平凡が征くVRMMO記録(更新停止)

どうしようもない

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『始まりの街』

3.モンスターとの初戦闘

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 西の草原に到着した俺とテイルはそれぞれ分かれてモンスターを狩ることになった。

 途中で東の草原を通ったが人がかなりギュウギュウ詰めになっており大変そうだった。「見ろぉ!人がゴミの様だぁ!!」とか言いながら通ったら物凄い視線で見られて恥ずかしかった。

 テイルがその時、思いっきり他人のフリしてたからわざと「なぁ!友よ!」とか言って道連れにしてやったけどな。後で凄い怒られたけど…

 あいつ怒ると怖いんだよ…

 そして現在、俺が居る西の草原は有難いことにあまり人がおらず、比較的狩りやすい状況である。大体のプレイヤーは東の草原か南の森林に行っているようだった。

 俺はそんなことを思いながら《盗賊》スキルのアーツ〈気配察知〉でモンスターを探していた。

 しばらく草原を〈気配察知〉を使用しながら探索しているとやっとモンスターの気配が一匹した。

 引っかかった気配の方へ移動するとそこには顔と体の比率が5:5くらいの体と顔が全く同じ大きさの珍妙な犬型モンスター、ヘッドドッグがいた。

 ヘッドドッグはまだこちらには気づいておらずもたもたと呑気に歩いている。どうやら顔が大きすぎてゆっくりじゃなきゃバランスが取れない様だ。

 俺はまず、《短剣》と《隠蔽》スキルを試すことにした。

 俺は限界までヘッドドッグに近づいて岩陰に隠れながら《隠蔽》を発動し、自らの気配を消す。そして気付かれないように全速力でヘッドドッグに近づいていく。

 5秒間。短い様で普通に短いのだ。日本語がおかしいが気にしない。


 発動してから2秒、まだ攻撃できる範囲じゃない。


 3秒、まだだ。まだ届かない。


 4秒まだ足りない。まだ。まだ。


 そして――5秒。
 ここでこれ以上行くとペナルティが発生するので《隠蔽》を解除する。

 次の瞬間、俺の気配が顕著に世界に投影される。もちろんヘッドドッグはすぐに俺に気づき、バランスの悪さをものともしないジャンプで方向転換しこちらに向き直った、がもう遅い。

 こちらを向いた時にはもう攻撃範囲だ。俺はヘッドドッグの目と鼻の間にブスリと短剣を突き刺した。

「キャイン!?」

 血のエフェクトが飛び散る。ヘッドドッグは情けない鳴き声を上げる、が仕方ないだろう。いきなり刃で突き刺されたのだ。動揺しない方がおかしい。

 俺はすぐさま短剣を抜き、ヘッドドッグが激痛に気を取られている間に短剣を横に持ち替え、そのまま横で首に突き刺す。そして《短剣》アーツの〈スラッシュ〉を発動し、一気に首を掻っ切る。

 先程よりもスプラッタな感じで血が飛び散る。もう飛び散るっていうより飛び散らかすみたいな感じだ。しかしヘッドドッグは次の瞬間、一気に加速をし突進をしてきた。

 咄嗟の事で避けられずに俺の腹にその突進は直撃した。俺の体力が30%程一気に減る。しかし、それで驚いている暇はない。

 すぐさま、突進で俺と体が密着しているヘッドドッグの鼻に短剣を突き刺す。〈スラッシュ〉を発動させようとしたがクールタイム中で発動できなかった。

 しかし発動する必要も無かったようでヘッドドッグは短剣が突き刺さったまま光の粒子になって消えていった。

 ヘッドドッグが居た場所にはドロップ品の【ヘッドドッグの牙】が落ちていた。

 俺はそのドロップ品を拾った後、体力を回復させるためにしばらく座って待機していた。大体90%ぐらいだろうか?そのくらいまで体力が回復したのでまた戦闘に移行する。


 その後は最初と同じ手段でヘッドドッグを3匹ほど倒した。一段階目スキルと言う事もありスキルレベルがガンガン上がって気持ちいいことこの上ない。

ちなみにだが、2匹目から《視覚強化》スキルを発動しながら戦闘をしたのだが、これがなんとも使いやすい。なんでかは分からんがなんとなく使いやすいのだ。

「さて…そろそろ《闇魔法》スキルのアーツにも手を出してくか…」

 俺はそう言いながら少し遠くに見える新モンスター、ワフットの存在を確認しながらそう呟いた。ワフットは全身がまるっとしており、葉が全身についていミノムシみたいなモンスターだ。

