17 / 51
第2章 新しい生活
第16話 新米治癒士テア1
しおりを挟む
カインさん達が先に入り、私がその後ろを付いて歩く。ギルド内には冒険者達が集まるためにテーブルや席が幾つも設けられているため、中はとても広い。さらには受け付けカウンターの隣に食事注文を受け付けるカウンターも併設されていた。
そして夕方ともなれば既に飲み始めている冒険者もおり、中はとても賑やかだ。私達が入って来たときこちらに注目する冒険者も多かったが、カインさん達を見て再び仲間との話や食事に集中する人が多かった。
「じゃあ先ずは受け付けカウンターへ行こうか。先ずは換金してそれから依頼を出せばいいから」
「はい」
カインさんに連れられ、私達はカウンターへと向かう。受け付けは綺麗なお姉さんだ。カインさんがカウンターの前へ出ると丁寧にお辞儀をして出迎える。
「これはカイン様、木簡をたくさんお持ちのようですね。換金でよろしいですか?」
「ああ、頼むよ」
カインさんがカウンターに木簡を並べる。すると受け付けのお姉さんは驚いたのか眉が跳ね上がった。
「まぁ、こんなに稼いだのですね。何を倒されたのですか?」
「倒したのはツインベアー二体だけど、丸ごと持ってきたんだ」
「え……? ツインベアー二体なんて人の運べる量じゃないですよ? あれは重すぎてばらさないと荷台に乗りませんし」
「それとワイバーンの魔石があったんだ。持っていたのはこの子だし、ツインベアーを運んだのもこの子だ」
うんまぁ、そうなんだけどさ。あまり変に追求されたくないんですけど。受け付けのお姉さん私の方ジーッと見てるし。
「そ、そうなんですね……。とにかく換金ですね、少々お待ちください」
幸いにもお姉さんは特に何も聞かず換金してくれるようだ。聞かれないならそれに越したことはないんだけどね。
程なくして受け付けのお姉さんは大量の金貨が入っているであろう布袋を持って来た。それをカインさんたちが3人がかりで勘定をして私に取り分を渡してくれた。ありがたいことに目の前で数を数えながら布袋に入れてくれたので確認の手間もない。
「これが嬢ちゃんの取り分の金貨140枚だ。大金だから冒険者ギルドに登録して殆どを預けておくことを勧めるよ」
「ありがとうございます。それと依頼の方もお願いしたいです」
私が依頼という単語を口にすると、受け付けのお姉さんがニッコリと営業スマイルを向けて話しかけてきた。
「ご依頼でございますか? それでしたらこちらでお受けいたします。文字を書くことはできますか?」
「いいえ、読み書きはできません」
残念ながら文字の読み書きができないのは確認済みだ。事前にわかったおかげで余計な恥をかかなくて済んで良かったよ。
「わかりました。では依頼内容と依頼主様のお名前をお願いします。依頼内容により、こちらが相場を提示いたしますね」
おお、相場を提示してくれるのは助かる。お金の価値もわかんないから教えてもらいたいことはたくさんありそうだ。
「ありがとうございます。私はテアと言います。依頼は私がこの街で生活基盤を作るためのサポートです。Aランクパーティ風の旅人を指名したいと思います」
「テア様ですね。生活基盤を作るためのサポートとのことですが、期間の方は如何なさいますか?」
「生活基盤を作るだけなら嬢ちゃんならそう難しいことじゃない。アフターケアも含めて一週間てとこだろうな」
横からアルスターさんが期間を指定する。私の能力を生かすなら冒険者かな?
冒険のイロハを教えてもらえるだけでもかなり助かるけど、一週間て短いような気がするなぁ。とはいえ1ヶ月だとさすがに迷惑だろうし、それで大丈夫かな?
