転生貴族のスローライフ

マツユキ

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僕とトトの修行の日々が始まった。僕は再び、だけどね

学園で言うと、座学と実技を交互にしっかりと教え、知識と技術を叩き込むって感じの教え方だったゲルドラ様に、驚いたのは秘密だ

だって、竜がそんな繊細な教え方をするなんて、思わないだろう?バハトを含めた僕の師は、みんな脳筋か脳筋に近い教え方だったからさ。今回も身構えていたんだけど

しかも、教え方もすこぶる上手いんだ。解りやすく丁寧、理解できない事は噛み砕いて説明し、理解出来るまで

ゲルドラ様曰く、きちんと仕組みや成り立ち、関係性を理解していないといけないから、解らない事はきちんと聞くように、との事だった

知識欲旺盛な僕にとって、ゲルドラ様との座学はとても充実したもので、修行がこんなに楽しくていいのかと思った程だ


で、座学が終われば次は実技だ。使うのは何かの種、一つ

『先ずは時を進め、戻す事が出来る様になるのだ。対象はこの種一つだ。よいな?』

僕は頷くと、種を見つめて集中した。頭で種の成長を思い浮かべて

イメージが固まると、僕は種に魔力を流す。種に魔力が触れた瞬間、種は爆発したかの様に一瞬にして、イメージ以上に成長してしまった

ビックリして尻餅をついてしまった僕に

『流す魔力が多すぎだ。言っただろう?不可侵の属性は、時も含め繊細な魔力操作が必要になる。今まで魔法を使ってきた感覚で使用すれば、この様な惨事になるのだ。此度は種であったから良いが、これが種でなかったら、わかるな?』

「はい。僕が思っていたよりも繊細ですね・・・」

これは時間がかかってしまうかもしれない。そう思っていると

『簡単には出来ぬよ。繊細であればある程、それだけ扱いが難しくなる。扱いが難しいと言う事は、それだけ周りに与える影響も大きくなると言う事だ。だから時間をかけて、確実に習得した方が良いのだ。焦って仕舞えば間違いも起きる。力は振りかざすのではなく、振るうのだ。守るためにな。だから、焦りは禁物だ。時間がかかるならかければ良い』

「はい。はぁ・・・この癖は治せと、みんなに言われました。ここは辺境伯家ではないし、僕も辺境伯家の人間ではなくなった。だから、もっと自由になっていいんだって。でも、習慣になってたから、意識はしていても無意識に。ふぅ・・・」

『そなたの境遇は、ダノバスから聞いたが。習慣になっていた事は、意識したとしても中々抜けぬだろうよ。だったら習慣を変えれば良いだけだ』

「習慣を変える?」

『うむ。何事もじっくりゆっくり丁寧に。これを繰り返す事で、初めは言葉通り時間はかかるだろうが、習慣になってくると、理解するスピードは早くなってくる』

「成程。無くそうとするのではなく、新しい習慣で上書きした方が、早いって事か。しかも、その習慣が身に付けば僕にとってもいい事ばかり」

『その通り。時間に追われておる訳でもなし』

「えぇ。幸いにも時間はたっぷりあるし、穏やかでリラックス出来る環境もある。全くもってゲルドラ様の言う通りですね!何で今まで気づかなかったんだろう」

『そなたが無くす事に固執しておったからだ。一つの事しか見ておらぬと、他の可能性を見落とす。いいな?』

「はい!」

ゲルドラ様って、教師に向いている。失礼だけど、心底そう思ってしまった

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