ヤンキーくんが可愛くて辛い!

Jさん

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ダメだったかも

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もう話すことはないだろうと思っていた一色に呼び出されたの準備室での1件があった翌日の事だった。

朝下駄箱を開けると真っ白な紙に〖放課後第三校舎1階の西階段に来い    一色瑞樹〗と意外に可愛らしい字で書かれている。

たまたまそこで会ったクラスメイトが手紙を覗き込んできた。

「何それ何それ!…………果たし状??」
ラブレターかなんかと勘違いしたのかニヤニヤしながら覗いてきたのが嘘のように深刻な顔をしている。

「いやー…オレ果たし合える気がしないかな」
「だよなー、何かしたの?」
「し……たわ。オレ今日命日かもしれん」
「安心しろよ。葬儀屋の手配くらいしてやるぜ??」
「おーおーそうなる前に逃げるわ」

軽口を叩きながらオレは、アレ??もしかして合意だと思ったの勘違い???れいぷしちゃったのかなぁ???だったらする事土下座?去勢カナァ???と凄い焦った。


その日の授業はほとんど入ってこなかった。何も聞こえなかったんだ、化学の時間の質問に聖徳太子と答えた程に。

そして放課後。オレは処刑台に上がる気持ちで指定の場所へと向かった。
階段へ着いた時には既に一色が待っていた。
一色の姿を見た瞬間オレは走っていき、目の前で土下座をした。

「昨日はすみませんでしたぁぁぁああ!!誠意見せます!何でも言ってくださぁぁあい!!」
そんなオレに一色はオロオロと戸惑っている。
「お、おい別にき、昨日の事?怒って呼んでんじゃねーぞ?」

オレは本当に?性犯罪者になったと思った…と顔をあげた。

「気持ちよかったし…」
一色が本当に可愛く見える。なんだろうやっちゃったから彼氏面でもしてしまっているのだろうか。

「じゃあ何でオレを呼び出したんだ?」
「昨日のヤツ…忘れらんなくて夜寝れなかったんだよ。ずっと気になってたからさ!勢いでつい手紙入れちまった。ごめん」

あー…初めてだったらしいしなぁ。しかもアナニーするらしいしなあ。ハマっちゃったんだろうか…と何故か少し胸がざらついた。何でもやもやするのかオレには分からない。
まあ、でもそれならもう一度やっときたいとかかな。

「そうか…じゃあもう一度やる?」
一色が期待に頬を染めた。オレは何となく酷くしたい気分になってしまった。




「なあ、矢田。今どこに向かってるんだ?」
一色に着いてきて、と言ってオレは自分の家に向かっていた。

「俺ん家。今日家族みんな出掛けてるからさ、2度目も学校の床でとかオレが嫌だし」

「ふーん…家か!矢田の家!」

一色は行先が家だと知ると何故か嬉しそうにしている。その後も家族の話とか好きな音楽とかの話をしながら帰った。意外と好きなバンドとか小説が被っていて盛り上がってしまった。家の前まで着いた時いつもより通学路が短くなったように感じた。


「ここが!矢田の部屋!!かっこいい!凄い!綺麗なんだな!!!」
一色は珍しい所にでも来たかのようにはしゃいだ。たかだかオレの部屋でここまで喜んでくれる人は元カノでもいなかった。

「そう?普通じゃない?」
「いや!俺の部屋より綺麗だ。あ!!片付けてはいるけどな?それより、って事だから!」
1人でぶああっと喋る一色は可愛くて一昨日まで同学年のヤンキーくらいにしか思ってなかったのが不思議な程だ。

「今多分お茶しかないけどいい?」
「いや、悪いし茶ァとかいいよほんと!」
手を胸の前でブンブン振って断られてしまったので取り敢えずシャワーは必要だろね!多分!という事で一色をシャワーに案内する。

服は一色には申し訳ないがオレの物や父の物だとつんつるてんになってしまいそうだったため着ていた物を着直してもらった。

風呂場に行ったついでにバスタオルを持ってきたオレはそれをベッドに敷きながら一色を待った。

「シャワーあんがとー…」 

暫くして帰ってきた一色はいつもビシィッと撫で付けている金髪を下ろしていてどことなく幼げだった。

「洗面所に置いてあったドライヤー勝手に借りたけど良かったか?」
「あ、大丈夫。必要かと思って出しといたやつだから。オレもシャワー行ってくるわ」
「…………いってら」

2人ともシャワーを浴び終わってベッドに腰掛けるとそういう雰囲気になった。
前にヤった時よりムードあっていいな、とその時オレは思っていた。
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