「じゃあ一週間で。こういう依頼ってやっぱり珍しいですか?」
「そうですね。冒険のやり方や戦い方を教えて欲しいとかそういう類の依頼に分類されますので相場もそれに従うことになります。Aランクパーティに教えを乞うのでしたら相場は1日金貨2枚ですね。利用されるのは主に貴族の方です」
貴族が利用するってことは指導料は高めの設定なんだろうなきっと。でも今は潤っているし必要経費だから問題ないかな?
「わかりました、それでお願いします」
「はい、では依頼書を作成致しますので少々お待ちください」
金額も決まり、お姉さんは書類の作成に入る。書類は割とすぐにできており、依頼を受けることになるカインさんに手渡された。私は見てもわからないので渡されても困るだろうから渡さなかったのだろう。
「これで問題なければ受注のサインをお願いします」
「ええ、問題ありません」
カインさんがペンを走らせサインをしているようだ。依頼書とやらを見せてもらったんだけど、何が書いてあるかさっぱりだった。読み書きを教えて貰えるところがあればいいんだけどなぁ。
カインさんが依頼書を受け付けのお姉さんに渡すと、私にその依頼書を見せて説明を始めた。
「では依頼終了について説明致します。依頼の期間の終了、または依頼が達成されたと判断された場合は依頼主がこの依頼書のここに評価を書くことになります。達成度は5段階評価になっていまして、最高評価は☆でそこから順に◎、〇、△、✕となっております。☆を与える場合、追加報酬が必要になります。その場合追加分の記載をお願いしておりますが、文字が書けない場合は書かなくても大丈夫です。追加分の報酬額に関しては特にルールはございません」
お姉さんは説明のために評価に使われる図柄が書かれた紙も見せてくれた。なるほど、これなら読み書きができなくても評価を書くことができる。上手く考えたものだ。
「わかりました、ありがとうございます」
「では依頼書は風の旅人の方にお返しいたします。終わったら依頼主の方に評価をお願いしてください」
「はい、わかりました」
カインさんが依頼書を受け取り、たたんで背中のリュックにしまう。
「以上で説明を終わります。お疲れ様でした」
そして説明の終了を丁寧に頭を下げて告げるとまた営業スマイルを見せるのだった。
そして夕方ともなれば既に飲み始めている冒険者もおり、中はとても賑やかだ。私達が入って来たときこちらに注目する冒険者も多かったが、カインさん達を見て再び仲間との話や食事に集中する人が多かった。
「じゃあ先ずは受け付けカウンターへ行こうか。先ずは換金してそれから依頼を出せばいいから」
「はい」
カインさんに連れられ、私達はカウンターへと向かう。受け付けは綺麗なお姉さんだ。カインさんがカウンターの前へ出ると丁寧にお辞儀をして出迎える。
「これはカイン様、木簡をたくさんお持ちのようですね。換金でよろしいですか?」
「ああ、頼むよ」
カインさんがカウンターに木簡を並べる。すると受け付けのお姉さんは驚いたのか眉が跳ね上がった。
「まぁ、こんなに稼いだのですね。何を倒されたのですか?」
「倒したのはツインベアー二体だけど、丸ごと持ってきたんだ」
「え……? ツインベアー二体なんて人の運べる量じゃないですよ? あれは重すぎてばらさないと荷台に乗りませんし」
「それとワイバーンの魔石があったんだ。持っていたのはこの子だし、ツインベアーを運んだのもこの子だ」
うんまぁ、そうなんだけどさ。あまり変に追求されたくないんですけど。受け付けのお姉さん私の方ジーッと見てるし。
「そ、そうなんですね……。とにかく換金ですね、少々お待ちください」
幸いにもお姉さんは特に何も聞かず換金してくれるようだ。聞かれないならそれに越したことはないんだけどね。
程なくして受け付けのお姉さんは大量の金貨が入っているであろう布袋を持って来た。それをカインさんたちが3人がかりで勘定をして私に取り分を渡してくれた。ありがたいことに目の前で数を数えながら布袋に入れてくれたので確認の手間もない。
「これが嬢ちゃんの取り分の金貨140枚だ。大金だから冒険者ギルドに登録して殆どを預けておくことを勧めるよ」
「ありがとうございます。それと依頼の方もお願いしたいです」
