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「会長、お早う御座います」
光のおしゃべりを遮る、穏やかな優しい声がした
「なっ、お前だれだよ!?今竜と話してるんだ!邪魔するなよな!」
自分の言葉を遮られた事と、竜元に話しかけた事に憤慨する光
「……、結良君。おはよう、体はもう大丈夫?」
光を一目見たあと、直ぐに視線を結良に向けた
「あ、はい。水城先輩、お久しぶりです」
結良の言葉に、嬉しそうに目を細める
「会長が戻って来られるまで、結良君は籠りっぱなしだったからね?」
いたずらっ子の様な表情をする水城
「うっ」
水城とは、竜元を介して知り合い、それからは本当によくしてくれた。一件近寄りがたい雰囲気をしている水城。しかし、自身が認めた者には、とても優しいのだ
水城 要。生徒会長 親衛隊隊長である
175㎝の身長に、細身の体型。中性的な容姿も相まって、見る人に儚げな印象を与えるが、実はとても優しく、穏やかな反面、とても厳しい人でもあった
結良は、そんな水城をとても信頼しているし、好きだった。まるで、兄の様だと何時も思っていたのだ
そんな和やかな雰囲気を、ぶち壊すかのように、
「俺が話してたんだぞ!結良、お前もだぞ!」
無視をされた事に、憤慨した光は、結良の腕を掴んだ。相手の事など、微塵も考えずに、力を込めて腕を掴む光。その目は、結良を射殺さんばかりに睨みつけていた
「結良も、俺と話していたんだ!いくら俺と話したいからって、割り込んで来たらダメなんだぞ!」
そう水城に向かって言い放った光
「…」
水城は無言のまま、信じられない者を見るかのような目をしていた。あんなあからさまな態度をとっていたにも関わらず、それらは光の気を引きたくて、やった事なのだろうと、言わんばかりの顔をしている光
「―――水城、それに言葉は通じない。関わるだけ時間の無駄だ。結良、行こう」
竜元は、強く掴んでいる光の手を、結良から引きはがし、自分の後ろへと、隠す様に移動させる。実に自然かつ、スマートな流れ作業に、一瞬呆気にとられる光だったが、結良を後ろに隠す竜元に、再び怒りが湧きおこる
その怒りの矛先は、勿論のごとく、竜元ではなく結良に、だ
(また…まただっ!そこは俺がいるべき場所なのに!)
「その様ですね。あ、会長。お話ししたい事があります。同行しても宜しいですか?」
「構わない」
それだけ言うと、竜元は結良の手を掴んで歩き出す。それに続く形で、水城も去って行く。後ろからは、光の叫び声が聞こえてくるが、控えていた隊員たちが、光を通せんぼするように、立ちはだかってくれたお陰で、光から離れる事が出来た結良は、ホッと息をついた
*****
やっと投稿できました…
出来れば毎日1話は更新したいと思っています。ですが、出来ない日がある事をご了承頂けると幸いです
申し訳ないです…
光のおしゃべりを遮る、穏やかな優しい声がした
「なっ、お前だれだよ!?今竜と話してるんだ!邪魔するなよな!」
自分の言葉を遮られた事と、竜元に話しかけた事に憤慨する光
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「うっ」
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175㎝の身長に、細身の体型。中性的な容姿も相まって、見る人に儚げな印象を与えるが、実はとても優しく、穏やかな反面、とても厳しい人でもあった
結良は、そんな水城をとても信頼しているし、好きだった。まるで、兄の様だと何時も思っていたのだ
そんな和やかな雰囲気を、ぶち壊すかのように、
「俺が話してたんだぞ!結良、お前もだぞ!」
無視をされた事に、憤慨した光は、結良の腕を掴んだ。相手の事など、微塵も考えずに、力を込めて腕を掴む光。その目は、結良を射殺さんばかりに睨みつけていた
「結良も、俺と話していたんだ!いくら俺と話したいからって、割り込んで来たらダメなんだぞ!」
そう水城に向かって言い放った光
「…」
水城は無言のまま、信じられない者を見るかのような目をしていた。あんなあからさまな態度をとっていたにも関わらず、それらは光の気を引きたくて、やった事なのだろうと、言わんばかりの顔をしている光
「―――水城、それに言葉は通じない。関わるだけ時間の無駄だ。結良、行こう」
竜元は、強く掴んでいる光の手を、結良から引きはがし、自分の後ろへと、隠す様に移動させる。実に自然かつ、スマートな流れ作業に、一瞬呆気にとられる光だったが、結良を後ろに隠す竜元に、再び怒りが湧きおこる
その怒りの矛先は、勿論のごとく、竜元ではなく結良に、だ
(また…まただっ!そこは俺がいるべき場所なのに!)
「その様ですね。あ、会長。お話ししたい事があります。同行しても宜しいですか?」
「構わない」
それだけ言うと、竜元は結良の手を掴んで歩き出す。それに続く形で、水城も去って行く。後ろからは、光の叫び声が聞こえてくるが、控えていた隊員たちが、光を通せんぼするように、立ちはだかってくれたお陰で、光から離れる事が出来た結良は、ホッと息をついた
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申し訳ないです…
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