 アーツを使うには全て共通で【APアーツポイント】が必要になってくる。これはスキルのLvが一定に達するとどんどん増えていく。体力も同様である。

 ちなみに先程使った《隠蔽》や《短剣》アーツの〈スラッシュ〉はアクティブスキルのためAPを使うが《盗賊》の〈気配察知〉はパッシブスキルのためAPは使用しない。

 ちなみにアクティブスキルとは、任意のタイミングで発動させることのできるスキルだ。
 パッシブスキルは、取得するだけで永続的に効果を持続させることが出来るスキルだ。

  「〈ダークボール〉!……で良いのか?」

 次の瞬間、俺の掌に黒い球体が出現した。その球体は紫色の瘴気を纏っておりとても禍々しい。そしてその球を飛ばそうと意識すると、真っ直ぐにワフット向かって飛んでいった。

 そのまま真っ直ぐ飛んでいった〈ダークボール〉はワフットの体の中心に直撃、ワフットは一気にダメージを受けた、……はずである。敵の体力などは見えないためどのくらい受けたかはよく分からない。

 しかし、ワフットはこちらにまだ気づいておらず、〈ダークボール〉がどこから飛んできたかを今、必死で探している途中である。

 これはラッキー。気付いていないのであれば有難い。俺は近くの岩陰で〈ダークボール〉のクールタイムが終わるのを待つ。

 ワフットがどこかに行かないか見張りながらだが、親切なことにワフットはその場所周辺をテクテクと歩いているだけで〈ダークボール〉射程範囲だ。

 そして、やっと〈ダークボール〉のクールタイムが終わり、またアーツが使えるようになった。俺はすぐに狙いを定め、〈ダークボール〉をワフット目掛けて射出する。

 ワフットは当たる直前でその球体の存在に気付いたがその時にはもう遅く、ボーン!と直撃した。すると先ほどまでは無かった演出がワフットを包み込んだ。

 球体が纏っていた紫色の瘴気がワフットに纏わりついたのである。どうやら状態異常の『盲目』に掛かったようだった。分かりやすいなぁ。

 ちなみに各属性魔法には稀に状態場を巻き起こす確率がある。先ほどの様に《闇魔法》は『盲目』、《火魔法》は『火傷』、《風魔法》は『麻痺』と言った具合だ。

 ワフットは『盲目』のバッドステータスで周りが少しの間見えなくなっている。俺は好機と捉え、すぐさまワフットに走り、近寄る。

 普通ならこんな近くに近づく前に何らかの攻撃を受けるのだと思うが『盲目』のお陰でワフットの視界は今は真っ暗。絶好のチャンスである。

 俺はそのまま走りながら、その勢いのまま、《体術》スキルのアーツを使用する。

「こんな感じで…ドーン!」

 《体術》スキルの拳アーツ〈ストレート〉を顔と思わしきところに決めてやった。ブニュッとしていて感触はとんでもなく気持ちが悪かったがそんなことを気にしている余裕はない。

 もしかしたらオーバーキルかもしれないが一応と言う事でそのまま流れるように脚アーツの〈回し蹴り〉も決めてやった。

 〈回し蹴り〉が上手く入った途端、ワフットはそのまま蹴りの衝撃で横にボヨンボヨンと飛び跳ねながら吹っ飛んでいった。

 そして、そのまま飛び跳ねながら近くにあった木にブヨン!とぶつかり光の粒子となって消えた。…結局一回も攻撃見れなかったな…

 ワフットのドロップ品は【ワフットリーフ】というワフットの体についていた葉と、【結合剤】と言うなんでこれがドロップしたのかが良く分からないアイテム達だった。

 モンスターから【結合剤】ってどうなんだよ…運営…


プレイヤー:ノア
【スキル一覧】
《短剣》Lv6(↑5UP)《体術》Lv5(↑4UP)《闇魔法》Lv5(↑4UP)
《盗賊》Lv7(↑6UP)《隠蔽》Lv6(↑5UP)《視覚強化》Lv2(↑1UP)
《鍛冶》Lv1《調薬》Lv1

スキルポイント:0


 *************************


《片手剣》
 片手剣を扱えるようになる。最もスタンダードな武器であり、最も使いやすい武器である。全て平均的な性能だが、未知の可能性を秘めており、様々な派生スキルが存在する。やはり、一番使いやすいのは《盾》との組み合わせである。主人公の同僚のテイルもその組み合わせを選んでいる当たり、使いやすいうえに、中々に強いと思われる。晩成型のスキルと言える。

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