おひとよしシーフ(Lv99)による過去改変記

Imaha486

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第七章 中央教会の聖女コロン

064-救いのないセカイ6

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~廃城から発掘された日記より~

【聖王歴128年 黄の月 12日】

 ついに恐れていた事が現実のものとなってしまった。
 森の魔物を殲滅すべく、討伐隊が送り込まれる事になったのだ。
 しかし、本当に森の魔物達は全て悪しき存在なのだろうか?
 確かに巨大なドラゴンに私は誘拐された (今も記憶が不確かで、全て私を騙すための嘘なのでは無いかと疑っている)が、そもそも今は亡き子竜のピートと私は親友同士であった。
 例え種族が違えど、きっとわかりあえるはずなのに。
 だけどもう私の声は届かない。
 誰か助けて……!

【聖王歴128年 黄の月 13日】

 中央教会から大司祭がやってきて、ありがたい教えとやらを説いていった。
 そんなもの幼い頃から、散々聞かされてきているのに何と今更か。
 曰く、神は始めに人を創り、その血肉とする為に動物達を地に放った。
 それを横取りするために悪魔の世界から現れたのが他種族で、人の姿を模倣したズル賢い者がエルフやダークエルフなのだそうだ。
 ……バカじゃなかろうか。
 その理屈でいくと、草食動物である森ドラゴンの説明がつかないではないか。
 それに、他の動物達の存在意義が私達の血肉にするためなどとというのも、殺生を正当化するための詭弁きべんにしか思えない。
 だけど、今の私がその本音を言ったところで、悪魔が取り憑いただの適当な言い掛かりを付けられるに違いない。
 どうしてこうなってしまったのだろうか。

【聖王歴128年 黄の月 14日】

 城に戻ってきた騎士や魔導士達が、今日は何匹ドラゴンを狩ったやら、臨時報酬で夜の酒が美味そうだと楽しそうに会話していた。
 何故だろうか。
 神に創られし偉大な生き物であるはずの人間達が、酷く醜く見えてしまうのは。
 正義の名のもとに、か弱い動物達を痛めつけているようにしか見えないのだ。
 もしかして、私は本当に悪魔に憑かれてしまったのだろうか?
 わからない、わからない、わからない。
 誰か教えてほしい。

【聖王歴128年 黄の月 15日】

 何故そこまで東の森に執着するのかと大臣に問いただしたところ、どうやらそこが中央教会が定める『全ての始まりの聖地』であり、私達の魂が天に召される時にそこを通る、というのが理由らしい。
 別に魂の通り道なのであれば、森にドラゴンが居たところで何の問題もないと思うのだが、大臣曰く、邪悪なドラゴンに支配された森は瘴気に汚染され、天界へ繋がる門が開かなくなるのだそうだ。
 では、実際に誰かがそれを確認したのかと問いただしたところ「そうに決まっています」と意味不明なことを言い出したので、彼の言葉に何の信憑性も無いことだけは分かった。

【聖王歴128年 黄の月 16日】

 ついに明日「聖地奪還作戦」が決行されると報告があった。
 それはつまり、森のドラゴンだけでなくモンスター達も全て根絶やしにするということだ。
 でも、そんなことをすると森の動物達だって巻き込まれてしまうだろう。
 それに、秘密のお花畑も……。
 ピートとの思い出の場所を誰かに踏みにじられるなんて許せない!
 どうにかお父様を説得し、私も現地へ赴くことになった。
 私の前で絶対にそんな事はさせない!
 
【聖王歴128年 黄の月 17日】

 聖地奪還作戦なんて名ばかりだった。
 あんなものは奪還などではない……単なる侵略と略奪だ。
 正義の名のもとに、逃げ惑う魔物達を後ろから襲い■■■■■■■■■■■■はげしくぬりつぶしたあと書いていて気分が悪くなってきた。
 惨状を思い出したくない。
 もう嫌だ。

【聖王歴128年 黄の月 18日】

 兵士の一人が「聖地らしきものを発見した」を報告してきた。
 この男に案内され森の奥で見つけたのは、苔だらけの黒い石板がひとつ。
 これを見て周りの者は喜んでいたが、意味が分からない。
 ■■なモノのために、多く■生き物達が命を散らしたのか?
 こんなモノを手に入れるために、美しい花畑は軍足で踏みにじられたのか!?
 聖地■こんなに血塗れにして……天がそれを許すのか?
 もしそうだとすれば、この世界の神は何と残酷な■だろう。
 本当に分からない……。
 もう、この日記の続きを書くのは止めよう。
 何も信■られない。

  ■      ■

       ■

【聖王■130年 青の月 ■■日】

 あの日に起こった事の全てが■りだった。
 もう一度■り直す事ができるなら。
 今度こそ、今度こそ――――――――――――――
■■■■■       ■ ■ ■
■■■■■■      ■ ■ ■ ■
■■■■■■■    ■ ■■■■■■
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