと作り物だとどうしても端正な顔立ちになるんだよね。それでまぁ、変に情が移るとまずいからだ。なにせ人工聖霊には自我がない。いわばゴーレムのようなものなのだ。惚れちゃったら困るでしょ?
「ゆくぞお前達!」
マドゥーラの号令ですぐさま悪魔達めがけて剣を抜く。そして人工聖霊達と悪魔達との戦いが始まった。もちろん僕も参戦するんだけどね。
人工聖霊たちはマドゥーラを中心に縦に円を描くように並ぶ。人工聖霊にはそれぞれ役割があり元になった魔法も違う。それをマドゥーラが一人で全て操るのだ。
マドゥーラが剣の切っ先を悪魔達に向け、集中する。マドゥーラが元にした最大の魔法はもちろん神気発衝。発動までのタイムラグを人工聖霊達が守るのだ。
「滅びるがいい悪魔達よ。神気発衝!」
そして極太の光の光線が悪魔達を襲った。
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