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『始まりの街』
14.第1回マップボス・フロッグプレイサー戦リザルト
しおりを挟む「死んだなぁ」
「ええ、死にましたよ。ド派手にね」
輪廻の教会で生き返った俺とモブルは呟いた。
「まあ、強かった。以上ですね。僕は気長に楽な攻略法が出来るまで待ちますよ」
「ああ、分かった。ちなみにお前、持ってる生産系スキルってなんだ?」
俺はモブルにそう聞く。
「え…えーと《鍛冶》と《細工》、《木工》と《革職人》、《布職人》に《生産能力向上》ですが…それが何か?」
モブルは質問の意図がくみ取れなかったのか、疑問形で答えた。まあ、突然そんなこと聞かれても、そりゃそうなるだろうな。
「おし、大丈夫っぽいな。なあ、俺の装備作ってくれないか?」
「それってバk…ノアのヤツですよね」
「ねえ、今馬鹿って言いかけなかった?ねえ!」
と言うかもう馬鹿にしだしてるよね?完全に今俺の事、馬鹿って言いかけてるし…
「別に良いですよ。そのくらい」
「あー…うん。もう気にしたら負けなんだよな。OKOK.大丈夫」
その後、しばらく話し合ってどういうコンセプトの装備にするかを決めた。あと、金がもう、少ししか無かったので『北の洞窟』で倒しまくったモンスターの素材も売った。一部レアっぽい【ガンハンドの魂】やら何やらは一応売らなかった。
そこそこ金になった。
お陰で制作費用も渡すことが出来た。アイテムはこちらからほとんど出すという条件でギリギリだったが、まあ解決だ。後はしばらく待つだけ。
しかし早くても5時間は掛かると言われてしまった。今が大体現実世界では5時だ。となると完成は10時頃になる。今回中にボスへの再挑戦は無理っぽいな。デスペナルティもついてるし。
仕方ないな、こればっかりは。一回ログアウトして風呂と晩飯食ってこよーっと。
* * * * * * * * * * * * *
ログインすると少し夜が明け始めていた。
う~ん……まだ7時か…
一応もうデスペナルティは終わってるな……う~ん……
あ、そうだ!『南の森林』で薬草でも取って来よう。【薬草】も減ってるし、多分まだ見つけてない種類の草もあるだろうしな。
「けってーい」
そんなことを呟きながら『北の洞窟』へと向かった。
「おっ!【破裂草】!」
俺は見つけた薬草をしまった。モンスターもかなり倒したし、薬草系統も手に入った。新たに【破裂草】と【爆裂草】も見つけた。中々の収穫だ。
でも、前に1つだけ見つけた【技巧草】は見つからなかった。やっぱりアイム説明に書いてあった通り、かなり貴重なモノだったらしい。
もう、ここに2時間もいるしそろそろ帰ろうかな。《調薬》もしたいしな。
始まりの街に帰ると街の中心地に人が集まっており、なにやら皆ザワザワと騒いでいる。
何事かと近づいていくとプレイヤーが皆、空を見上げている。俺もそれに合わせてそれを見上げると、そこにはメッセージウィンドウで運営から連絡がきていた。
≪運営からの新情報!≫
≪プレイヤーの皆様、『プライム・ワールド・オンライン』いかがお過ごしでしょうか。
この度、アップデート情報、近日開催イベント情報をお伝え致します。
アップデートに関しましては下記にまとめさせておきました。
〔1.アーツの熟練度追加〕
この度、アーツに熟練度を追加いたしました。
アーツの熟練度は使用すれば使用するほど、上昇していきます。
熟練度は以下の通りで上がっていきます。
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ・Ⅶ・Ⅷ・Ⅸ・Ⅹ
現在の皆様のアーツ熟練度は『零』の状態です。
どうぞアーツを沢山使ってアーツを成長させましょう。
〔2.ギルド開設〕
この度、ギルドが開設可能となりました。
ギルド開設条件は、
・二人以上のメンバー(自分合わせて)
・ギルドホールの確保
・金銭的な支払い
・ギルドマスター、副ギルドマスターetc…の設定
ギルド設立は運営NPCに話しかけることで可能となります。
是非皆さん、積極的に交流を進めましょう。
〔3.決闘システム追加〕
「決闘」を追加しました。街中でもフィールドでも決闘が可能です。
様々なルールが存在しますので自分たちでご確認ください。
〔4.イベントのお知らせ〕
近日イベント開催!しかし、イベント参加条件がございます!
それは………男女ペアをつくる事!
別に男女ペアでなくても参加は可能ですが、報酬はございません。皆さん、ペア争奪戦頑張ってください。
イベント名は「迷宮攻略合戦」です。なお、イベント名はまだ確定で決まってはいませんので、掲示板でイベント名は随時募集します。
皆さん!今の内に良いペア確保を!
以上でアップデート、イベント情報報告を終了します。
※こちらの情報はメッセージでも配布いたします≫
「楽しくなってきたなぁ…」
そんなことを呟いている俺を他所に、他のプレイヤーは行動を始めている。
急いでそこ等辺にいるプレイヤーに「一緒にイベント参加しない?」と誘っていたり、フィールドへ出て熟練度を上げようとしている者もいる。さすがに、決闘をする者はいないな…
と言うか俺もヤバいよな。女性プレイヤーの知り合いなんて……知り合いなんて…いるな。一人…もういるかな?一応聞いてみるか。
『あー…もしもし?アリス?』
そう、アリス。現状の女性プレイヤーの知り合いと言ったらこいつしかいない。もしアリスが駄目だったら、モブルにでも頼んで一緒に出ようかな。報酬はないらしいけど…
『あ、ノアじゃないですか!どうしたんですか?』
『いやー、今お前どこ?』
『私ですか?今はちょっとクエスト受けてますよー』
『あぁ、そうか。あのなちょっと俺と一緒にイベント出ない?』
『イベント…とは?』
俺は空に浮かんでいる運営からのイベント情報をそのまま読んだ。伝わるよね?これ伝わるよね?テイルとかはどうするんかなー…いや、あいつは多分参加できるな……
『おお!面白そうですね!良いですよ!』
『あ~良かった…じゃなくて了解。じゃあイベントが始まったら集まろう』
『分かりました~。それじゃ失礼しまーす』
『おう』
あー、良かった。早く《調薬》しよーっと。
* * * * * * * * * * * * *
俺は50セルトを払って生産作業場に入る。そして、《調薬》スペースに移動してポーション作りを始める。
最初に、【ロー・ヒールポーション】を4本作った。まあ、ここは前も作ったから特になし。問題はここからだ。俺は机の上に置いた二つの薬草を見やる。
「とりあえずやってみるか…」
視線の先には【破裂草】と【爆裂草】が置いてある。これはさすがに飲むポーションになんて出来ないと思うので、攻撃用のポーションを作りたいと思う。
一応、”視線遮断”設定にして自分のスペースを囲んで壁を生成させておく。爆発したらやばいしな。
とりあえず二つの薬草の説明文を見るとどちらも火をつけるか、沸騰した水に入れてしばらく経つと爆発すると言う性質を持っていた。それなら……
俺は水に〈沸騰〉を掛けて、瞬時に沸騰させる。それをポーション瓶の中に入れる。
そして息を整えて――――――――――【破裂草】を中に突っ込んだ。
段々と破裂草が光りだす。ヤバいヤバイ!早くコルク栓を!俺はコルク栓を手に取る………ハズだったのにそこには何もない。
「おいおいおいおいおいおいおい!どこいったのぉ!!」
俺はあたりを見回すと、コルク栓は床に落ちていた。
「あった!これをハメれば!」
しかし、次の瞬間……俺の右手から大きな爆発が起きた。
ボカァァァン!
「――――――――爆発こわぁ…」
俺はそんなことを言いながら”視線遮断”の設定を解除して、自分の周りの壁を消滅させる。するとこもっていた煙がモクモクと溢れていく。
何事かと他のプレイヤーが近づいてきてくれたが、「大丈夫」と言った。あー、よし分かった。コルク栓しっかり閉めないとヤバい。以上。
「再挑戦だ」
もう一度”視線遮断”設定にして壁を生成。
沸騰した水をポーション瓶に入れ、コルク栓を小指と薬指に挟みながら【破裂草】を中に突っ込む。
そしてすかさず、キュポっと!
「よし!せいk―――――」
ボガァァァァン!!
「はっはっはっは……」
≪爆発系統アイテムで2回の失敗を経験しました。《調薬》アーツ〈時間停止〉を獲得しました≫
「ああ、なるほどね。そのアーツで時間止めろと…ハハ…ザ・〇ールドってか」
俺は一度また設定を解除して壁を消滅させ、煙が完全になくなったらまた”視線遮断”設定にする。そして、今まで通り、ポーションに沸騰した水を入れ、そこに【破裂草】をぶっこむ。
そしてコルク栓をしてすぐに――――
「〈時間停止〉」
新アーツ〈時間停止〉を掛ける。ポーション内は【破裂草】が発光したまま停止し、常にポーションが光り続けているようにも見える。
えーと、そんで…〈時間停止〉の解除設定が出来るのか。それなら”ポーション瓶が割れた時”に設定っと。これで大丈夫だろ。
この〈時間停止〉、《調薬》作業の時しか使えないっぽいな…まあ、戦闘とかで使えたらチート臭くなっちゃうし当たり前か。
出来たポーションはこんな感じだ。
【破裂ポーション】
破裂草を沸騰水に入れ、特殊な技で爆発を封じ込めたポーション。割れた瞬間、爆発する。
【効果】小爆発
結構優秀だなぁ。もっと作っておこうかな。【爆裂草】はちょっと怖いから今度にしておこう…
その後、幾つか【破裂ポーション】を生産して俺は生産作業場を出た。
そろそろ装備も出来てるかな?
プレイヤー:ノア
【スキル一覧】
《短剣》Lv30(↑6UP)《体術》Lv31(↑4UP)《闇魔法》Lv27(↑6UP)
《盗賊》Lv30(↑6UP)《隠蔽》Lv33(↑3UP)《視覚強化》Lv31(↑5UP)
《立体機動》Lv24(↑9UP)《鍛冶》Lv23《調薬》Lv20(↑8UP)《採掘》Lv10
スキルポイント:35
【二つ名】
終焉スキラー
【称号】
失敗の経験者
* * * * * * * * * * * * *
《生産能力向上》
単純かつ明快なスキル名から分かるように生産能力を向上させる。そんだけ。うん、そんだけ。でも使いやすい。
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