私が依頼という単語を口にすると、受け付けのお姉さんがニッコリと営業スマイルを向けて話しかけてきた。
「ご依頼でございますか? それでしたらこちらでお受けいたします。文字を書くことはできますか?」
「いいえ、読み書きはできません」
残念ながら文字の読み書きができないのは確認済みだ。事前にわかったおかげで余計な恥をかかなくて済んで良かったよ。
「わかりました。では依頼内容と依頼主様のお名前をお願いします。依頼内容により、こちらが相場を提示いたしますね」
おお、相場を提示してくれるのは助かる。お金の価値もわかんないから教えてもらいたいことはたくさんありそうだ。
「ありがとうございます。私はテアと言います。依頼は私がこの街で生活基盤を作るためのサポートです。Aランクパーティ風の旅人を指名したいと思います」
「テア様ですね。生活基盤を作るためのサポートとのことですが、期間の方は如何なさいますか?」
「生活基盤を作るだけなら嬢ちゃんならそう難しいことじゃない。アフターケアも含めて一週間てとこだろうな」
横からアルスターさんが期間を指定する。私の能力を生かすなら冒険者かな?
冒険のイロハを教えてもらえるだけでもかなり助かるけど、一週間て短いような気がするなぁ。とはいえ1ヶ月だとさすがに迷惑だろうし、それで大丈夫かな?
「じゃあ一週間で。こういう依頼ってやっぱり珍しいですか?」
「そうですね。冒険のやり方や戦い方を教えて欲しいとかそういう類の依頼に分類されますので相場もそれに従うことになります。Aランクパーティに教えを乞うのでしたら相場は1日金貨2枚ですね。利用されるのは主に貴族の方です」
貴族が利用するってことは指導料は高めの設定なんだろうなきっと。でも今は潤っているし必要経費だから問題ないかな?
「わかりました、それでお願いします」
「はい、では依頼書を作成致しますので少々お待ちください」
金額も決まり、お姉さんは書類の作成に入る。書類は割とすぐにできており、依頼を受けることになるカインさんに手渡された。私は見てもわからないので渡されても困るだろうから渡さなかったのだろう。
「これで問題なければ受注のサインをお願いします」
「ええ、問題ありません」
カインさんがペンを走らせサインをしているようだ。依頼書とやらを見せてもらったんだけど、何が書いてあるかさっぱりだった。読み書きを教えて貰えるところがあればいいんだけどなぁ。
カインさんが依頼書を受け付けのお姉さんに渡すと、私にその依頼書を見せて説明を始めた。
「では依頼終了について説明致します。依頼の期間の終了、または依頼が達成されたと判断された場合は依頼主がこの依頼書のここに評価を書くことになります。達成度は5段階評価になっていまして、最高評価は☆でそこから順に◎、〇、△、✕となっております。☆を与える場合、追加報酬が必要になります。その場合追加分の記載をお願いしておりますが、文字が書けない場合は書かなくても大丈夫です。追加分の報酬額に関しては特にルールはございません」
お姉さんは説明のために評価に使われる図柄が書かれた紙も見せてくれた。なるほど、これなら読み書きができなくても評価を書くことができる。上手く考えたものだ。
「わかりました、ありがとうございます」
「では依頼書は風の旅人の方にお返しいたします。終わったら依頼主の方に評価をお願いしてください」
「はい、わかりました」
カインさんが依頼書を受け取り、たたんで背中のリュックにしまう。
「以上で説明を終わります。お疲れ様でした」
そして説明の終了を丁寧に頭を下げて告げるとまた営業スマイルを見せるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下
akechi
ファンタジー
ルル8歳
赤子の時にはもう孤児院にいた。
孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。
それに貴方…国王陛下ですよね?
*コメディ寄りです。
不定期更新です!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる