6 / 80
6
しおりを挟む
バルト一家との買物は、一々に驚いてばかりで、終わる頃にはぐったりとしてしまった
どれだけ溜めてたのって聞きたくなるくらいに、商品の金額も気に留める事もせず、どんどん買っていくんだもの。心配になって、お金は大丈夫なのか聞いたら「持って行っても仕方の無い物だから」って言われた
確かに、使う所が無いので持っていても、何の役にもたたないのは確かだ
バルト一家は、まるでお金を残す気は無く、むしろ使い切る気満々で、色んな物を買っていった
買物が終わり、集合場所に行くと既に皆揃っていた。カリナの言っていた通り、みんなアイテムボックス系統のスキル持ちなのであろう。買った荷物は何処にも見当たらない
「みなさんお揃いでしたか。お待たせしてしまいましたか?」
「いや、たいして待っておらんよ。ついさっき全員揃ったばかりだしな」
ニコニコと笑いながらバハトが言った。バハトの横では、ぐったりとしたダノバスが、地面に座り込んでいた
「ダノバス、大丈夫?」
あまりにもぐったりとしていたので、心配になって声をかけると、ゆっくりと顔を上げて、覇気のない笑みを浮かべながら、大丈夫だと言われる
(い、いったい何があったんだろう…)
いつになくニコニコしているバハトをチラリと見る。何だか、嬉しいと言うよりもスッキリとした清々しい笑顔を見せているバハト
ダノバス、ごめん。僕には何があったのか聞く勇気は無いよ…
「まったく。元騎士団長ともあろう男が、この位でへばるとは。情けない」
そう吐き捨てる様にバハトが言った。そんなバハトを恨めしそうに見て、ダノバスが立ち上がる
「誰のせいだと思ってやがるんだ、こんのクソじじいめ…!」
本当は大きな声でそう言いたかったのだろうが、疲れ切っていてそんな元気も残っていないみたいだ
「ダノバス。この街には宿泊しないのですよ?このまま出発し、明日には魔の森に入る予定なのです。今からそんなにへばっていては、先が思いやられますよ、まったく」
「わかってる…!俺は大丈夫だ、出発しよう」
そう言って重たそうに歩き出す。ゆっくりとした足取りで、先に行ってしまった
「バルス、行く場所は決まってるから、急いで行かなくても大丈夫だよ?」
せめて、ダノバスの疲れ?が取れてからでも良いと思って言ったんだけど
「いいえ。早く最果ての地に入ってしまいましょう。監視が鬱陶しいですからね」
「あ…」
バルス、気づいていたんだ。いや、何もおかしな事ではないのかもしれない。バルスは父上の側付きだったから、父上のやり方も、僕なんかより知っていてもおかしくはない
「ダノバスには申し訳ありませんが、出来るだけ早く最果ての地に入り、監視を解きたいのです。でなければ、話す事やる事、全て報告が行ってしまいますからね。最果ての地に入れば、監視も入って来ないでしょうから、自由に出来ますしね」
「そっか…監視が付く事は分かっていたけど、そこまで考えて無かったから…」
「ふふ。仕方ありませんよ。マリス様は我々が共に行く事をご存じなかったですし、そもそも最果ての地で生き残れる可能性を見いだせていなかったでしょうから」
「うっ…確かに」
「それに、必要以上にみなが話さないのは、監視が付いている事を知っているからですし、最果ての地を開拓できると知れば、ルノル辺境伯は必ず手に入れる為に動くでしょうからね。そんなの面白くないでしょう?」
「面白くないって……でも、確かに父上なら動くだろうね」
「なので、さっさと目的地に行くに限るんですよ」
纏わりつくような監視の視線は、心地いいものではないし、そこには賛成だ
「あ…でも、こんな事話して大丈夫なの?今はまだ監視が、」
「ふふ。大丈夫ですよ。上手く聞き取れない様に魔法を使っていますから。でも、怪しまれる前に行きましょう」
そう言ってバルスは歩き出してしまった
どれだけ溜めてたのって聞きたくなるくらいに、商品の金額も気に留める事もせず、どんどん買っていくんだもの。心配になって、お金は大丈夫なのか聞いたら「持って行っても仕方の無い物だから」って言われた
確かに、使う所が無いので持っていても、何の役にもたたないのは確かだ
バルト一家は、まるでお金を残す気は無く、むしろ使い切る気満々で、色んな物を買っていった
買物が終わり、集合場所に行くと既に皆揃っていた。カリナの言っていた通り、みんなアイテムボックス系統のスキル持ちなのであろう。買った荷物は何処にも見当たらない
「みなさんお揃いでしたか。お待たせしてしまいましたか?」
「いや、たいして待っておらんよ。ついさっき全員揃ったばかりだしな」
ニコニコと笑いながらバハトが言った。バハトの横では、ぐったりとしたダノバスが、地面に座り込んでいた
「ダノバス、大丈夫?」
あまりにもぐったりとしていたので、心配になって声をかけると、ゆっくりと顔を上げて、覇気のない笑みを浮かべながら、大丈夫だと言われる
(い、いったい何があったんだろう…)
いつになくニコニコしているバハトをチラリと見る。何だか、嬉しいと言うよりもスッキリとした清々しい笑顔を見せているバハト
ダノバス、ごめん。僕には何があったのか聞く勇気は無いよ…
「まったく。元騎士団長ともあろう男が、この位でへばるとは。情けない」
そう吐き捨てる様にバハトが言った。そんなバハトを恨めしそうに見て、ダノバスが立ち上がる
「誰のせいだと思ってやがるんだ、こんのクソじじいめ…!」
本当は大きな声でそう言いたかったのだろうが、疲れ切っていてそんな元気も残っていないみたいだ
「ダノバス。この街には宿泊しないのですよ?このまま出発し、明日には魔の森に入る予定なのです。今からそんなにへばっていては、先が思いやられますよ、まったく」
「わかってる…!俺は大丈夫だ、出発しよう」
そう言って重たそうに歩き出す。ゆっくりとした足取りで、先に行ってしまった
「バルス、行く場所は決まってるから、急いで行かなくても大丈夫だよ?」
せめて、ダノバスの疲れ?が取れてからでも良いと思って言ったんだけど
「いいえ。早く最果ての地に入ってしまいましょう。監視が鬱陶しいですからね」
「あ…」
バルス、気づいていたんだ。いや、何もおかしな事ではないのかもしれない。バルスは父上の側付きだったから、父上のやり方も、僕なんかより知っていてもおかしくはない
「ダノバスには申し訳ありませんが、出来るだけ早く最果ての地に入り、監視を解きたいのです。でなければ、話す事やる事、全て報告が行ってしまいますからね。最果ての地に入れば、監視も入って来ないでしょうから、自由に出来ますしね」
「そっか…監視が付く事は分かっていたけど、そこまで考えて無かったから…」
「ふふ。仕方ありませんよ。マリス様は我々が共に行く事をご存じなかったですし、そもそも最果ての地で生き残れる可能性を見いだせていなかったでしょうから」
「うっ…確かに」
「それに、必要以上にみなが話さないのは、監視が付いている事を知っているからですし、最果ての地を開拓できると知れば、ルノル辺境伯は必ず手に入れる為に動くでしょうからね。そんなの面白くないでしょう?」
「面白くないって……でも、確かに父上なら動くだろうね」
「なので、さっさと目的地に行くに限るんですよ」
纏わりつくような監視の視線は、心地いいものではないし、そこには賛成だ
「あ…でも、こんな事話して大丈夫なの?今はまだ監視が、」
「ふふ。大丈夫ですよ。上手く聞き取れない様に魔法を使っていますから。でも、怪しまれる前に行きましょう」
そう言ってバルスは歩き出してしまった
360
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。
いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。
そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。
【第二章】
原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。
原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界転生してしまった。どうせ死ぬのに。
あんど もあ
ファンタジー
好きな人と結婚して初めてのクリスマスに事故で亡くなった私。異世界に転生したけど、どうせ死ぬなら幸せになんてなりたくない。そう思って生きてきたのだけど……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる