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初めて見るバハトとユリウスさんが、暫く固まったまま戻って来なかったので、僕達もせっかくだからと寛いで待っていた
待つ事、1時間
「はっ申し訳ありません!」
目的を思い出したのか、ユリウスさんが慌てた様に謝って来た。まぁ、普通1時間も待たせれば怒って良いんだろうけど、久しぶりにここでゆっくりと出来て、僕達は意外とご満悦だった。何なら、もういいの?ってすら思っているほどだし
「全然かまいませんよ。ここにいると、何だか凄く落ち着くので。では、各施設の説明をしますね」
「はい。お願いします」
こうして、僕達は施設めぐりを始めた
ユリウスさんは見た目からは想像出来ない程、各所でとてもいい反応を見せてくれた。キラービーを見た時は目が飛び出そうな程ビックリするし、巣の下に設置している魔道具の説明をすれば、キラキラと目を輝かせ、ハチミツを見れば、更に目を輝かせていた
通常、キラービーのハチミツは高値で売買されるため、一般の市場に出回る事など無い。上流階級の貴族でさえ、口に出来る事は殆どないのだ
そのハチミツが特産物として扱えれば、利益は莫大な物になるだろう
「素晴らしい!」
大絶賛のユリウスさんを、各農園に案内する。広大な土地に広がる菜園、果樹園。薬草畑や希少な物まで勢ぞろいな、農園とは思えない程の圧巻の光景だったのだろう
言葉も無い程驚き、
「これは、骨が折れそうだな…」
とボソッと呟いていた。その顔は言葉とは裏腹に、とてもキラキラと輝いていて一安心した
続いて魔道具だ
研究施設に案内して、ついでにカリナとコリンを紹介する。暫く話した後、市場に出せる魔道具などの話をする事に
「この通信魔道具は実に画期的ですね!ですが…これを流通させるのは、少々危険でしょう」
「うん。必ず悪用しようとする人は現れると思う。だから、この通信魔道具はこの街だけ。ここに住む領民たちの間だけで流通させようと思ってる。この通信魔道具だと、かなり高性能すぎるからここから何段階か性能を下げた物を、そうだなぁ…2種程用意して、領民の間でも苦なく流通出来る様にね。だから、この魔道具は特産物としての扱いでは無いかな」
僕の答えに、納得したように頷くユリウスさん
「だけど、ユリウスさんにはこの魔道具はもってもらうよ?連絡を取りたい事なんて山ほどあるだろうしね」
「何と!私に、ですか。それは…そこまで信頼して頂けるとは」
「うん?初めに言った通り、信頼はしてるよ。正直、ここに拠点を作って欲しいと思ってるし」
「え?私はそのつもりで来たのですが…」
僕達の間に、少しの間が生まれた
「え!?いてくれるの!?」
「え、えぇ。バハトさんからはそう聞いていますし、父からもそう言われています。なので、先発隊として私と少人数ですが部下を伴ってきました。後から、私の家族と父も、こちらに来る予定になっています」
「そ、そうだったんだ。ごめん、勘違いしてたよ。あ、それなら連絡手段は持っていた方が、尚更いいでしょう。ここから結構距離はあるのかな?転送した方が早いんだけど…あっ!バハトって確か、転送魔法使えたんじゃなかったっけ?」
「転送魔法?使える事には使えますぞ。なるほど、儂であれば知人じゃから転送は出来ますな。確か、お主の妻子も近くに住んでいたな?」
「え、えぇ」
「フム。ならばあ奴に転送すれば良いじゃろう」
そうと決まれば、通信魔道具の設定を行って、使い方の説明を書いた紙と一緒に、バハトに2つの通信魔道具を渡した
待つ事、1時間
「はっ申し訳ありません!」
目的を思い出したのか、ユリウスさんが慌てた様に謝って来た。まぁ、普通1時間も待たせれば怒って良いんだろうけど、久しぶりにここでゆっくりと出来て、僕達は意外とご満悦だった。何なら、もういいの?ってすら思っているほどだし
「全然かまいませんよ。ここにいると、何だか凄く落ち着くので。では、各施設の説明をしますね」
「はい。お願いします」
こうして、僕達は施設めぐりを始めた
ユリウスさんは見た目からは想像出来ない程、各所でとてもいい反応を見せてくれた。キラービーを見た時は目が飛び出そうな程ビックリするし、巣の下に設置している魔道具の説明をすれば、キラキラと目を輝かせ、ハチミツを見れば、更に目を輝かせていた
通常、キラービーのハチミツは高値で売買されるため、一般の市場に出回る事など無い。上流階級の貴族でさえ、口に出来る事は殆どないのだ
そのハチミツが特産物として扱えれば、利益は莫大な物になるだろう
「素晴らしい!」
大絶賛のユリウスさんを、各農園に案内する。広大な土地に広がる菜園、果樹園。薬草畑や希少な物まで勢ぞろいな、農園とは思えない程の圧巻の光景だったのだろう
言葉も無い程驚き、
「これは、骨が折れそうだな…」
とボソッと呟いていた。その顔は言葉とは裏腹に、とてもキラキラと輝いていて一安心した
続いて魔道具だ
研究施設に案内して、ついでにカリナとコリンを紹介する。暫く話した後、市場に出せる魔道具などの話をする事に
「この通信魔道具は実に画期的ですね!ですが…これを流通させるのは、少々危険でしょう」
「うん。必ず悪用しようとする人は現れると思う。だから、この通信魔道具はこの街だけ。ここに住む領民たちの間だけで流通させようと思ってる。この通信魔道具だと、かなり高性能すぎるからここから何段階か性能を下げた物を、そうだなぁ…2種程用意して、領民の間でも苦なく流通出来る様にね。だから、この魔道具は特産物としての扱いでは無いかな」
僕の答えに、納得したように頷くユリウスさん
「だけど、ユリウスさんにはこの魔道具はもってもらうよ?連絡を取りたい事なんて山ほどあるだろうしね」
「何と!私に、ですか。それは…そこまで信頼して頂けるとは」
「うん?初めに言った通り、信頼はしてるよ。正直、ここに拠点を作って欲しいと思ってるし」
「え?私はそのつもりで来たのですが…」
僕達の間に、少しの間が生まれた
「え!?いてくれるの!?」
「え、えぇ。バハトさんからはそう聞いていますし、父からもそう言われています。なので、先発隊として私と少人数ですが部下を伴ってきました。後から、私の家族と父も、こちらに来る予定になっています」
「そ、そうだったんだ。ごめん、勘違いしてたよ。あ、それなら連絡手段は持っていた方が、尚更いいでしょう。ここから結構距離はあるのかな?転送した方が早いんだけど…あっ!バハトって確か、転送魔法使えたんじゃなかったっけ?」
「転送魔法?使える事には使えますぞ。なるほど、儂であれば知人じゃから転送は出来ますな。確か、お主の妻子も近くに住んでいたな?」
「え、えぇ」
「フム。ならばあ奴に転送すれば良いじゃろう」
そうと決まれば、通信魔道具の設定を行って、使い方の説明を書いた紙と一緒に、バハトに2つの通信魔道具を渡した
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