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異世界転生屋さん2
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俺の名は安野運。今はしがない異世界転生屋をやっている。といっても、いまいちどんな仕事なのかピンと来ない人達がほとんどだろう。それもそのはず、この仕事は国家機密案件なのだから。
事の発端はNASA?JAXA?よくわからないが、そこらのお偉いさんたちが異世界の存在を世に明らかにしたことに始まる。このニュースは若い世代を中心に爆発的に広まり、実際に異世界に行ってみたいとまで言いだす輩が後を絶たなかった。これに目をつけた研究員及び政府の人々は、異世界転生プロジェクトを立案し、有志を募って有人実験を試みた。結論から言うとこのプロジェクトは破綻し、"事実上"中止となる。異世界転生を成功させるには、やはりこの世を不幸な死をもって去ることが必要だと判明したためである。これにはやはり人類の未知への好奇心云々の前に、倫理的問題があった。異世界で生まれ変わるために今世を捨てろ。と言われても、色々無茶な話である。だから、表向き”には”中止となった。そう、お察しの通りそれでも秘密裏には実験が続くことになる。新たなる神秘やビジネスの可能性を前に、研究者や政府がうなだれてすぐ諦めるような性分でないことは諸君もよくわかっているはずだ。政府は有り余る権力を行使して、生贄を用意した。年収が生活保護以下の不幸な若者…真っ先にニートと言われる人種にスポットが当たった。いなくなっても社会的に困らない人間を、不幸な事故と見せかけて殺害し、転生させる。これが政府の方針であった。そこで実際に手を下すため雇われたのが我々異世界転生屋というわけだ。もちろん、はじめは抵抗があった。転生させる、と言うと聞こえはいいが、殺人は殺人である。けれど、転生の対象となる人物はやはりこの世界を憎んでいるようなヤツばかりだ。彼らもきっとこの世界や社会を恨んでいるに違いない。ならいっそ一思いに飛ばしてやるのも間違っていないのでは…今ではそう思っている。いや、そう思うようにした。俺はこの仕事で稼ぎ、生きている。働いた対価として金がもらえ、そして俺は飯を食えているのだから、それで良いじゃないか。きっとこれを見て多くのひとが私を軽蔑するだろう。それはそれでかまわない。ただ、俺はこんな考えで30年近く生きてきたんだ。社会の役に立つかどうか、綺麗に生きてるかどうかなんてどうせ誰にもわかりゃしない。俺はただ、自分が生きるために運ぶだけだ。
事の発端はNASA?JAXA?よくわからないが、そこらのお偉いさんたちが異世界の存在を世に明らかにしたことに始まる。このニュースは若い世代を中心に爆発的に広まり、実際に異世界に行ってみたいとまで言いだす輩が後を絶たなかった。これに目をつけた研究員及び政府の人々は、異世界転生プロジェクトを立案し、有志を募って有人実験を試みた。結論から言うとこのプロジェクトは破綻し、"事実上"中止となる。異世界転生を成功させるには、やはりこの世を不幸な死をもって去ることが必要だと判明したためである。これにはやはり人類の未知への好奇心云々の前に、倫理的問題があった。異世界で生まれ変わるために今世を捨てろ。と言われても、色々無茶な話である。だから、表向き”には”中止となった。そう、お察しの通りそれでも秘密裏には実験が続くことになる。新たなる神秘やビジネスの可能性を前に、研究者や政府がうなだれてすぐ諦めるような性分でないことは諸君もよくわかっているはずだ。政府は有り余る権力を行使して、生贄を用意した。年収が生活保護以下の不幸な若者…真っ先にニートと言われる人種にスポットが当たった。いなくなっても社会的に困らない人間を、不幸な事故と見せかけて殺害し、転生させる。これが政府の方針であった。そこで実際に手を下すため雇われたのが我々異世界転生屋というわけだ。もちろん、はじめは抵抗があった。転生させる、と言うと聞こえはいいが、殺人は殺人である。けれど、転生の対象となる人物はやはりこの世界を憎んでいるようなヤツばかりだ。彼らもきっとこの世界や社会を恨んでいるに違いない。ならいっそ一思いに飛ばしてやるのも間違っていないのでは…今ではそう思っている。いや、そう思うようにした。俺はこの仕事で稼ぎ、生きている。働いた対価として金がもらえ、そして俺は飯を食えているのだから、それで良いじゃないか。きっとこれを見て多くのひとが私を軽蔑するだろう。それはそれでかまわない。ただ、俺はこんな考えで30年近く生きてきたんだ。社会の役に立つかどうか、綺麗に生きてるかどうかなんてどうせ誰にもわかりゃしない。俺はただ、自分が生きるために運ぶだけだ。
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